「行きたい場所をどうぞ」 ~高校演劇教室~
TOHO Today高校
6月16日(月)に、高校は3時間目まで授業、その後昭島市民会館へ移動し、演劇教室が開催されました。今年の演劇教室は現代劇で、青年劇場の皆さんによる『行きたい場所をどうぞ』でした。青年劇場のホームページに掲載されている作品概要は以下のとおりです。
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何に対しても諦めがちだった女子高生(光莉)とAIロボット(夕凪)の「自分探し」の旅。その中で出会う多くの人たちや、様々な価値観に触れていくことで、「自分で選び、自分らしく生きていくこと」を見つけていきます。選ぶとは? 可能性とは? 自由とは? 脚本は「オールライト」の瀬戸山美咲、演出は児童青少年のための舞台芸術の発展に力を入れている大谷賢治郎のコンビでお届けする近未来を舞台にした作品です。
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この公演を鑑賞した後に、希望者を対象として、役者さんとの座談会が行われました。座談会には青年劇場さんからは、今回の女子高生光莉(ひかり)役を演じられた竹森琴美さんをお迎えし、本校の高校生は22名が参加しました。
座談会は、通常の授業とは異なる盛り上がりをみせ、約40分間にわたりました。以下では、座談会で出された生徒からの質問とそれに対する竹森さんの回答のいくつかを記します。
生徒 - 今回の『行きたい場所をどうぞ』の公演のために練習時間はどれくらいかかりましたか。
竹森 ー このお芝居は初演は3年くらい前だったのですが、そのときは初演の1か月くらい前から開始しました。再公演の場合は5日くらい稽古して、思い出しながら、ブラッシュアップしてやっています。
生徒 ー 脚本や演出とかはどうなっていますか。
竹森 ー この舞台については、どちらも外部の人に願いしています。その他に、舞台美術や照明も外部のプランナーさんにお願いしています。
生徒 ー 今回の『行きたい場所をどうぞ』は今までに何回くらい公演していますか。
竹森 ー このお芝居は、関東や九州の学校を中心に行っています。たまに近畿地方とかでも行っています。今までに、80から90回くらい公演しています。
生徒 ー このお芝居ではどのようなメッセージを伝えたかったのですか。
竹森 ー このお芝居のキャッチフレーズが、「一歩踏み出せば何かが変わる。夢を探しに行きませんか。」になります。自分自身も高校生のときに周りの友人に流されてしまったこともあり、一言勇気を振り絞って自分の気持ちを伝えることができればよかったなという経験があります。そんなことから、ちっちゃいことでもいいから、1個これやりたいと思うことを言ってみる、やってみるという選択をしたら、自分の人生が変わるかもしれません。そんなことに繋がればいいなという思いで、私はこのお芝居をやっています。
生徒 ー 台詞とかで決まっていることはあると思いますが、それ以上に役を作っていく上でご自身で解釈していくこととかはありますか。
竹森 ー 一つは光莉という役が色んな人の影響を受けて変わっていく役なので、毎日この役をやっていますが、自分の台詞以上に相手の台詞に耳を傾けるっていうのを大事にしています。
生徒 ー 役者として、客側に感じで欲しいとか、こういう思いが伝わればいいなとかいうことはありますか。
竹森 ー 私の個人的な考えなんですが、芝居を見てくださっている人それぞれがどう思うか余地を残しておきたいと思っています。舞台上と客席で芝居を一緒につくりたいという思いがあります。今「なんだよこの芝居」と思ってみている方もいるかもしれませんが、それでも10年後とかに、ああいうお芝居みたなとか、ああいうこと言っていたなとか、なんか残ってくれればいいし、高校生とか十代の皆さんがこれからの人生を築いていく上で、『行きたい場所をどうぞ』が必要・不必要はおいておいてなんか人生のピースになったら嬉しいなと思いながらやっています。
生徒 ー 受け止めやすくする方法とか。
竹森 ー 全部わかろうと思ってみると、たぶん入ってこないから、私は自分が響いたところが、すごく響いてくれればいいと思っているので、構えずリラックスして見て欲しいなあと思います。たぶん全部聞き取るぞと思ったら、大事なことまで聞けなくなってしまうから、すごく楽しい気持ちでお芝居を見てくれたら嬉しいなあと思います。
生徒 ー 緊張することもあると思うんですけれども、対処の方法とかあったら教えてください。
竹森 ー 私は、緊張しているなーって思うようにしています。緊張したらだめだと思ったらもっと緊張しちゃうから、あっ今緊張している、よしよしって。本番になって緊張するよりぜんぜんいいじゃないですか。受け入れるようにしています。緊張感があることはいいことだと思うので、それがいいことだと思うようにして本番に臨んでいます。
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生徒からの質問の中には、演出のことなどを含め、かなり興味深いものもありましたが、ここではネタバレになりそうなものについては、ご紹介できなくて残念でなりません。