TOHO Today 桐朋トゥデイ

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進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。今回は、2月12日(火)に、杏林大学医学部付属病院を訪問しました。ご案内くださったのは、桐朋高等学校卒業で、現在学校法人杏林学園副理事長、杏林大学救急医学教室教授の松田剛明先生、同じく桐朋高等学校卒業で、杏林大学医学部医学教育学准教授の矢島知治先生です。参加したのは、高校2年4名、高校1年4名の計8名です。

最初に松田先生から、杏林大学医学部付属病院のご紹介がありました。

杏林大学医学部付属病院は、大学病院の本院として、また、都内に4つある高度救命センターの中で、多摩地区唯一の病院であり、高度な専門医療と救急の最前線とがともになされるという大きな役割を担っていて、年間の救急患者は3万8千人あまり、手術も1万1千件あまりと、多くの患者を支えていることを知りました。
特に、松田先生のご専門である救急医学では、命の危険に瀕した患者を受け入れる救急医療の最後の砦であり、全身にやけどを負った患者がロシアから運ばれ、献身的な治療によって無事回復したというエピソードもお話しいただきました。実際、病院の屋上にはヘリポートがあるそうです。

その後、病院内を見学しました。まず、16ある手術室の一つに入れていただきました。

麻酔器や生態情報モニタなどの器具の紹介とともに、衛生管理として、感染予防の徹底に加え、手術室の空調は、部屋の上からきれいな空気が下りてくる形で、塵への対策としていると教えていただきました。

さらに、手術の際に用いるロボット「ダヴィンチ」を見学しました。

「ダヴィンチ」は、患者にとって負担の少ない腹腔鏡下手術で使われ、従来の人間の手による手術では難しい動きを可能にし、繊細さも合わせ持つロボットアームによって、手術の可能性を広げるとのことでした。現在は、前立腺癌などの疾患に対して使われているが、今後は、その範囲を広げていくとのことでした。

続いて、集中治療室(ICU)のフロアを見学しました。杏林大学医学部付属病院には、中央病棟に18室、さらに、外科棟にも、手術後すぐに収容可能な28室があるそうです。集中治療室では、患者2人に看護師が1人付き、手厚いケアがなされていることを知りました。

高度救命センターも見学しました。杏林大学医学部付属病院は、緊急度・重症度の高い救急患者にも対応できる設備が整っていて、手術室、血管造影室、全身を約10秒で撮影できるCTもあるそうです。合わせて、手術室で、血管の造影もできるハイブリッド手術室での心臓疾患に対する手術の一端も見学しました。

最新の医療のレベルの高さを実感することができました。

杏林大学医学部付属病院は、施設・設備が充実しているだけでなく、建物内も新しくて実にきれいです。多くの病棟はこの10年ほどの間に建て直したとのことで、その際には、より良い病院とするために、国内はもちろん、アメリカ、ヨーロッパの病院を視察して回ったとのことでした。

その後、矢島先生による講義を受けました。
最初は、「医師としての頭の使い方」というテーマで、診断の進め方のシミュレーションを体験しました。

診断は、一般的に問診→身体診察→検査の順で行い、問診で鑑別診断(症状を引き起こす疾患の絞り込み)を進め、聴診器などを用いての身体診察、最後にCTなどの検査をするという流れだそうです。
シミュレーションでは、腹痛をきたす疾患を調べ、問診でどんな情報が得られると鑑別診断が進むのかを体験しました。例えば、胃潰瘍であれば、胃の粘膜に傷が生じているので、食後に痛みが出やすい、胃腸炎は嘔吐と下痢の症状がともに出るが、下痢だけだと腸炎になるなどのレクチャーを受け、医師が疾患に対する知識、理解を深く持つことで、患者の話を通して診断ができることを実感しました。その上で、医師としての頭の使い方のポイントは、的確な情報収集と論理的な思考にあり、得られた情報から理詰めで思考を展開するという点で、数学の証明を解くのと類似した頭の使い方だと教えていただきました。さらに、単なる丸暗記では知識を活用しにくく、きちんとした理解を持つことの大切さを、高校での学習でも実感してほしいとお話しいただきました。
最後に、協調性を養い、リーダーシップを身につけ、基本の大切さを自覚するという点からも、クラブ活動は引退までやり遂げて欲しい、「やればできる」という自己肯定感が、やる気を支える力になるので、自己肯定感が増すような体験をして欲しい、医師の仕事の本質は、患者さんの幸せをプロデュースすることにあり、自分の家族を大切にできない人が患者さんを大切にできるはずがない、だから、自分のまわりの人を大切にして欲しいとアドバイスをいただきました。

参加した生徒の感想です。
・以前、高2対象の在校生卒業生懇談会でお話をうかがった松田先生に、病院内をご案内いただけると知り、興味を強く抱いたので参加しました。手術室の中に入れたり、「ダヴィンチ」の見学ができたりと、普通であれば絶対に経験することのできないようなことがたくさんでき、想像していた以上で、参加して良かったです。医者を目指す身として、このような貴重な体験をさせていただいたことは、本当に幸せなことだと思います。ありがとうございました。一年後に、お世話になった松田先生、矢島先生に良い報告ができるように頑張ります。(高2)

・医学部に進学したいと思っていて、そのモチベーションになるし、以前松田先生にお目にかかったことがあり、いろいろ教えていただけると思ったので、参加しました。治療や実際の手術の様子の見学など、想定以上の体験ができました。また、問診の心得についても教えていただき、率直に、とても楽しかったです。実際の病院の雰囲気に触れることで、医者になるという将来の展望がいっそうはっきりしたものになって、勉強へのモチベーションが上がりました。このような企画に参加して、これほど良かったと思ったのは初めてです。先生方にいただいたアドバイスを胸に、残り一年しっかり努力したいと思います。お昼のオムライス、ごちそうさまでした。(高2)

・医療関係の仕事に興味があり、桐朋のOBの方が実際の医療の現場をご案内いただくこの企画を知り、参加しました。実際に手術室に入れたり、最新の医療機器を間近で見ることができたり、実際の治療の様子を見学したりと、今までにない刺激を受け、とても良い経験になりました。松田先生のご専門の救急医療についてだけでなく、杏林大学医学部付属病院の特徴などもお聞きできて良かったです。また、矢島先生の、問診や医師の心構えに関するお話にも感銘を受けました。患者のことを考えて、さまざまな視点から治療にあたっていらっしゃることを知り、医療の大切さと大変さを実感しました。改めて医療の奥深さを知り、自分も携わりたいと強く思いました。お忙しい中、とても貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。(高2)

・大学病院の施設がどんな感じか、知りたくて参加しました。オペ室に入ることができたり、矢島の先生の講義を聴けたり、思っていたよりもはるかに充実した内容で、受験に向けたモチベーションが上がりました。ダヴィンチを生で見ることができ、嬉しかったです。松田先生、矢島先生、お忙しい中、貴重な体験の機会を設けていただき、ありがとうございました。これから頑張ります。(高2)

