TOHO Today 桐朋トゥデイ

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進路企画として、本校卒業生の現役東大生が東京大学を案内するという機会を設けました。
題して、“現役東大生による大学ツアー”。

7月14日(日)に、現役東大生6名が本郷キャンパスを案内しました。参加したのは、高校2年生6名、高校1年生6名、中学3年生1名の計13名です。

まず、赤門前に全員集合し、案内中も気軽に中高校生と交流ができるように、東大生の自己紹介が行われました。その後東大生の案内により、キャンパス内のさまざまな施設を見学しました。

赤門前に集合しましたが、あいにくの雨でした。

ツアーの前に、東大生の自己紹介がありました。

ツアー開始。構内を歩き、図書館や安田講堂、大学生協、学食などを巡り、各学部の校舎紹介などもありました。

その後、構内の教室において、高校時代の取り組み、大学生活の今、大学にはどんなチャンスが待ってるか等についてのプレゼンが行われ、様々な学部学科の先輩からの興味深い話に耳を傾けました。個別相談の時間もあり、大学生活についてや大学にはいるための勉強法・心構えなどを相談していました。

10:30から16:00までの有意義な時間はあっという間に過ぎました。

 

 

 

NPO法人映画甲子園主催『高校生のためのeiga worldcup2019』の最終審査結果が2019年12月7日に発表されました。本校高校2年生と他校生でグループを組み、作成した2作品、『Nah Nah Teen』が自由部門で優秀音楽賞、『彩光の一手』が地域部門で全国2位にあたる優秀作品賞を受賞しました。

本校生に向けた上映会を以下の日程で実施します。場所は、本校ホールです。

2月19日(水)~21日(金)の放課後、2作品合わせて1時間程度の上映になります。鑑賞を希望する方は、ぜひご参加ください。

監督を務めた太田慎一郎君のコメントです。

表彰式にて。『彩光の一手』が地域部門優秀作品賞を受賞した際の写真

「高校2年E組の太田慎一郎です。今回僕たちは桐朋内と外部の高校で有志を募り、その仲間で夏に映画『Nah Nah Teen』と『彩光の一手』を制作し、提出先の『NPO法人映画甲子園主催 高校生のためのeiga worldcup』という高校生映画の全国大会で、優秀作品賞と優秀音楽賞を受賞しました。もちろん、僕たちが身を削って作った作品で賞を頂けたのは大変嬉しいことですが、何よりも参加してくれたメンバーが制作中楽しそうだったことが、僕の一番嬉しかったことです。
僕は中学3年の終わりに有志で短編映画を作り始めました。その時は、”中学卒業記念”という名目で有志を募って、『映画が好きだから』『なんか作ってみたいから』という欲で作り始めたのですが、制作し終わってその映画を上映した時、2つのことに気付きました。ひとつは、みんなで同じ目標に向かって一緒に何かを作り上げることが、大変でもあり同時に楽しく、作り終えた時に大きな達成感があったこと。そしてもうひとつは、価値観も性格も違う人間同士が考えを共有するというのはとても素晴らしいということです。
桐朋では、部活や委員会など比較的同じようなタイプの人と行動することが多いです。だから僕たちが有志で集まって活動した時、とても刺激的な雰囲気が生まれました。小説をよく書く脚本の人もいれば、最新の技術が好きで知識がある人、アクションっぽく動くのが得意な人もいれば、リーダーシップを取ってみんなをまとめられる人、場を盛り上げてくれる人、普段は大人しいけど知的で想像力に溢れた人、絵を描くのが得意な人、ポスターデザインやデスクワークが好きな人、音楽を作れる人、サポートが好きな人、などなど、有志で集まると、本当に多種多様な人が集まります。そして参加してくれたメンバーから『あいつとはあまり喋ったことなかったけど、こんな面白い人だったんだ』とか『こんな考え方もあるのね』という声を聞き、本当にやりがいを感じました。もしかしたら、この複雑化した社会で、このように価値観の違いを互いに共有することはとても重要なことなのかも知れません。
そしてその後は『作りたい』という私的な理由よりかはむしろ『みんなが違いを共有できる場を作りたい』という理由で、短編映画に限らず、バンドを組んで音楽、日本語を交えた英語の演劇などを、今日まで有志で作り続けました。今回作品を作り上げることができたのは、参加してくれたメンバーだけでなく、協力してくれた先生やお店、外部の人など沢山の方や、桐朋という自由で個人のアイデンティティを尊重する環境のおかげです。今は多くの人への感謝の気持ちでいっぱいです。
今回受賞した2つの作品は、『NPO法人映画甲子園主催 高校生のためのeiga worldcup』のHPから視聴可能です。お時間のある時に、是非観て頂けると嬉しいです。
長くなってしまいましたが、ここまで読んでくれた方、ありがとうございました。」

作品のあらすじです。
「NahNahTeen」(35分)
人間関係や社会についての僕なりの考えを、7つのパートに分けて、ドラマとミュージカルでポップに表現した作品です!!
今作は桐朋生だけでなく、桐朋女子や学芸大附属高の友達とも一緒に制作しました!!
カメラワークや色使い、そして音楽にこだわり、映画甲子園では優秀音楽賞を受賞しました!!
そして、複数の視点を様々な方法で表現し、パートごとに雰囲気が違うのも今作の魅力なので、そういうところも楽しんで観て頂けたらなと思います!!

