進路企画「東京慈恵会医科大学 研究室訪問」
TOHO Today行事高校
10月1日(木)の都民の日に、進路企画として女子部の生徒との共同で「東京慈恵会医科大学」を訪問させていただきました。
最初に桐朋中学校・高等学校の卒業生である岡部正隆副学長から、東京慈恵医科大学についてのオリエンテーションをして頂きました。東京慈恵医科大学は高木兼寛氏が1881年に日本最古の私立医学校である成医会講習所を開設したところから始まっています。建学の精神「病気を診ずして病人を診よ」に基づいた、医学生が日常的に患者さんとすれちがう環境や医学部のカリキュラムについて教えて頂きました。
その後、3つのグループに分かれ、様々な研究室を訪問させて頂きました。
うさぎのたんぱく質が可視光線を当てると虹色に見えるという高校物理の内容を交えたお話や、がん細胞の正常な細胞の違いについて実際の実験の様子を撮影された動画を交えてお話して頂きました。また、2008年ノーベル化学賞を受賞したことでも話題になった「緑色蛍光タンパク」(GFP)を使った様々な研究も実際に見ることができました。
また、慈恵医科大学内には走査電子顕微鏡(Scanning Electron Microscopy : SEM)と透過電子顕微鏡(Transmission Electron Microscopy ; TEM)があり、今回試料作製の過程から、実際にどのように操作するのかを見学させて頂きました。グループごと何名かの生徒はSEMを使って、腎臓のたこ足細胞や花粉の画像を撮影することもできました。
その後、桐朋の卒業生である東京慈恵医科大学 総合医科学研究センター 再生医学研究部の岡野ジェイムズ洋尚教授から、iPS細胞についての講義をして頂きました。先日、iPS細胞から作られた心筋細胞シートを保険適用で移植する手術が2026年9月29日(火)に世界で初めて大阪の病院にて実施されました。実際の医療現場にものすごいスピードで医学研究の成果が活かされているというお話を頂き、iPS細胞が様々な難病に対する生薬になる可能性を教えて頂きました。
最後は3つのグループが集まったところで、岡部副学長に様々な質問に答えて頂きました。
「今後生成AIが医者の代わりになるのだろうか・今のモデルのままでは生成AIにはできないことは何か。」
「今の時点で将来自分が何をしているのかがはっきりしないのは当然で、今の自分も最初から大学教授となって医学生を指導するとは思っていなかった。目の前にあることをやり続けていくことでおのずとやるべきことが見えてくる。」
「運がいいというのは、チャンスをつかむ準備をして、そのチャンスを掴んだ人を周りの人は運がいいと言う。チャンスが目の前を通った時に、ただ通り過ぎるのを見ているのか、掴みに行くのかが大きな差になってくる。」といったお話をして頂きました。半日間という短い時間の中で様々な貴重な体験ができる機会であり、とても刺激的な時間でした。(H.K)
参加した生徒の感想を一部紹介します。
「今回の東京慈恵医科大学の研究室見学に参加して、僕はいくつか学んだことや印象に残ったことがあります。1つ目に東京慈恵医科大学についてよく知れたことです。例えば、学校の構造や、大学6年間で具体的にどんなことをするのかなどを学びました。2つ目にそこでどんな研究をしているのかについて学んだことです。今回の見学会では特にがんや遺伝子組み換え、iPS細胞の研究を見学しました。遺伝子組み換えでは、ネズミにもADHDや多動症などといった人間の病気を持っていることがあることを知り、関心を抱きました。iPS細胞では近年実用化され、ついにこの間iPS細胞由来の心筋細胞を思い心不全患者に移植させ、治療に成功した話を聞いてとても関心を抱きました。このような技術がもっと発展してほしいと思います。
今回の医学部研究室訪問を通して、普段では見れない医療の最前線を生で見ることができ、また電子顕微鏡など最新の機械に触れることができてとても貴重な体験となりました。今回の経験をもとにこれからの進路についてよく考えていこうと思います。」(高1)
「自分は今のところ、理系に進みたいと考えているのですが、具体的にやりたいことはまだ決まっていないので、医学部の大学を見て、理系の学部への解像度を上げたいと考え、参加しました。自分の中の医学部へのイメージは今まで研究というよりも、新たな医師を育てる学部という方が強かったです。もちろんそのような面も強くあるとは思いますが、それだけでなく研究も、様々なものが行われていて驚きました。研究は、人体を使って行うものだけでなく、マウスや魚なども使って、人間に応用するというものも行われているのだと知りました。個人的には、統合失調症などの人間の悩む病気を持ったマウスを作り、その行動などを観察することで、様々なことを調べるというものに、特に興味を持ちました。この研究以外にも、筋細胞やiPS細胞など様々なものを専門として研究している人がいて、医学部を出たから医師ではなく、自分の興味のあるものを研究するという選択肢もあるのだなと分かりました。今回の研究所見学も踏まえながら他にも様々な進路への理解も深め、自分が本当に行きたいと思える進路に進むことができるよう、頑張っていきたいと思いました。」(高1)








