高校部長メッセージ

「自分の言葉」で語ることができる人間に        高校部長 有村 大輔

「混迷の時代」だと言われます。たしかに、身の回りには解決すべき課題があふれています。しかもそれらは複雑に関わり合っており、解決への糸口を見つけるのは容易ではなさそうです。だからこそ、私たちは物事にしっかりと向き合い、自分の頭で考え続けていかなければなりません。桐朋は、生徒たちが自分の頭で考え、時代を切り開くことができる人間になっていくことを期待しています。

「混迷の時代」という言い古されたフレーズを持ち出して分かった気になり、思考停止に陥ってしまっては、現状を変えていくことはできません。桐朋では「自主の精神」を重んじ、「自律的な学習者」になっていくよう促しておりますが、その基本にあるのは、「自分の言葉」を持つことでありましょう。高校時代は、借り物ではない「自分の言葉」で考えを表現しようと苦闘しながら、自分を高め・広げ・深めていってほしいと思います。
桐朋には、「やりたい」という気持ちをもって挑戦していく生徒を支えていく環境が整っています。緑に囲まれたキャンパスで、良き友や刺激的な学問に出会い、一日一日を大切に積み重ねていこうとする志を持った若者を、私たちは待っています。

伝統に育まれた自主の精神

桐朋の教育目標の中で最もよく語られるのが「自主の精神」を養うことです。自らの目標に向けて日々工夫を凝らしながらクラブの練習に取り組む生徒、仲間と協力し、より良い学校生活や充実した行事を作っていくことを目指しながら委員会活動に励む生徒など、自学自習と創意工夫を心がけ、自分にとって大切な世界を持ち、理想や目標の実現に向けて努力を続けているたくさんの生徒たちを目にすることができます。こうした環境の中で互いに刺激し合い、「桐朋生」として着実に成長していくことが伝統として受け継がれています。桐朋は生徒の自主性を尊重している学校です。

個性を認め、互いに高めあえる仲間

桐朋は卒業生からとても愛されている学校で、多くの生徒たちが卒業後にも学校を訪れ、高校時代の思い出話に花を咲かせています。それは、桐朋がどのような人にとっても居心地の良い場所であったからに他なりません。桐朋では仲間との自主的な活動の経験を通じて、お互いがそれぞれ尊重しあう仲間意識が生まれています。お互いの個性を認め合う雰囲気は居心地の良さを生み出し、自分らしさを発揮できる環境を支えます。このように、才能にあふれ、知的刺激に富む仲間と互いに高め合っていくことで、桐朋の校風は作られているのだと思います。

専門性が高く、生徒と気さくに話せる教師陣

生徒の自主性を支えるのが教職員です。自身の研究を続け、論文の執筆に取り組む者、専門性の高さを学外でも評価され、教材の作成を依頼されたり、ラジオ講座の講師を務めたりする者、オリンピックの候補選手に選ばれるなど競技を極めてきた者、専門分野だけでなく趣味の世界でもマニアックに取り組む者など、多種多様な教員の存在が刺激となり、生徒一人ひとりが自己を確立する意識を高めるきっかけになっています。また、本校は担任持ち上がり制をとっており、学年を構成する担任陣が3年間さらには卒業後も生徒個々と深く関わり、気心の知れた間柄になっています。桐朋の特徴として、生徒と教員の結びつきの強さを挙げる卒業生も多数います。

思う存分活動することのできる充実した施設

2016年度に完成した現在の校舎は、高校の施設としては稀なプラネタリウムや天文ドーム、本格的な実験を安心・安全に行える理科の実験室、英語の「話す」「聞く」の技能の向上に繋がるCALL教室、男子校でありながら本格的な実習のできる設備を備えた家庭科教室など、充実した授業の展開できる教室を整えました。また、サッカー・ラグビー場とは別に野球場もある広大なグラウンド、5つの部屋を備え、種目に合った床ダンパーにより運動ストレスからの障害を予防する体育館、25mのプールなど、各種競技に思う存分取り組むことができます。

桐朋が大切にしているのは、受け身で学ぶのではなく、自ら考え主体的に取り組む姿勢を育むこと、「自主の精神」を養い、将来を切り開く力を体得することです。桐朋という環境を活かすのはきみ自身です。われわれと共に学び、新たな社会を築いていきましょう。