『Nah Nah Teen』の撮影最終日に撮った集合写真

『彩光の一手」(10分)

父親の転勤のため転校の多い主人公には、「故郷」と呼べる場所がない。今度の転校先でも、また同じことの繰り返しだとおもっていたのだが…。

“故郷”が今年の映画甲子園の地域部門のテーマであり、それに対して「故郷の無い人にとっての本当の故郷とは?」というアプローチで、少人数で制作し、映画甲子園では優秀作品賞を受賞しました!!
今作の脚本は、1年前に制作した「翡翠」に引き続き、高校2年大藏幹太君が担当しました!!
学校だけでなく、国立市内のあらゆる場所でロケをしましたので、是非そんなところも含めて楽しく観て頂けたらなと思います!!

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。
今回は、2学期期末考査後の自宅学習期間にあたる12月19日(木)に、東洋大学社会学部に訪問しました。ご案内くださったのは、桐朋高等学校卒業で、東洋大学社会学部社会文化システム学科教授の高橋典史先生です。参加したのは、高校3年1名、高校2年3名、高校1年1名、中学3年1名、合計6名です。

最初に、高橋先生の、宗教社会学の講義に参加しました。

受講生は、大学2・3年生が中心で、230名あまりでしたが、大教室の一番前で講義を受けました。講義のテーマは「宗教と多文化共生のまとめ」で、概略は次の内容でした。
「在日外国人労働者の増加や移民のもたらす宗教文化の影響などから、宗教組織やその活動において、グローバル化、多様化が進んでいる。この点を社会調査する際に役立つ研究視点として、移民による宗教を、「モノエスニックな宗教組織」(特定の民族で構成されているもの)、「マルチエスニックな宗教組織」(複数の民族を包含するもの)という2類型で捉える見方がある。また、多文化共生を考える上で、それに関する、宗教組織の活動を二つに分類することが必要になる。一つは、マルチエスニックな組織における「宗教組織内<多文化共生>」で、言語や背景の異なる民族が組織内でいかに共存できるかをマネージメントすること、具体的には儀式をどの言語で行うかなどがある。もう一つは、「宗教組織外<多文化共生>」である。宗教組織の外側にあたる公的な領域において、布教活動などとは別に、多文化共生に該当する社会活動を行うことである。例として、地域における日本語教育などがある。社会学的に重要となるのは、宗教団体が社会に対してどのような活動をしているかを捉えることである。地域社会において多文化共生政策を実施する活動主体として、行政・NPO・宗教団体などがあるが、日本の経済力の低下により、行政による社会福祉や公共サービスではスリム化、民営化が進められている。こうした中で、NPOなどは行政の下請け企業化する状況が生じ、補助金への依存が進む一方、不況による補助金の削減もあって、NPOの活動は翻弄されている。一方、宗教団体は、行政に依存しておらず、理念的・人的・経済的に自立し、幅広く社会貢献活動に取り組んでいるものも少なくない。地域の多文化共生において存在感が増している宗教団体の活動に、学術的、社会的に目を向ける必要性がある。ただし、宗教団体は社会活動に特化した団体ではないので、宗教理念に違和感を覚えるなど、社会から賛同されにくい面もあり、宗教団体による多文化共生の活動にも限界がある点には留意が必要である」