・医療関係に興味があったので、参加しました。実際の手術の様子を見学できたり、手術室の中にも入れていただき、杏林大学医学部付属病院は都内の大学病院でトップクラスの設備があることを実感できました。また、医学部の面接の様子を教えていただき、大変参考になりました。ありがとうございました。(高1)

・医学部付属病院の施設を見学してみたくて参加しました。実際の病棟、手術室だけでなく、少しの間手術の様子も見学でき、ネットや本で知ることのできない現場の雰囲気を感じることができました。現場の先生方の意見をお伺いし、これからの医療現場で何が必要なのかを知り、自分の認識、態度を改めなきゃと思いました。貴重な機会を作っていただき、ありがとうございました。(高1)

・僕は親の影響で医学に興味を持ったので、親が働いていた杏林大学病院を見学したいと思ったので、参加しました。普段は見られない救急医療の現場などを見学でき、大変良かったです。正直、もっと堅苦しい雰囲気なのかと思っていましたが、みなさんソフトな感じで、楽しく見学できました。ありがとうございました。(高1)

 

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。今回は、スペシャル版として、2月4日(月)に、NHKを訪問しました。案内してくださったのは、桐朋高等学校卒業で、現在、NHK報道局社会部専任部長である堀部敏男さんです。参加したのは、高校3年1名、高校2年3名、高校1年9名、中学3年1名の計14名です。

最初に、国際放送である「NHKワールドJAPAN」のスタジオと、番組の制作をしているフロアを見学しました。

スタジオでは、放送の際、アナウンサーの前にある機材の仕組みやクロマキーを用いての他の映像との合成などについて紹介いただきました。

国際放送で取り上げるニュースを決める際には、日本の視点に偏らないよう、外国人のアドバイザーにも参加してもらっているそうです。生徒が「視聴者は、外国の放送局による番組もある中、NHKの国際放送を見ているわけですが、NHKならではの強みはどんな点にあるのですか」と質問したところ、「アジアを知らせる点で、アジアをよく知っているという強みがあるし、NHKの放送は、公正中立の点で海外からの評価も高い」とお答えいただきました。

その後、堀部さんから、「NHKってどんな組織?」をテーマにしたお話があり、NHKで働いている方々の様子をまとめた映像の紹介もありました。番組制作、取材記者、アナウンサー、技術職など、1万人あまりの方が働いていること、NHKでは同じ職種を続けるのが基本で、堀部さんもずっと取材に関わる部署に属していること、取材では、警察も掴んでいなかった情報を聞き出すこともあることなどをうかがいました。そのうえで、再び公正中立が話題になり、どう報道するかは担当者が集まって、ぎりぎりまで議論し、公正中立な報道になるように取り組んでいる、それとともに、大切にしているのが、これを報道したい、報道すべきだという取材記者の強い思いだとのことでした。突き詰めた取材をし、そこで確認できた事実に忠実に報道する、記者の姿を紹介いただきました。

続いて、「クローズアップ現代」の担当ディレクターやNHKスペシャルの責任者を務められ、現在は理事として活躍されている、桐朋高等学校卒業の中田裕之さんからもお話をうかがいました。

中田さんは、桐朋中1年生の頃の作文で「NHKのディレクターになりたい」と書いたそうで、「ルポルタージュにっぽん」「NHK特集」などのドキュメンタリー番組に憧れて、就職の際もNHKしか受けなかったとのことです。ディレクターとして現場を走り回っている頃は、どういう番組を作るか、どう取材するかなど、一日中番組のことを考えていて、編集の際には徹夜が数日続くなど、大変な苦労を重ねたとのことでしたが、放送後に視聴者から手紙をもらうなど、自分の仕事に反応があることに大きなやりがいを感じ、取材、番組作りを続けてきたと話してくださいました。生徒が「映像や音声も簡単に変えることが出きるし、情報操作もなされているようで、報道を信頼して良いのか、不安になる」と話したところ、「フェイクニュースなどが話題になる中で、まず、NHKだから信頼できるという、納得のいく報道をすることが大事だ。ファクトだけで納得を得られなくても、取材の過程、事実の背景や要因など、すべてを伝えることで信頼を得るようにしている。また、今のことだけを伝えれば、今が理解できるとは限らない。本当のことを知るには、経緯や背景を知り、歴史を掘り下げることが大切だ。クローズアップ現代やNHKスペシャルなどは、こうした思いで制作している」とお話しくださいました。さらに、生徒への期待として、「真偽を見極める力を持つことが大切だ。複数の情報に触れるなど、報道を確かめる努力を心がけて欲しい。そのために、情報に触れる際の、自分なりの軸を作っていけると良い」とのお話もありました。生徒からの「ジャーナリストや報道番組を制作する上でどんな力が必要か」という質問には、「ありとあらゆる力が求められる。取材する力、魅力的に伝える力、さらに、番組は組織で作るので、スタッフをまとめる力、他者の力を引き出す力が必要になる。だからこそ、この仕事は面白い。どんなに続けていても、正解がないので、いつまでも頑張れるのだ。そして、学生時代に目の前のことにしっかりと取り組み、自分の活動を突き詰めていく。その積み重ねで、人としての総合力が高まっていく」と教えていただきました。

続いて、堀部さんに、ニュースを制作しているフロアに案内いただきました。そこでは、SNSで発信されている情報から、事件、事故の情報をチェックし、その情報の信憑性、ニュースとしての価値を判断しているグループ、日本中から寄せられる映像をチェックしているグループなど、さまざまな様子を見学し、24時間体制で動いている報道の現場を実感することができました。さらに、夜7時のニュースで使われているスタジオや情報番組「あさイチ」のスタジオ、大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺」のセットの様子などを見学しました。

参加した生徒の感想です。

・「報道」に興味があり、NHKの中を覗いてみたくて、参加しました。記者の方の悩みとやりがいについて、生の声を聞くことができ、大変勉強になりました。飾らず正直なお話により、リアルな実像を体験できました。私たちが普段目にしているモノの裏側、制作現場を肌で体験できたことは、とても貴重なことだと思います。今回は、特に報道フロアの雰囲気に浸ることができて、大変良かったです。ありがとうございました。(高3)

・マスコミ関係の仕事に興味があったので、参加しました。報道の現場の緊張感を肌で感じることができ、とても良かったです。現場にいる人全員で、NHKを作り上げているような気がしました。(高2)

・NHKのニュースはわりと保守的だと感じていて、どのようにしてニュースを選んでいるのかを知りたいと思い、参加しました。スタジオや放送センターの中まで見学でき、とても勉強になりました。また、記者をされていた堀部さんに直接質問できたので、NHKのことをより良く知ることができました。見学で特に印象に残ったのは、ニュースキャスターがカメラの方を見ながら原稿が読める仕組みを知ることができたことです。普通なら絶対に入れないようなところに入れたり、普段聞けないような話をしてくださり、本当にありがとうございました。(高1)

