TOHO Today - 教員ブログ -

通訳の仕事から英語を捉える

TOHO Today高校

三学期始業日の1月8日に高校1年では、日本会議通訳者協会から神田雅晴さん、齋藤亜生子さん、松岡由季さんの3名の通訳者の方々をお招きし講演会ならびに通訳体験を実施しました。

 

初めに、高校1年生全体に向けて、3名の方々から自己紹介を、その後、通訳には「逐次通訳」と「同時通訳」の2種類があることとそれぞれの説明、さらには逐次通訳と同時通訳のデモンストレーションをしていただきました。まず、生徒を代表して福本真之君に自分の将来の夢について語ってもらい、それを通訳者が逐次通訳するといったデモンストレーションを行っていただきました。その後、数学科の冨井(Tomy)先生とJETのMaddieさんのお二人が、自らの高校生時代にどのように過ごしたかを質問しあうところを通訳者の方々に同時通訳していただくといったデモンストレーションを行っていただき、大変盛り上がりました。

その後生徒からは、通訳者の方々への質問の時間をとりました。そこでは次のような質問が出されていました。

⑴ AI出現の時代における語学学習の意義

⑵ ChatGPTなど翻訳機器の精度が上がる中での、人間の通訳にしかできない通訳とは

⑶ 現在のAI通訳の利点とは

⑷ 人間通訳の場合の利点としてフィルターをかけるなど適切な表現への変更はどこまで許されるのか

⑸ 逐次通訳と同時通訳では求められるレベルが違うのか

⑹ 通訳者になるきっかけと苦労した話

いずれの質問に対しても具体的な例をあげながら、丁寧にご返答をいただきました。

 

2時間目には、学年を3つに分けて、通訳者になろうと思って勉強している方々が取り組んでいるトレーニング方法の一つである「スラッシュリーディング」と「サイトトランスレーション」についての説明、およびそれらの体験をしました。

スラッシュリーディングとは、英語の文章をスラッシュ(/)で細かく区切りながら、翻訳せず英文のまま頭から読んでいくテクニックです。また、サイトトランスレーションとは、スラッシュを入れた文章を頭から訳していく「翻訳(トランスレーション)」の練習です。

これらの説明と簡単な練習をした後に、実際に生徒にサイトトランスレーションの体験をしてもらいました。

スラッシュリーディングやサイトトランスレーションは通常の英語の授業の中で取り入れられているものではありませんが、リーディングスピードやリスニング力の向上なども期待できます。

生徒諸君も積極的に今回のデモンストレーションに取り組んでいました。

1時間目の同時通訳、2時間目のサイトトランスレーションでは、実際の国際会議等の場でも利用されているパナガイドという無線機器を利用して体験をいたしました。

 

以下に生徒の感想をいくつか載せます。

・      大学受験を通して英語を読むだけでなく、聞いて話すことができるようになりたいと思った。英語を聞いて意味を理解するのは難しいが、通訳者の皆さんの言葉・経験を聞いて勇気をもらえました。

・      失礼ですが、通訳というのはあまり印象に残らない職業だと思っていました。しかし、テレビ越しではなく実際に通訳をされているところを拝見してみて改めてその素早さ、正確さなど心惹かれるものもありました。相手との関係性なども考えて同じ意味でも言葉を選ばなくてはならず、そこは確かに現時点や少し未来の AI では不可能だと感じ、人間が引き続き行うことの重要さがあると思います。

・      通訳の方の仕事を生で見て、それは単に英語がわかるから行うことができているといった内容ではありませんでした。逐次通訳であればノートの取り方や文章のまとめ方、そして話の組み立て方。同時通訳であれば話を聞き落とさずに通訳していくダブルタスクと、通訳の方はどれ一つとっても難しい能力を同時に発揮していることを知りました。言語の壁、国の壁をとっぱらい、橋を渡してゆく職業はとてもかっこいいと思いました。とても贅沢な時間でした、ありがとうございました。

・      今日実際に通訳のデモンストレーションを見させていただいて、完全に理解して聞き取れたわけではありませんでしたが、通訳の正確性と、その速さにとても驚きました。また、企画した先生がたと、来ていただいた三名の通訳者の方々に感謝しています。実際に今の現代社会の中でこうした通訳の人がいるからこそ、大切な国の外交、国を超えた企業間の取引で今の経済が動いていることを、身に染みて感じることができました。

・      同時通訳や逐次通訳において、その技量がいかに求められるかを、実際に五感を使って体験でき、通訳者の方々は相当な努力をなされたのだろうなと思い感激しました。また、僕は実際に同時通訳をさせていただいて、英語の語順を日本語の語順に落とし込むときの思考回路など、難しく感じる部分が多々ありました。でも、チャンクごとにとらえると読みやすくなるというアドバイスをいただいてから、読みやすさが大幅にアップして、普段の勉強にも生かせるのではないかとも思いました。

 

今回、パナガイドを無償で提供していただいた株式会社バルビエコーポレーションの方々に感謝いたします。

(T.S)