次に、会議室に移動し、質疑応答を基本として、高橋先生から1時間ほどお話をお伺いしました。

最初に、自己紹介をしていただきました。
「大学では、民俗学・文化人類学を学びたいと思い、千葉大学文学部に進学した。きっかけとして、一つは、自分は東京郊外の農村地域のあきる野市出身で、お祭りや地域の行事が多く、お寺や神社を身近に感じながら育ったが、桐朋中に来て、他の地域では宗教と関わりのない生活をしていることを知り、違いに興味を持ったこと。二つ目として、中3の修学旅行で遠野に行った時、引率の小柳敏志先生 から、柳田国男の『遠野物語』や日本人の伝統的な考え方などに関するお話を聞き、自分の幼い頃の体験はかつての日本で一般的になされていたことだが、近代化、都市化が進み、大きく変化していることに興味を持ったことがある。その後、大学生の頃、9.11の同時多発テロがあり、文化や宗教の衝突がもたらす事態に衝撃を受け、宗教の社会的意義と多文化共生に関心を持つようになり、また、中高生の頃、オウム真理教事件が起き、興味本位からではあるが、宗教に関心を持っていたこともあって、宗教社会学を志し、大学院から一橋大学社会学研究科に。大学院で学ぶ中で研究者の道に魅力を感じ、2012年から東洋大学社会学部に勤めている」
生徒からの質問として、「一般企業では業績などにより給与等に違いが生じると思うが、研究者の世界ではどうか?」「キリスト教関係と思われる、日本語に堪能な外国人から『英語を教えるから来ないか』と、街中で声をかけられたことがある。不審に思い、相手にしなかったが、そんな自分がいずれ宗教に目覚める可能性はあるのか?」「日本に移民が増えることで、自分の回りにも宗教に対する考え方の異なる人が増えていくだろう。どんな問題が起き、それをどう解決していくべきか?」「宗教社会学における宗教の定義とは何か?」「社会学の研究が、社会に与える影響力についてどう考えているか?」などがあり、詳しくご説明いただきました。
先生からのご説明の一部をご紹介します。
「キリスト教で、同性愛に否定的な教義がある一方で、アメリカでは、同性婚が認められていて、扱いの違いが議論になっていると聞いた。今後、宗教の尊重と、人間としてのマイノリティへの理解は両立できると思うか」という質問については、
「授業では、宗教が社会に適合している例として多文化共生を話題にしたが、宗教の中には、保守的、伝統的な考えから、近代的な人権とは必ずしも一致しない価値観を持つものもある。日本では、人権問題への意識の高い人が、こうした宗教の保守的傾向を忌避してコミュニケーションを取らない傾向がある。一方、アメリカなどでは、キリスト教の各宗派で考え方に違いがあっても、社会的に対話や議論がなされ、宗教側が考えを変えていくこともある。もちろん、日本でも、個々の宗教者レベルで、社会との対話に積極的な人もいるが、団体レベルの取り組みはそれほど進んでいない。研究者やメディアが宗教団体に働きかけていくことで、社会と積極的に対話する、開かれた宗教へと促していく必要を感じている。去年、イギリスでLGBTの若いムスリムたちと話をした。彼らはイスラム教の信仰を続けたいのだが、イスラム教はLGBTに否定的なため、ムスリムのコミュニティではなかなか受け入れてもらえない。その状況でも試行錯誤しながら頑張っていると聞いた。今後日本でも、宗教団体の古い体質の中で新しい動きを起こす人たちと社会がいかに連携していくかが、問題となるだろう」とご説明いただきました。
また、「アメリカでは、建国の理念である『神の下の平等』を重視していると聞く。宗教によって、格差が解消する可能性はあるか?」に対しては、
「アメリカは、清教徒が信仰をもとに建国し、他の移民もそれに賛同することで国家となっていった。人種や移民に対する差別という現実はあるが、宗教社会学者のロバート・ベラーが『市民宗教』と語ったように、理念としては『神の下の平等』が共有されていて、さまざまな問題に直面した際の強みになっている。宗教ではないが、フランスでは共和国の理念が浸透している。日本は、このような宗教的理念や共通の基盤となる思想が弱く、社会的課題と向き合う際に、拠って立つ根拠が薄弱であるため、普遍的価値の構築と共有が今後の課題だと考えている。実際、日本人による議論は、共通の価値観をベースに解決策、合意点を見出す形とはならず、それぞれの立場で意見を表明するだけで、問題が先送りになることが多い。多文化共生においても、外国人による『ご近所トラブル』が生じた際、『郷に入ったら郷に従え』の発想から日本の習慣を押しつけて済ますことが多い。こうした問題について多文化共生の専門家に聞くと、トラブルの関係者が議論を通して、お互いが納得できるルール、原則を決めることが重要だという。これは外国人に対してだけでなく、さまざまな価値観、バックグラウンドを持つ他のマイノリティに対しても同様のはずだ。皆で意見を出し合って、共有できる原則、価値観を作り上げ、それを尊重しながら社会を動かしていく、こうした姿勢を、日本人も教育などを通して身につけていくことが、今後ますます必要になるだろう。」とお話しいただきました。