・出版や報道に興味があり、スタジオの見学もしてみたかったので、参加しました。現場で働いている人が、事前に思っていたより大人数で、実にスピーディーに仕事をしていたことに驚きました。NHKにいる桐朋の卒業生の方にたくさん会え、話を聞けて、とても良かったです。(高1)

・参加する友人に誘われて、参加することにしました。番組作りの規模が想像していた以上で、スタジオの裏にたくさんのスタッフの方がいて驚きました。普段、一般の人が入れないところに連れて行っていただいたし、OBの方から貴重なお話をうかがえて、参加して良かったです。今回の企画を開催していただき、ありがとうございました。(高1)

・NHKに興味があり、テレビ番組の制作現場に行ってみたいと思っていたので、参加しました。ニュースが放送されるセットやニュースができるまでの過程を知ることができ、参加して良かったと思います。とても内容が濃く、良い体験ができました。ありがとうございました。(高1)

・OBの方が活躍している様子を見学することで、自分の将来を考えるための参考にしたいと思い、参加しました。記者の方が徹底的な裏付けと議論を重ね、その上で報道することにより、公平性、中立性を保っていると聞き、報道に関わる方の情熱が直に感じられ、大変良かったです。政治・経済・犯罪・災害など、あらゆる場面での報道の重要性を知り、ますます記者という職業に興味が湧きました。高校生になる直前のこの時期に、OBの方の活躍の様子を知り、高校3年間の過ごし方について改めて考えることができました。このような機会を設けていただき、ありがとうございました。(中3)

*今回は、NHK内の見学でしたので、写真撮影を許可いただいた場所が限られ、掲載も少数に止めました。

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。12月17日(月)に、横須賀市にある海洋研究開発機構を訪れ、施設を見学した後、桐朋高等学校卒業で、海洋研究開発機構(JAMSTEC)の地球内部物質循環研究分野の主任研究員である羽生毅先生の研究室を訪問しました。参加したのは、高校2年生2名、高校1年生4名、中学2年生1名の計7名です。

まず、海洋研究開発機構の施設についてご紹介いただきました。海洋研究開発機構は「海から地球を解き明かす」ことを目的として、地球環境・地震・地球内部の解析・深海生物・海底資源など、さまざまな分野での研究が行われています。

続いて、潜水調査船を見学しました。「しんかい6500」は、深海6、500mまで潜ることができる潜水調査船で、有人での潜水調査ができる船は世界に7隻しかありません。見学をした日は、メインテナンスの関係で、船のカバーを外した状態であり、船の構造を見ることができました。

研究者、ドライバーの3人が乗り込むコックピットの大きさ、調査後深海から浮上する際に使う浮力材が船体内にはめ込まれている様子など、普段は見ることのできないものも見学できました。

さらに、深海巡航探査機「うらしま」も見学しました。

「うらしま」は無人の探査機で、機体内蔵のコンピュータに運行のシナリオを設定することで自力で航行できます。そのため、船舶よりも海底に近いところで探査を行えるので、たいへん解像度の高い海底地形のデータを取得できます。実際に、船舶による海底地形図と、「うらしま」のを比較する映像もあり、「うらしま」の力を実感しました。

その後、「しんかい6500」や「うらしま」の母船である「よこすか」が停泊中だったので、参加者全員での記念写真を撮りました。

続いて、水圧に関する実験を見学しました。水圧は、深さに比例して大きくなり、水深1000mでは100気圧になります。ちなみに、深海は、一般的に水深200m以上を指すそうです。実験では、発泡スチロールでできたカップ麺の容器に水圧をかけ、水圧の大きさにより、カップ麺の容器が圧縮されていく様子を見学しました。

興味深かったのは、圧縮されるのですが、書かれている文字が潰れることはなく、読むことができることです。水圧は、各部に均等にかかるので、縮み方が均一になるのだそうです。水深1000mでの100気圧ともなると、容器は高さが半分ほどにまでなりました。

この施設には高圧水槽があり、ロボットや機械が深海でもちゃんと使えるのかを実験で確かめているそうです。

午前中の最後には、海洋科学技術館を見学し、深海生物の展示、深海6500の実物大の模型のある部屋で、

深海6500のコックピットの中に入って大きさを体感することもできました。

午後には、羽生先生にご案内いただき、研究室・実験室の見学をしました。

まず、羽生先生の研究内容を教えていただきました。羽生先生の研究は地球内部での物質循環を対象としていて、地球内部の物質が現れる場としての火山を基に、物質の成分を調査し、その成り立ちを解明しているとのことです。実地調査では、火山に登っての岩石採取だけでなく、深海6500に乗り込み、海の底にあるマグマが固まってできた岩石を採取することもあるそうです。

採取した石は、その化学組成を調査することで、地球の成り立ちを解き明かすことができるそうです。化学組成の調査では、全岩分析と局所分析の2種類があります。全岩分析は、岩全体の化学組成を分析します。具体的には、石を粉々にしてどういう元素が入っているのかを細かく確認します。その中で、同じ元素ではあるが、中性子の数の異なる同位体の比率を調べることで、地球の過去において何があったのかも知ることができるそうです。一方、局所分析では、岩石を薄くスライスして、顕微鏡で分析すると教えていただきました。

その後、同位体分析を行うクリーンルームを体験しました。

クリーンルームとは、空気の汚れを取り除くことで、不純物の混入のない正確な調査、研究ができる部屋です。研究として高い評価を受けられるかは、どこまで不純物を取り除くことができるかによるとのことです。そのため、JAMSTECでは、空気中の埃だけでなく、研究に使う蒸留水も徹底して不純物を取り除く、実験の作業も人間ではなく機械が行うことで、埃を減らしているそうです。

続いて、クリーンルームで分離した元素の同位体を分析する質量分析計を見学し、分析の仕組みをご紹介いただきました。

岩石カッターを見学したあと、局所分析についてご紹介いただき、メルト包有物(マグマ中で結晶化する際、結晶内に取り残された揮発性物質)を顕微鏡で観察しました。

羽生先生は、このメルト包有物を基に、地球内部のマグマやマントルについて調査・研究をなさっているとのことでした。顕微鏡で観察するような小さなものから、地球内部の循環を研究できることに驚きました。

参加した生徒の感想です。

・夏休みにもこの催しに参加したので気軽に参加できました。特殊な研究設備を多く保有しているJAMSTECに興味も持ったのですが、実際に現地に行ってみると、研究所の規模が想定以上で驚きました。「しんかい」などの潜水艇や実験装置、岩石の試料などについて、詳しい解説を聞きながら見学できたので、理解を深めることができました。ちょうど無機化学を学んだばかりだったので、クリーンルーム内での説明がとても興味深く感じられました。貴重な経験をありがとうございました。(高2)