参加した生徒の感想です。
・大学は、推薦入試で文学部に進学することが決定しているので、入学後の学科の選考に役立つのではと考え、さらに、以前に宮台真司氏の社会学の本を読んだことがあり、興味があったので、参加しました。第一線で活躍している教授の方の講義に参加し、さらに、1時間以上にわたって、質疑応答ができて大変良かったです。大学で社会学を専攻することも考えているので、とても参考になりました。自分のいる環境では、宗教にとっつきにくい面を感じていましたが、社会学を介することで、実生活と結びつくものとして、身近に感じることができました。(高3)
・オープンキャンパスでも模擬授業はありますが、本物の大学の講義を実際に受けることができ、オープンキャンパスでは味わえない、生の雰囲気を知ることができたように思います。日本に外国人が増えると、宗教が多様化することや宗教団体が公的領域で行っている活動の存在などについて、非常に興味深いお話を聞くことができ、楽しかったです。外国人に初めて勧誘されそうになったときのモヤモヤした気持ちが消えました。ありがとうございました。(高2)
・社会学に興味があり、高校2年生対象の在校生卒業生懇談会の際の高橋先生のお話がとても興味深かったので、参加しました。大学の授業に参加して、こんなにおもしろいんだとわかりましたし、大人数の授業の雰囲気も実感できました。また、質問の時間には、丁寧に説明いただいたので、有意義な時間を過ごすことができました。現在、SDGsの動画コンテストに向けて、映画制作に取り組んでいるので、社会問題をテーマとして扱う際の注意点などについて、教えていただきたいと思っています。(高2)
・自分は社会学に興味があり、一つの正解に絞れない「社会問題」というテーマに対して、人々がそれぞれどんな価値観を持っているのか、あるいは、自分の考えとはどう違っているのかを知りたいと思っています。高橋先生の講義を受け、元来の固体化された宗教に対する概念とは違って、先生独自の見解を見出し、宗教社会学への理解を深めていこうとする姿勢に感銘を受けました。日本にも滞日外国人が増加しているが、そのことを考える際、ヨーロッパの宗教文化だけを基準に捉えるのは正しくないというお考えを聞けて良かったと思います。また、宗教設備を公的教育にも利用している集団もあるなどのお話を聞き、異文化交流に対する理解も深まったように思います。(高2)
・自分は理系志望ですが、文系の研究を一度見てみたかったし、宗教にも興味があるので参加しました。なかなか体験できない、大学の実際の授業に参加し、大学というものを実感できましたし、宗教社会学についても深い内容を知ることができました。良い経験になりましたし、関心が理系に偏っている自分には、新しい見方を持つ良いきっかけになったと感じています。ありがとうございました。(高1)
・自分にはあまりなじみのない宗教を、社会学的視点から捉えることによって、どう考えることができるのかについて学んだり、大学の先生と話したりしてみたかったので、参加しました。実際に200人を超える講義に参加し、宗教社会学について学べただけでなく、大学の講義の雰囲気を感じ取ることができました。また、身近な話題から、社会学は何を研究し、社会にどう発信していくのかについて考えることができ、とても良かったです。現代の社会問題、宗教問題、さらには、社会における社会学の役割について詳しく知ることができました。ありがとうございました。(中3)

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。

今回は、2学期期末考査後の自宅学習期間にあたる12月17日(火)に東京理科大学薬学部薬学科を訪問しました。ご案内くださったのは、桐朋高等学校卒業で、東京理科大学薬学部薬学科教授の上村直樹先生、同じく桐朋高等学校卒業で、東京理科大学薬学部臨床教授の高橋裕先生です。参加したのは、高校1年4名、中学3年1名、中学2年1名、中学1年2名、合計8名です。

最初に、東京理科大学野田統括部薬学事務課課長の森知春様より、東京理科大学についてご説明いただきました。東京理科大学は、東京大学に次いで、日本で2番目に古い理系大学であること、大学のランキングで、教育力は大学全体で4位、私学の中では1位、研究力も全体9位、私学で1位、就職力は大学全体で1位であること、学生の書くレポート・論文の枚数は、大学4年間で約1,000枚、修士・博士課程まで含めると約1,200枚に達し、学習への意識が高い大学であること、薬学部のキャンパスは、2025年に葛飾に移転の予定であること、薬草の学習のための薬用植物園や薬学実務実習のための病棟・調剤・薬局の実習室があり、施設が充実していることなどをお話しくださいました。

続いて、医療分子生物学を研究され、がんの治療薬の開発に取り組んでいらっしゃる高澤涼子先生の研究室を見学しました。

「正常な細胞では細胞増殖がコントロールされているが、がん細胞はコントロールが効かず、どんどん増え続けてしまう。この研究室では、がん細胞の増殖を助けているタンパク質の働きを特異的に阻害する化合物について研究している。

細胞の死には2種類あり、遺伝子にプログラムされた、正常な死にあたるのがアポトーシスで、死んだ細胞は急激に収縮し、死後に他の細胞に食べられて再利用される。一方、細胞が傷ついた結果死ぬのがネクローシスで、この場合、細胞膜が崩壊し、有害物質が周辺にばらまかれ、炎症を起こす。がんでは、炎症によって痛みや苦しみが生じるので、がん細胞をアポトーシスに導くことが重要となる」とご説明いただきました。