・11月に行われた、高校2年対象の、在校生卒業生懇談会で、大学の先生方から研究に関する話をいろいろ聞き、「研究職」とはどういう職業なのかを知りたいと思っていました。また、今回見学する研究所が自分が学びたい内容に関連すると思ったので、参加しました。研究職とは、ひたすら研究所に籠もって研究するだけと思っていましたが、深い海に潜ったり、海外に石を採取に行ったりといったアクティブな活動もあるのだとわかりました。さらに、研究は、一人で進めるのではなく、チームで対応することも実感できました。加えて、研究の成果が、地球環境の改善に繋がる可能性があることも認識でき、研究の奥深さ、やりがいを知りました。自分のなりたい職業の幅が広がる、面白い企画に参加でき、大変良かったです。ありがとうございました。(高2)

・地球科学に興味があり、実際の研究所などを見てみたいと思って参加しました。僕はまだ中2なので、よくわからない点も正直あったのですが、水圧の実験や、顕微鏡で実際に研究された物を見ることでさまざま発見がありました。海洋での研究を詳しく知ることができてたいへん良かったです。(中2)

 

 

 

 

 

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。11月19日(月)から3日連続で行われた特別講義の最後として、夢のような「基礎医学の研究室訪問」が実現しました。

東京慈恵会医科大学では、桐朋高校の卒業生3名、桐朋女子高校の卒業生1名が基礎医学の分野の教授をなさっています。この方々の研究室に訪問し、研究内容をご教授いただきました。参加したのは、高校3年生5名、2年生1名、1年生1名の計7名です。

最初に、今回の研究室訪問を企画くださった、桐朋高校卒業で、形態学や進化学の研究をしている、解剖学講座の教授である岡部正隆先生に、東京慈恵会医科大学とその周りをご案内いただき、北里柴三郎や野口英世がいた伝染病研究所の跡地や、新設に向け工事が進んでいる大学病院の新外来棟などをご紹介いただきました。

その後、教室でお話を伺い、

「1人の医者を育てるには多くの費用がかかり、大学の授業料だけでなく国からの補助を受けて医学教育は行われている。だからこそ、医学の道に進む上で、国民のための医者であるという自覚を持つべきだ」とお話がありました。また、最近の医学部入試の話題では、筆記試験だけでなく面接や小論文が重視され、人間的に優れた人を選抜する意識が高まっていることも教えていただきました。
見学・体験では、遺伝子組換えマウスが管理されている部屋の見学、

高解像度で3次元での観察機能を持つ共焦点レーザー顕微鏡での観察を体験しました。

形態学・進化学に関する研究内容の一端を教えていただき、進化の過程で、水中にいる魚から陸上の動物へと移り変わる中で、どのような遺伝子の変化が体の形を変えたのかを解明する研究として、古生代から絶滅せずに生き残っている古代魚と陸上の動物のゲノムを比較することで進化の様子を調べたり、緑色蛍光タンパク質を用いて体の中の特定の細胞を光らせ、観察しやすくした遺伝子組換え魚を麻酔で眠らせ、生きている細胞を観察することで研究を進めたり、といった最新の研究スタイルをご紹介いただきました。

続いて、桐朋高校卒業で、薬理学講座の教授である籾山俊彦先生の研究室を訪れ、脳の神経細胞のシナプスによる情報伝達の仕組みを研究するために、マウスの脳をスライスし、それに電気的刺激を与えて電流の流れ方をコンピュータで解析する様子を見学しました。
研究に関するお話の中で「大学で学ぶには、『頭のいい人』ではなく『頭の強い人』であってほしい。『頭の強い人』はわからないことを頭の中に貯めておくことができる。これにより、その問題を何度も、継続的に考え続けることができる。そうした人が、研究を推し進めていけるのだ」と教えてくださいました。

続いて、桐朋女子高校卒業で、分子遺伝学の教授である玉利真由美先生からお話を伺いました。先生は、疾患と遺伝子の関係を解明して、癌やアレルギー疾患の原因を突き止め、治療方法や薬の開発に繋げる研究をなさっていて、特に、アレルギー研究10ヵ年戦略の策定に向け、重症アレルギー患者の死亡者数をゼロにすることを目標に、国の研究チームの代表研究者として取り組んでいることをご紹介いただきました。先生の、「患者の痛みに寄り添う」という姿勢に感銘を受けました。

さらに、遺伝子の塩基配列を高速で読む装置、次世代シークエンサーを実際に見せていただきました。

最後に、桐朋高校卒業で、再生医学研究部の教授である岡野ジェイムス洋尚先生の研究室を訪れました。研究室の施設見学の際、顕微鏡で培養されたiPS細胞を観察しました。

岡野先生からは、再生医学の現在と未来についてご説明いただきました。特に、パーキンソン病や心不全を例に、iPS細胞を元にした新たな治療法の開発に関するお話では、現在の医療の進歩と未来の可能性を実感することができました。さらに、遺伝子の異なる細胞を一つの体に合わせ持つ生物、キメラ動物に関連して、iPS細胞を用いて人の臓器を動物で製造するという、ショッキングな研究についても教えていただき、生命倫理の問題を深く考えさせられました。

参加した生徒の感想です。

・医学に元々興味があり、桐朋でのこうした催しに今まで参加したことがなかったので、最後の機会だと思って参加しました。あまり知らなかった基礎研究の分野の、自分がまったく知らない話ばかりを聞くことができ、好奇心を刺激され、こうした研究に興味を持てたし、視野が広がったようにも思います。お忙しい中、貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございました。素敵な経験をすることができました。(高3)

・今回、さまざまなお話を聞いて、医療研究がどのように行われ、どのような試行錯誤や苦労を伴いながら、今日ある医療や、将来普及するであろう医療が確立していくのかを知ることができました。僕自身、将来は外科医になると決めていますが、今後、高齢化が進行する中で需要がいっそう高まる、高度かつ低価格の医療を供給していくために、研究者の方々の存在がきわめて重要になることを強く感じました。今回、このような素晴らしい機会を与えていただき、ありがとうございました。(高3)

・学年の先生から企画を紹介されて興味を持ち、参加しました。医療の現状、問題となっている点などを、実際に医療に従事されている方の視点を通してお話しいただき、大変勉強になりました。さらに、普段目にする機会のない基礎医学の研究に直接触れ、最新の医療の様子を知ることができたので、医学部の受験に臨む上でモチベーションがますます高まりました。(高3)

・同じ進路企画で、この夏に千葉大学理学部の研究室を訪問しました。自分が将来学びたいのが医学と理学に重なる分野で、どちらの方面に進むのか決めきれていないので、医学部の研究室を見て決めたいと思い、参加しました。実際の研究室や、研究している様子を見学することができ、そのうえで、先生方の現在の研究に関する講義も聴くことができました。最先端の研究に関するお話はなかなか聞くことができないし、将来学んでみたい分野のお話はとても興味深く、面白かったです。貴重で贅沢な機会を設けていただき、本当にありがとうございました。自分の将来について悩んでいたことのいくつかを、今回の経験で解決することができました。先生方のように、最先端の研究にいつか自分も携わってみたいという思いが強くなりました。(高2)