その後、培養した肺がんの細胞においてアポトーシスがどのように起こるのかを、顕微鏡の映像を基に観察しました。

生きているがん細胞の映像

がん細胞に抗がん剤を加えた際のアポトーシスの様子

最後に、がん細胞が培養されている部屋も見学しました。

次に、薬剤師になるための学習として、調剤室内での薬の種類、扱いなどについて、根岸健一先生からご説明いただきました。

錠剤、粉薬、水剤についてご紹介いただき、いろいろな水剤を手に取って、匂いや色の違いを確認しました。

薬を使っての治療における薬剤師の役割として、「医師は処方箋によって薬の指示を出すが、薬剤師は、患者の状況を考慮し、医師と協議の上で薬の量を調整するなどして、より安全かつ有効に薬が効くよう、取り組んでいる」とお話しいただきました。

その後、注射器に注射薬を吸引し、配合変化の様子を確認する体験をしました。

次に、河野洋平先生にご指導いただきながら、軟膏板とへらを使って2種類の軟膏を混ぜ、容器に入れる体験をしました。

その後、軟膏を混ぜる機械の実演を見学し、自分が混ぜた物と、混ぜ具合を比較しました。

さらに、調剤の際に高い清浄度を作り出すクリーンベンチ・安全キャビネットについてご説明いただき、見学しました。

次に、上村先生から、薬剤師の調剤過誤防止に関する研究についてご紹介いただきました。一例として、視線を追跡できるアイトラッカーを使った、医薬品個装ケースの識別性に関する研究の一部を、研究室の学生の方にご協力いただき、体験しました。アイトラッカーを装着して、個装ケースを並べた状況を模したシートから、指示された番号の医薬品を探す際の視線の動きを解析したデータを確認しました。

ケースのデザインによって、識別のしやすさがどの程度変わるかを実感できました。

最後に、上村先生・高橋先生から、ご自身が薬学・薬剤師の道に進むと決めた理由、薬学部卒業後の進路、薬剤師のやりがいについてお話しいただきました。

さらに、薬局の現状と今後について、映像とともにご説明いただき、

「薬剤師の仕事でも、国内、海外ともにロボットがさまざまに活用されつつある。ロボットアームを使って安全キャビネット内で抗がん剤などを調剤したり、薬の棚から薬を取り出したりする作業も機械化されている。調剤する仕事などをロボットが行うようになる中で、今後の薬剤師は、患者の相談に乗り、患者にとってベストな治療となる薬を選ぶなど、人と対する仕事が中心となる」とお話しいただきました。

生徒からの質問として、「薬学を学んで、創薬の研究に進めるのか」「薬学を学んで、薬局を経営するようになると、薬学とは違う知識が必要になる。どう取り組んだのか?」などがありました。二つ目の質問に、上村先生から「自分も勉強したが、桐朋の卒業生はさまざまな道で活躍している。その繋がりの中で、さまざまな専門家と知り合い、一緒に仕事をしている」とお答えいただきました。

参加した生徒の感想です。

・先生方にお会いして、貴重な体験ができました。先生方のご説明がとても興味深く、参加の前と後では、東京理科大学、薬学部に対する印象が大きく変わりました。薬学は、薬学のことしか学ばないのではと思っていましたが、薬学に関することなら何でも扱うのだとわかりました。ありがとうございました。(高1)

・薬学部に興味があったので参加しました。実際に薬を触る体験もできましたし、お話を聞いて、薬学部の良いところ、特徴への理解が深まり、「将来、薬学の道に進むのも良いな」と思うことができました。本当に、先生方のお話を聞けて良かったと思っています。(高1)

・将来、薬学系に進みたいと思っているし、大学の研究室も見学したかったので、参加しました。内容が単にお話を聞くだけでなく、軟膏を混ぜる実習があったり、薬品に触れることができたり、たくさんの施設・機材を見学できたりして、大学で研究してみたいと強く思うようになりました。また、薬剤師の現状を知ることができ、大変参考になりました。この度は貴重な機会をご用意いただき、誠にありがとうございました。(高1)

・薬について学ぶ機会はなかなかなく、また、薬剤師とはどのような仕事か、薬剤師になるにはどのような勉強をするのかを知りたくて、参加しました。実際に薬を作ったり、充実した設備を見学できたりして、参加して良かったです。特に、薬学部ではどんな研究をしているのかを、具体的に、かつ深く学ぶことができました。今回の企画で、自分の知らない世界を見ることができました。ありがとうございました。(中3)

11月23日(土)に、本校ホールにて行われましたPTA主催講演会の様子を、本校新聞局員が記事にまとめました。ホームページでもご紹介いたします。

「大隅教授、桐朋へ来校」

去る11月23日、PTA主催で講演会が開催され、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典教授が本校に来校された。大隅教授はオートファジー(細胞の自食作用)の研究をされており、大きな功績を残されている。

講演会は、「半世紀の研究を振り返って ‐基礎研究の大切さ‐」というテーマで、約一時間にわたり行われた。主に講演内容は大隅教授の研究についてで、オートファジーのいろはから今後の展望まで、オートファジーに関する多くの内容が解説された。また、最後には今までの研究を振り返るとともに、若者へのメッセージということで我々中高生へのアドバイスを頂いた。