・将来、医療の道(今のところ臨床)へ進もうと考えているため、研究とはどういうものかを学べたり、刺激を受けたりできると思い、参加しました。実際に、実験用の動物からさまざまな研究機器、本物のiPS細胞まで見ることができました。事前に予想していた以上に、広く深く学ぶことができ、とても面白かったです。大変興味深く、また深く考えさせられる内容に触れ、これまで臨床しか考えていませんでしたが、研究にも大いに興味を持ちました。ありがとうございました。(高1)

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。今回は特別版の形で、朝日新聞社の主催で、中学・高校生が大学での学びに触れる「プロフェッサー・ビジット」(駿台予備学校・代々木ゼミナール協賛)が、11月20日(火)に本校多目的ラウンジで行われました。参加したのは、中1生4名、中2生3名、中3生1名、高1生8名、高2生3名の合計19名です。

講義をしていただいたのは、電気通信大学大学院情報理工学研究科教授(機械知能システム学専攻)の横井浩史先生で、テーマは「サイボーグ技術と福祉医用機械」です。

まず、横井先生の研究についてのご説明で、「サイボーグ技術とは、人間の身体に付いて、人間の身体の機能を拡張するものである。その役割の一つが『機能代替』で、具体的には、先天的に、あるいは、事故などで失った手・指の機能を補う物、例としては、義手などにあたる。機能代替の研究は、自分の身体に取り付けた機能を脳がどのようにして活用するのかも対象にしている。もう一つが『運動援助』で、手や指を失ってはいないが、麻痺が生じた場合の対応にあたる。このケースで考慮すべき点として、見た目がある。そのため、神経の麻痺を治して筋肉が動かせるようにする、機能回復としてのリハビリが重要となり、神経に電気信号を与え、トレーニングを積むことで麻痺を治す、神経科学による取り組みも行われている」というお話を、映像とともにご紹介いただきました。

さらに、「博士論文では、アメーバロボット、今流行の柔らかいロボットを研究した。普通のロボットとは異なる、柔らかい骨組みで作られた物を作った。当時、ロボットには精密さが求められ、柔らかいロボット、変形するロボットなどは、役に立たないと考えられていた。今取り組んでいる義手も、日本で使う人は8万人ほど。人口が1億3千万人であることを考えると、必ずしもメインとなる研究ではない。自分は『役に立たないもの』に関する研究が好きで、役に立たないものを役に立つようにすると、大きな利益を生むとも考えている」と、先生の考え方の根本を教えていただき、生徒は大いに刺激を受けました。

続いて、筋肉が動く仕組みを筋電位を元に説明いただき、筋電義手のデモンストレーションをしてくださいました。ニューラル・ネットワークによるディープラーニングを通してAIに、どの筋肉を動かすと、どの指が動くのかを学習させ、それを元に筋電義手を動かすという、現在の技術の進歩を目の当たりにしました。

筋電センサーの仕組み、筋電信号を用いた、人の運動意図の測定方法についてのご説明の後、幼児用の筋電義手のデモンストレーションとして、参加した生徒一人一人が、筋電義手の使い方を体験しました。

ものを握った際の、手の筋肉の加速度と年齢との関係を示したグラフをもとに、「6歳以上になると、加速度が下がる理由として、その年齢になると、自分の手をコントロールできるようになる、実際、4、5歳の頃は、食事でスプーンも上手に動かせず、こぼしてしまう」といった例が話題となり、「人間は6歳頃に、手・指などの運動を習得する。つまり、筋電義手を6歳頃までに与えれば、自分の手のように扱える。さらに、小さい頃からロボット技術、サイボーグ技術を扱う経験を積めば、人間は自分の力以上の力を扱えるようになる」として、ヨーロッパで行われている取り組みのご紹介もあり、実に刺激に富んだお話を教えていただきました。

話題は広がり、脳に関する研究として、筋電義手を動かしている時の脳の働きを調べ、筋電義手がうまく使えていると頭をあまり使わないが、うまく使えないと頭をたくさん使っていることや、脳の麻痺を、電気刺激を通したトレーニングで治すことができることを、実際の映像を通してご紹介いただきました。

最後に、電気通信大学の提唱する総合コミュニケーション科学について、さらに、大学と高校の違い、具体的には「高校では生徒と呼ばれ、教えてもらう存在なのに対して、大学では学生と呼ばれ、学びながら生きる存在である」ということや、「大学に行くべき人は学ぶことが好きな人・新しいことを知りたい人・人と繋がりたい人である」という先生のお考えもご紹介いただきました。

1時間半を越える講義が終わったあとも、生徒からの質問に丁寧にご対応いただきました。

参加した生徒の感想です。

・医学部への進学を考えていること、最先端の技術にも興味があること、祖母や父が高齢で手足が不自由になっているので、今回の話題は他人事ではないと思い、参加しました。先生がなさっている研究だけでなく、それに関する話もたくさん聞けたので、先生のお話が、自分のこれまでの知識と結びつき、しっかりと理解しながら学ぶことができました。工学と経済学、医学の関連について知ることができたり、最先端の研究、技術に触れることができて、たいへん刺激を受けました。義手や義足の持つ可能性、特に、人間の持つ力以上の力を発揮できるというお話が強く印象に残りました。(高2)

・ロボットに興味があったので参加しました。講演を聞く中で、将来性豊かな学問だなと感じましたし、講義の内容が、評論文などでしばしば取り上げられるロボットやAIに関するものだったので、そうした分野に関する知識を広げることができました。また、お話が、先生の研究内容だけでなく、大学での学問などに及ぶものだったので、文系理系に関係なく、すごくためになるものだと感じました。講演の内容ではありませんが、パワー・ポイントの内容で、英語が多く用いられていたことも強く印象に残りました。(高2)

・自分が将来進もうと考えている医療に関係した内容だったし、工学自体にも関心があったので参加しました。先生の研究に対する考え方、例えば、「美しさ」と「不気味」は紙一重といった話題など、新鮮かつ納得させられるもので、お話を聞けて良かったと思いました。(高1)

・自分は自然科学に興味があるのですが、機械工学にも関心があったので参加しました。今回の講義で、機械工学というものを、より知ることができ、以前より身近に感じられたことがとても良かったなと思っています。先生がおっしゃっていた中で、人はコミュニケーション能力によって進歩してきたということがとても印象に残っていて、自分の生き方を変えるような大事なことを学べたように感じます。自身の能力を高めながら、他人とのコミュニケーションを怠らないようにこれから生きていこうと思います。(高1)