講演会後、場所をホールから食堂に移し、代表生徒による大隅教授への質問が行われた。主に新聞局員と生物部員がメンバーとなり、研究などに関することについて直接質問をする機会を得た。

以下に、その内容を記す。

――やりたい事を大切にというメッセージを仰っていましたが、やりたい事をやり通す際に意識すべきことは何でしょうか。

「まずもって、社会に求められている研究がストレートにやりたいことと直結していなくても心配しないでください。日本では早くから成果を上げることが求められますが、海外では、そういった風潮はあまりありません。また、仮にやりたいことがなくても、やりたい事を見つけなければならないという強迫観念に囚われる必要はありません。加えて、自分の研究室においても、オートファジーという主題に対して様々な目的で様々な分野の人が関わっているので、協力を得る際には協力にも色々な形があるということを念頭においてほしいです。」

――30年もの間研究を続けてくることができた理由に、様々な技術の発展を挙げていらっしゃいました。印象に残っている科学技術の発展は何でしょうか。

「顕微鏡技術の発展が印象に残っています。先日、最新式の電子顕微鏡に触れる機会があったのですが、オートファジーを発見した当時の顕微鏡と比較すると、分子構造の見え方には大きな違いがありました。その他の分野においても科学技術の発展には目覚ましいものがあります。色々な勉強をすることで世界の変化を知っていって欲しいと思います。その一方で、すべてを追う必要はありません。すべてを追っていると、この情報過多の現代で情報に埋没してしまいます。やりたい事をやるためのものや楽しさを勉強していって欲しいです。」

――基礎研究において行き詰った際にはどうされていましたか。また、どの様にモチベーションを維持していらっしゃいましたか。

「思っているよりも、なんとかなるものです(笑)。研究の際には、前提として大きな問いを自分のなかで持っているとよいと思います。自分が研究していることの背後にあるものを常に考え続けていればモチベーションを維持していけますし、次の課題も見えてきます。自分の研究室では、一つの事だけをやるのではなく多角的に研究を行っているので、なにかしらの発見が常にあります。研究はイチゼロの世界ではありません。正しい実験を続けていれば、必ず次の課題が見えてきます。」

――中高生の時には、どの様に将来を思い描いていらっしゃいましたか。

「高校生の時には研究者を目指すことを決めていました。しかし、その理由は消去法で、スポーツも音楽もあまり得意ではなかったのが大きな理由でした。自分の能力を活かし社会に貢献できるのではと思えたのが研究者でした。」

――研究者を志した具体的な出来事はありましたか。

「大学に入学した当初は何も計画はありませんでした。ましてや、世の中が流動的である今の現代では、早くから何かの専門家である必要はありません。じっくりと自分が何になりたいのかを問うといいと思います。私自身は最初化学の分野に興味を持っていましたが、大学の授業があまり面白くなく、そんな時に出会ったのがこの分子生物学でした。この分野には、自分をワクワクさせる何かがありました。皆さんには、ワクワクする気持ちを大切にして欲しいです。また、今その様な気持ちを持っていなくても焦る必要はありません。生きていくうちに必ず見つかります。また文系、理系といって区分は日本だけのものなので、幅広い分野に興味を持って欲しいと思います。」

大隅教授のメッセージのなかに、小さなことにも疑問を持ち続け沢山のものに興味を持ってほしいというものがあった。今回の講演会などのイベントを含め、功績を残された多くの方の考え方を吸収することは、自らの進路の幅を広げるほか多角的な視点を持つことにも有用である。このような機会に触れることは、多様化が叫ばれるこの時代で自らの付加価値をアピールするときにも大いに重要になってくるであろう。

 

オートファジーとは?

オートファジーを知る前に、タンパク質と生体膜について理解する必要がある。まず、タンパク質について。タンパク質と聞いて、多くの人が食品の中などに含まれる栄養素としてのタンパク質を思い浮かべると思うが、生物学的においてはより多くの分野の説明に用いられる。生体内の生命活性に大きく関わり、生物の生命活動とは切っても切れないのがこのタンパク質なのだ。また、すべてのタンパク質は20種類前後のアミノ酸から構成されているため、地球上の生命が一つの共通の祖先を起源としているとも言うことができる。

次に、生体膜について。細胞内の細胞小器官がそれぞれの境界として持つ膜のことを生体膜といい、それはリン脂質二重層という流動性の高い構造をもつ。また、タンパク質はリボソームで生じ、そこから生体膜を通り細胞内外へと輸送されて機能する。

さて、大隅教授が発見したオートファジーは、タンパク質分解の方法の一つである。ここで、講演会で大隅教授が挙げていた例を一つ引用したい。大隅教授は、大学で最初の生物の授業で学生たちに、「1秒間で何個の赤血球が体内で生成されているか計算せよ」という課題を与える。この課題の回答は毎秒30万細胞であり、つまり、30万細胞の生成と同時に同規模の破壊も起こっているということになる。大隅教授はこの課題を通して学生たちに、合成と分解がいかに普遍的かを伝えようとしているのである。

例の通り合成と分解は非常に重要であり、特に合成に比べ研究の対象とされてこなかった分解も同様に重要であると言える。人のカラダのタンパク質は2ヶ月から3ヶ月で完全に置き換えられることからも分かるように、私たち生命は合成と分解の平衡に支えられているのだ。また、分解の際にタンパク質は、壊れているのではなく壊されているのだということも押さえておきたい。しかもその過程では、合成の時にも劣らない多数の遺伝子が関わっているのである。

そんなタンパク質分解の方法の一つであるオートファジーは、ギリシャ語の「オート(自分)」と「ファジー(食べる)」という言葉から名付けられており、その和名を自食作用という。オートファジーでは、その名の通り細胞内のタンパク質を食べてしまうような形で分解が行われる。まず、細胞内で不要となった細胞小器官やタンパク質が、リン脂質二重層の生体膜で包まれ、オートファゴソームと呼ばれる小胞が形成される。これに各種の分解酵素を含むリソソームが融合し、内部のタンパク質などが分解されるのだ。これによりタンパク質から分解され生じたアミノ酸は、再び細胞内でタンパク質の合成などに利用される。

このようにして起こるオートファジーは、飢餓適応、細胞内浄化、抗加齢、抗原提示、胚発生、病原体排除、腫瘍抑制など、非常に重要な生理機能を併せ持ち、生物学の中でも様々な研究分野から注目が集まっている。また、医学においてもオートファジーはホットな話題であり、神経性疾患やガン、生活習慣病などとの関連が研究されている。それに伴うオートファジーの制御剤開発も近年テーマとなっており、諸外国では大きなフィールドを築いている。

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。

今回は、保護者の方との面談期間のため午前中授業となる11月19日(火)に、桐朋高等学校卒業で、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森泰夫さんにご来校いただき、「スポーツとみなさんの関わりについて」というタイトルでご講演いただきました。生徒は、中高陸上競技部を中心に、57名が参加しました。

最初に、自己紹介をしていただきました。森さんは桐朋中高、さらに大学でも、陸上競技に取り組み、大学では、連盟の一員としても関わったこと、その後、企業に就職されましたが、縁あって、日本陸上競技連盟に転職し、大会運営、広報、強化、普及などさまざまな活動を統括する役割を担当され、現在は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の大会運営局次長として、大会の運営に奔走なさっていることなどをお話しくださいました。

続いて、世界陸上やアジア大会のダイジェスト映像を交えながら、以下のようなお話をしていただきました。

「一般的な人々のスポーツへの関わり方は、選手として仲間とともに『スポーツをする』、プロスポーツなどの『スポーツを見る』といった形があるが、もう一つの大切な関わりとして、スポーツ団体の運営、イベントの運営スタッフとして『スポーツを支える』立場がある。

実際のスポーツ界でも、選手として競技をする人、メディアの一員、医師や教員など、職業を通してスポーツに関わる人、大会運営においてビジネスとしてスポーツに関わる人もいるが、多くは、スポーツ少年団などでの指導の形で、ボランティアとして関わっている。

ボランティアとしての関わりでは、日常のスポーツ指導、スポーツ組織の運営においては、そのスポーツに対する専門性が求められるが、オリンピックなど、ビッグイベントのボランティアでは、専門性はさほど重視されない。

実際、「日常」にあたる陸上競技の地域大会に関わっている人数は、1年間で100万人余りとなり、「非日常」にあたる2020年のオリンピック・パラリンピック大会で想定しているボランティアの人数を上回っている。スポーツはボランティアに支えられている。

ところが、忙しさ故の余裕のなさ、地域の繋がりの希薄化といった社会的環境の変化、さらに、これまでボランティアで関わってきた人が高齢化し、世代交代も進んでいない現状などから、スポーツを支える存在の確保が難しくなっている。

今後を考えるポイントとして、一部に負担が偏るのではなく多くの人で役割を分担する、多様な関わり方を推奨するなど、支え方の工夫が必要だ。特に、日本では一つの競技のみに関わる人が多いが、異なる競技も運営するなど、多様な関わり方を進め、新たな発想が生まれる可能性を高めたい。さらに、日常的にスポーツに親しむことで、運営の意識も高まるという流れも大事にしたい」とお話しいただきました。

続いて、スポーツイベントでの組織体系、実際の業務についてご紹介いただきました。

また、スポーツの普及に向けた取り組みとして、従来は、「スポーツをする」人を増やすために、ジュニアの育成、指導者のレベルアップ、大会参加の機会の増加などを意識していたが、今後は、①競技を続けられる環境を整備する、②「スポーツを見る」人の増加に向けて、競技大会の魅力を高め、ファンとなるきっかけを用意する、③「スポーツを支える」人を増やすために、スポーツによる社会貢献の意識を高め、社会的に支持される取り組みを進めるなどのことが必要となる、とお話しいただきました。