・医療に興味があるのと、学校の先生に誘われたので参加しました。横井先生のお話はすごくおもしろく、中学生の僕にもわかりやすく、これまで大学とはどういった場所なのか、見当も付かなかったのですが、今日で、おおまかではあるけど、つかめたように思います。個人的には「他人の興味のないものを活用する」というお話が大変印象に残っています。(中3)

・テーマがおもしろそうだったので参加しました。大学での研究テーマにも、さまざまなことがあるとわかったのが良かったです。(中2)

  

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。新たに、この11月に3つの特別講義が行われました。

そのうちの一つとして、11月19日(月)に、桐朋高等学校卒業で、成蹊大学法学部教授 塩澤一洋先生の授業を見学、体験しました。参加したのは、高校1年生9名です。

一講座目は、すべての法律の基礎である「民法」の大学1年生向けの授業に参加させてもらいました。授業では、ある物や権利を、他者に二重に譲渡した場合の、法律に基づいた考え方について学びました。
授業の最初に、塩澤先生から、桐朋高校生が参加していることをご紹介いただき、

大学生の方にサポートをしていただきながら、授業の課題に取り組みました。授業は、法律の条文をみなで音読したあと、その条文が該当する実際の状況を思い浮かべ、バディとともに二人組で実演します。

示された状況が法律の内容に該当しているのかを、授業の中で検証し、法律の条文をしっかりと理解し、さらには、こうした条文を設けた民法の狙いも読み解いていきます。

二講座目は、大学1年生によるゼミに参加しました。ゼミで扱うテーマも学生が選ぶ形になっていて、参加したゼミでは、著作権法を話題にしていました。

先生が出された課題について、学生がいくつかのグループに分かれて、授業に向けて進めてきた話し合いの内容を紹介し合いながら、それぞれのグループの考えにおける一致点、相違点を整理して、論点を明確にし、理解が深まっていきます。

参加したゼミの最後に、著作権によって著作物が保護されるべきであるのは、有体物と異なり質量のない無体物でありながら社会が財産的価値を認め、独立した知的財産として取引の対象にするという特殊性を著作物が持つからだと説明を受け、いっそう理解を深めることができました。

授業後には、塩澤先生から、法律を学問として学ぶ意義についてお話しいただき、一つは、現実を法律を元にしてとらえ、法の定めるルールを理解し、活用できるようになることだが、それはあくまでも第一歩に過ぎず、法律の成り立ちを理解することで、自分たちでルール、法律を作っていけるようになることが重要であると教えていただきました。

参加した生徒の感想です。

・どの学部を志望するか、迷っていたので、興味のある学部をいろいろと見てみようと思い、参加しました。法学部は、オープンキャンパスでも見学したのですが、普通の授業での空気感を味わえ、オープンキャンパス以上にクリアにイメージすることができました。授業は、正直最初は難しく感じましたが、徐々に理解が進み、後半には法律の条文をしっかりと理解できたので、おもしろい授業だなと感じました。素の学生の雰囲気が体験でき、楽しそうに授業を受けているのだとわかりました。塩澤先生が、アップルペンシルを持って裸足で授業をなさっているのが、印象的でした。(高1)

・大学の授業はどういった雰囲気なのかなと思っていたので、少しだけ大学生を体験できると期待して参加しました。先生が一方的に授業をすると思っていたのですが、実際は学生が積極的に発言していて、先生と学生が一体となって授業をしていたことに驚きました。特に、一番気になっていてゼミにも参加でき、ゼミというもの、学生の取り組みを知ることができて、とても良かったです。先生のiPadを使った授業がとてもわかりやすく、さすが大学だなと感じました。(高1)

・私は文系ではなく、理系志望なのですが、論理的なことが好きで、法学にも興味もあって、法学の授業がどのようなものかを知りたくて、参加しました。一講座目は、思っていたよりも具体的な内容を扱っていて、最初は不安でしたが、隣の大学生の方が丁寧に説明してくださり、二重譲渡に対する考え方について理解することができました。ゼミでは、一つのことをかなり重点的に議論し、掘り下げていくことに驚きましたし、楽しそうだなと感じました。塩澤先生が授業後に、法律を学ぶ意義を教えてくださり、単に法律を学ぶだけではない、ということが強く印象に残りました。何も知らなかった法学について、どのような授業を通して学んでいくのかがわかり、参加して良かったと感じます。(高1)

・文理の選択に迷っているので、参加しました。大学の雰囲気を知ることができたし、法学について理解が持てたので、参加して良かったと感じています。特に、塩澤先生のゼミでの説明はとてもわかりやすく、さすがと思いましたし、学生からの質問にも、丁寧にしっかりと答えている姿に、大学の先生も親切にしてくれるのだなと思いました。(高1)

・文理の選択をする前に、実際に大学の授業を受けてみたいと思い、参加しました。大学の授業は、もっと緊張した感じなのではと勝手に想像していましたが、学生がたくさん発言する形で行われることを知り、とても良かったと思います。授業でもゼミでも、難しい条文を身近な例に置き換えて考えていたし、塩澤先生からも身近な話題を通して説明していただいたので、大変わかりやすかったです。ゼミでは、学生に進行を任せながら、最後には先生が結論まで導いていたのがすごいな、と感じました。(高1)

・行きたい学部を決めかねていたので、とりあえず参加できるものには参加しておこうと思って、参加しました。大学生と一緒に授業を受けることができ、大学の授業を生で体験できたのが、たいへん嬉しかったです。普段体験できないようなことを、特別にさせていただき、ありがとうございました。(高1)

・進学先として法学の分野を考えているわけではないが、法学に興味もあるので、参加しました。法学の学習は、なんとなく六法全書の内容を覚えるようなものかと思っていましたが、法律を使えるようにするのが法の学びだと知り、さらに法学っておもしろいなと思いました。「法を作る」のが、法律学を極めた先にあるものだと聞き、なるほど、奥はとても深いのだなと再認識しました。ありがとうございました。(高1)

さる10月17日(水)に、「夢・未来プロジェクト」の一環で、バスケットボール女子元日本代表の原田裕花さんが来てくださいました。

当日は高1学年の学年行事「学年の日」にあたっており、2020年の東京オリンピック開催をにらんで、スポーツの世界で大きな活躍をされた方にお越しいただき、ご自身の経験などを伺う機会を設けたい、という趣旨から、この企画が実現しました。

最初の講演会で原田さんは、バスケットという競技を自分の意志で選んで努力を続けてこられたことや、ケガに見舞われた時の辛い経験などお話しされ、人生の節目での決断の大切さ、そして、逆境にあってこそ「出来ることを考え実践すること」の大切さを、生徒たちに伝えてくださいました。

続いて体育館に場所を移して、全員参加の「クラス対抗フリー・スロー対決」やクラス選抜メンバーによる「ミニ・ゲーム対決」がおこなわれました。原田さんは300人を超える男子を前にして上手に生徒たちをリードしてくださり、いずれの対決も大きく盛り上がりました。

あわせて原田さんは、生徒有志たちとの「ミニ座談会」にもお付き合いくださいました。アスリートの方の経験談や華麗なテクニックなどに触れ、生徒たちにとっても、「自分の将来」を考える良い機会になったと思います。

以下に、この企画の運営にあたった生徒たちの感想をご紹介します。

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 今回の原田先生の講演や、バスケ交流会を通じて、新しいことを学ぶことが出来ました。その中でも「苦しい時こそ笑顔で」という言葉が印象に残りました。僕よりも何倍もつらい練習や、試合の大事な場面があった原田先生が、それをどうやって乗り切ったのか、という疑問があったので、それを聞くことができて、良い経験になったと思います。今後、この経験を生かしたいです。(K・T君)

 今回の「夢・未来プロジェクト」で、司会を務めさせていただきました。当日は、「臨機応変」に対応できるように全力を尽くしました。その結果、体育館での実技指導では、エクササイズ、フリースロー大会、ミニゲームと、とても盛り上がっていたように感じました。個人的に、オリンピック選手の目の前でレフリーを務めることが出来て、とてもいい経験をさせていただいたな、と思っています。将来、オリンピックで笛を吹けるように頑張ります。(K・K君)

 当日は、原田先生による貴重なお話、楽しい実技と、とても充実した内容でした。講演会では,「苦しいときこそ笑顔」というフレーズを聞いて、こうやって前を向いてきたのか、と生き様を教わることができました。また、実技の方では、みんなと楽しみながら、原田先生の解説付きのゲームができて、とても充実した時間を過ごすことができました。このような経験をさせてくださった原田先生、本当にありがとうございました。(T・N君)

 司会や企画運営は、今まで様々なところで何回も務めたことはあったけれど、どれも基本的には学校内の規模、大きくても学校数校程度の規模の企画だった。しかし今回の企画は、今まで経験のない大きな規模であったため、とても緊張した。そのためか、講演会の司会の方は思った通りにはなかなかいかなかったが、企画運営面では、私以外の2人の協力もあって非常に上手くいったと感じた。また、原田先生のお話、特に「苦しいときこそ笑顔」の精神は、私にとっても非常にためになった。すべての意味において、今回の会は良い経験になったと思う。(K・K君)

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原田さん、本当にありがとうございました。

高1学年で、HR三回にわたり、オープン・キャンパス体験記の報告会が開かれました。

「オープン・キャンパスへの参加」が夏休みの課題となっていたところ、クラス内でその体験談を語ってもらいました。
国公立大学・私立大学、医学部・工学部・法学部・経済学部など、生徒が訪問した大学・学部もさまざまで、各大学がどのような理念のもとオリジナルなカリキュラムを編成しているのか、その片鱗を知る機会となりました。

訪問する大学を選んだ動機もさまざまで、現時点で明確な進路を展望している生徒もいれば、「とりあえず有名だから」「名前を知っているから」といった理由で大学を選んだ生徒もいました。しかし、生徒は一様に「何か」を感じ取ってくれたようです。

実際の大学入試はもう少し先になりますが、彼らが自分の進路を、自らの意志で切り開いていくうえで、一つのきっかけになってくれればと思います。

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。この夏、三つ目の特別講義が行われました。

8月31日(金)に、桐朋高等学校卒業で、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院教授 猪原健弘先生の研究室を訪問しました。参加したのは、高校2年生1名、高校1年生4名の計5名です。

猪原先生に東京工業大学の施設をいくつかご紹介いただいた後、猪原先生が、大学生・大学院生にグループワークによる授業を行う教室にご案内いただきました。床にはカーペットが敷かれ、靴を脱いで上がる部屋であり、車座になって座り、意見交換をしやすい状況で授業を行うこともあるのだそうです。

まず、猪原先生のご専門である「合意形成」について、ご説明いただきました。一例として、「意思決定」と「合意形成」の違いを話題にされ、「意思決定」は「個人や集団がある目標を達成するために、与えられた、あるいは、考えられる選択肢の中から一つを選んで決める」ことであるのに対して、「合意形成」は「集団における意志決定において関係者の意見が分かれた場合などに、選択肢を増やしたり、価値基準を見直したりする中で、意見の一致を図るプロセスである」とご説明いただきました。

その上で、東京工業大学院1年生の授業でも取り上げられる「合意形成ゲーム」に関する授業を体験しました。

まず、自己紹介の仕方について。ポイントとして、「名前の由来」「これまで、これからの所属」「最近取り組んでいること、将来取り組みたいこと」の三点を盛り込むことをご提案いただきました。さらに、アメリカのシリコンバレーでプレゼンテーションの極意として重視されている「エレベーター・ピッチ」、「エレベーター内で投資家と会った起業家が、目的の階までのわずかな時間で、自分のプロジェクトを売り込む」、つまり「成功の必須条件である『短く効果的に話す』」という話題もご紹介いただき、1分以内に自己紹介をするよう、求められました。

その後、「合意形成ゲーム」を体験しました。「NASAゲーム」と呼ばれたりすることのあるもので、月で遭難した際の必要性を考慮して、15個の品物について重要度合いを順位付けするという内容です。まずは個人で取り組み、次に2人組で、

そして、最後は全員で話し合い、決定します。

その上で、NASAがランク付けした順位との差を確認。すると、個人よりも2人組、2人組よりも全員という形で成績が良くなりました。多くの場合、多くの知恵を結集することで結果が良くなるようですが、猪原先生から「理想的な結果」とお褒めいただきました。場合によっては、周囲の者に足を引っ張られたという結果になることもあり、「自らの意思、考えをきちんと伝えられない、説得できない」という反省をしてりするようです。

このゲームを通して、グループワーク、リーダーシップ、ディスカッションについて、改めて考え直したり、理解を深めたりするためのふり返りの機会を設けることもあり、「意見が異なった際、合意形成に向けた工夫として何ができるか」「話し合いの人数が多くなると自分の意見を主張しない人が増えるが、それをいかにして防ぐか」などについて検討するそうです。

最後に、東京工業大学でこうした講座を行うことの意義として、「最新の技術を普及させたり、地域のさまざまな開発を進めたりする際、社会や関係者と協議をし、合意形成を図る必要がある。東工大の学生にしっかりとした認識を持たせたい」と、お話しいただきました。

・毎日、この企画のポスターを見ているうちにだんだんと興味が湧き、自分がまったく知らなかったリベラルアーツを知りたいという思いが高まったので、参加しました。参加して驚いたことの一つは、教室のことです。大学の講義室は、桐朋の階段教室のようなものをイメージしていましたが、外靴を脱ぐカーペットが敷かれた部屋で、床に直に座るためのクッションも用意されていました。他にも、猪原先生に案内していただく中で人文図書館に連れて行ってもらいましたが、「東工大なのに人文図書館?」と驚きました。でも、オープンキャンパスでは行くことのない貴重な体験だとも感じ、嬉しく思いました。自己紹介についてのレクチャーも興味深かったし、討論のゲームは楽しく、話し合いのあり方について考えるきっかけになりました。さらに、大学での教育がどういうものかを具体的に知ることができ、大変参考になりました。(高2)

・「合意形成」という分野に興味があり、参加しました。思った以上に少人数で濃い時間を過ごせましたし、大学で研究をなさっている教授の方がどんな雰囲気なのかを感じることができました。「合意形成」というものの奥深さを知り、ますます興味、関心が高まりました。(高1)

・東工大に興味があったのと、進路について悩んでもいたので、参加しました。実際に大学の中に入って、どのような講義がなされているのかを具体的に知ることができ、とても貴重な体験となりました。東工大は理系の大学だけど、このような印象の異なる、クリエイティブな学部があると知ることができ、とてもおもしろかったです。(高1)

・偶然、校内で張り紙を見かけ、正直「リベラルアーツ」ということばの意味も知りませんでしたが、何となくおもしろそうだったので、参加しました。少し前に、同じ「大学で研究してみませんか」の企画で横浜国立大学にも行き、また、東京工業大学はオープンキャンパスで訪れてもいたので、イメージはありました。その際に感じた「何となく硬そうだな」というイメージと違い、「リベラルアーツの授業では、普段は座布団を敷いてそこに座って授業をする」など意外な点を知ることができました。研究室の雰囲気も、もともと想像していた、机や器具に向かってひたすら試行錯誤を繰り返すようなイメージとは異なり、大学の研究室と言ってもいろいろあるんだなと感じました。倫理的に問題も多いと言われる新しい科学技術が発達していくであろうこれからの世界において、「理解、合意、協力を得る」ということがますます重要になっていくことは容易に想像できます。それに向けて「提案→議論→決定」というプロセスを体験できたのは、今後の自分にとって良い経験だと思っています。(高1)

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」の二つ目の特別講義が行われました。

7月27日(金)に、桐朋高等学校卒業で、横浜国立大学理工学部数物・電子情報系学科准教授荒川太郎先生の研究室を訪問しました。参加したのは、高校3年生1名、高校1年生2名、中学2年生1名の計4名です。

まず、荒川先生から工学(エンジニアリング)の意義に関する説明があり、続いて、光エレクトロニクスが、光ファイバ通信、光ディスク、レーザーレーダーによる自動運転など、さまざまなモノやサービスで利用されていることについてご説明いただきました。そして、提案→設計→試作→評価という工学での研究の流れをご説明いただき、本日の内容が、それぞれの一部を体験するものであるとのご紹介がありました。

その後、研究室の大学院生の方々のご指導の下、研究の体験をしました。

まず最初に、光素子(デバイス)の設計に関するシミュレーション体験をしました。コンピュータ上ですでに組まれているビーム伝搬法(光がどのように伝わるのかを、デバイスを細かく分けて一つ一つ計算する方法)をもとに、一本の光ビームを任意の本数に分岐することを目的としたデバイスである多モード干渉計(MMI)の幅を変えることで、光ビームの伝搬がどのように変化するのかを観察し、光ビームを3本に分岐する幅、長さを設計するという体験をしました。

次に、試作に関する体験として、クリーンルームを見学しました。微細な光素子(デバイス)を作製する際に、細かい塵やゴミがあると不良に繋がるので、一般の環境よりもずっと塵の数が少ない「クリーンルーム(防塵室)」と呼ばれる実験室内で光素子(デバイス)の作成が行われます。横浜国立大学のクリーンルームは、クラス10000とクラス1000の2種類の部屋があります。クラス1000とは、一辺約30㎝の立方体内に0.5ミクロン以上の大きさの粒子が1000個以下である部屋を意味するそうです。ちなみに、われわれの住む環境はクラス100万程度になるとのこと。クリーンルーム内では、人間が主な汚染源となるので、身体から塵を出さないよう、無人衣と呼ばれる服を着ます。

続いて、試作に関するもう一つの体験として、高解像度走査型電子顕微鏡による観察を体験しました。顕微鏡を用いた観察において、光学顕微鏡は解像度が低く1ミクロン以下のものは観察できないため、光の代わりに波長の短い電子線を用いることで高解像度を実現したのが走査型電子顕微鏡です。倍率は5万倍からで、優れたものになると100万倍近くにも達するそうです。この顕微鏡を使って、光素子(デバイス)が設計通りに作製できているかなどを確認できるとのことです。

さらに、評価の体験の一つとして、光素子(デバイス)の特性を測定することに関連した体験をしました。本来は、作製した光素子(デバイス)の発行特性や光透過特性を評価し、望んだ通りの光素子(デバイス)ができているかを調べたりするそうですが、今回はその装置を操作し、測定の一端を体験しました。

加えて、電子制御を用いて動く水素で作った電気で走るトヨタMIRAIへの試乗も体験しました。横浜国立大学所有のMIRAIに乗り、新しい技術に直接触れることができました。

参加した生徒の感想です。
横浜国立大学を志望していて、オープンキャンパスなどよりも学校のことを深く知ることができると思い、参加しました。正直、横浜国立大学に行くのは初めてだったので、立地や環境、学生の様子などについても知ることができました。研究の内容は、おおまかな説明を受けるだけだろうと思っていましたが、大学院生の皆さんが丁寧に細かく説明してくださり、驚きました。自分がどこまで理解できたかは心もとないですが、どんな研究がなされているのかを知ることができて、大変勉強になりました。特に、水素自動車の試乗、クリーンルームへの入室など、普段体験できないようなことまで体験でき、貴重な機会となりました。ぜひ荒川先生からご指導いただけるよう、受験勉強に励みたいと思います。(高3)

校内に掲示された目新しいポスターが偶然目に留まり、工学に興味があるのでなんとなく、といった軽い気持ちで参加しました。大学という場所自体ほとんど行ったことがなかったので、研究室がどんなところかなど想像もつきませんでした。「光エレクトロニクス」という研究内容を十分理解できたとまでは言えませんが、大学の研究室という環境がどのようなものかを自分で体験でき、とても良かったと思います。大学は、身近なようでいて、実際は意外に知らない場所なので、今回の研究室訪問に参加して、実感を持って大学を知ることができ、とても嬉しく感じましたし、良い機会になったと思っています。(高1)

自分の将来や進学についていろいろと悩んでいたところ、この企画の案内を見て、一つの参考になると思ったこと、それと、走査型電子顕微鏡を使ってみたいと思い、参加しました。正直、事前に思っていた以上に内容は難しく、現段階ではよくわかっていない面もありますが、参加して、大学院生の方からもお話をうかがうこともでき、学部について一つのイメージを持つことができました。また、水素自動車に乗れたこと、クリーンルームに入れたこと、顕微鏡を使えたことは、貴重な、良い経験となりました。今後の文理選択、学部志望の参考にできたように思います。(高1)

 

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