最後に、森さんから、今後スポーツに関わる存在である中高生にメッセージをいただきました。

「自分の目標として、まずは2020年のオリンピック・パラリンピック大会を安全に運営し、成功に導くことがある。加えて、オリンピック・パラリンピックの成功をきっかけに、スポーツの、社会のプラットフォームとしての位置付けを高め、今後スポーツに関わり、支えていく人材を育てていきたい。

自分がスポーツを支える世界に身を置くようになったのも、社会で役立つ自分でありたいと願っていた中で、陸上競技連盟のオファーと周囲の勧めがあり、最終的には、スポーツに恩返ししたいという思いから決断した。

社会で活躍する人の特徴として、素直で前向きな意識と情熱を持ち、さまざまな経験と出会いを大切にしていることがある。ぜひこうした点を心かげてほしい。

また、何かを判断し、決定する立場となると、自分の下した判断に否定的な反応を示す人がいて、時に孤独を強く感じる。そんなとき、支えとなってくれるのは、若いときからの友人である。中高時代の友人の持つ意味を認識してほしい。

さらに、今後社会で活躍していくには、一つのことを突き詰め、極める中で身につく力と、多種多様な経験を持ち、柔軟な考え方を持てる力とを併せ持つことが重要になると自分は考えている」とお話しいただきました。

話の締めくくりとして、「自分がこのような形で、スポーツに、オリンピック・パラリンピックに関わるとは、10年前、20年前には思いもよらなかった。だからこそ、きみたちに『あり得るかもしれない人生』ということばを贈りたい。人生にはさまざまな可能性がある。そんな意識も持ちながら、今後を過ごしてほしい」とエールを送っていただきました。

生徒からの質問として、「森さんが陸上で取り組んでいた種目は?」「森さんや同期の人たちは陸上競技で大活躍したと聞いた。活躍できたのはなぜか。どんな練習をしていたのか」といった陸上競技に関わるものと、「スポーツのビッグイベントでは経済効果も話題にはなるが、ボランティア精神に基づく貢献が欠かせないと聞く。実情はどうか」「イベントが開催され、盛り上がりを見せた競技も、しばらくすると熱が冷めてしまうと感じる。この点をどう考えているか」など、スポーツを支えることへの関心からの質問もありました。森さんから、「的確で鋭い質問があり、意識の高さが感じられて嬉しかった」とのおことばもいただきました。

参加した生徒の感想です。

・普段、直接お話を聞く機会のない、五輪大会の組織委員会の方のお話を聞いてみたいと思い、参加しました。実際に組織委員会で働いている方から生のお話を聞け、大変刺激になりました。われわれの質問に真摯にお答えいただき、ありがとうございました。(高2)

・オリンピックに興味がありましたし、一度“大学で研究してみませんか”の企画に参加してみたいと思っていたので、参加しました。森先生のような、スポーツに関わる仕事をしている人がいると実感できましたし、どのような展開の中でこの仕事に就いたのかを教えていただき、参考にしたいと思いました。スポーツはプレイするだけではないことがよくわかりました。とても興味深いお話で、楽しく聴くことができました。(高2)

・校内でお話をうかがうことができ、参加しやすかったです。スポーツに関わる分野やその人数、大会のことなど、幅広くお話しいただき、将来、スポーツにどのように関わることができるのか、理解できたように思います。また、心の支えになったり、強みにできたりするお話も聞けて、参加して良かったと思いました。自分は、選手としてスポーツに関わることは無理ですが、将来何らかの形で関わりたいとぼんやり思っていたので、大変参考になりました。お忙しい中お越しいただき、ありがとうございました。(高2)

・将来の選択肢として、オリンピックに関わることも考えていたので、ぜひお話を聞きたいと思い、参加しました。森さんが若い頃からオリンピックに関わっていたわけではないと聞き、正直驚きました。オリンピックだけでなく、スポーツ全般に関わることの意義についてもお話しいただき、自分の価値観が変わったように思います。僕も将来、何らかの形でスポーツに関わろうと思います。貴重なお話、ありがとうございました。(高2)

・陸上部のOBの方からのお話でしたし、将来の展望が広がるのではと思い、参加しました。お話はオリンピックに関する専門的な内容が多く、組織などについて学べて良かったと思いました。また、一つのことをずっと続けることが大事だと思っていましたが、途中で切り替えるという選択によって成功することもあるとわかり、大変参考になりました。来年は高3で受験なので、オリンピックを全力で楽しめるかはわかりませんが、できる範囲で精一杯楽しみたいと思っています。オリンピック、今から楽しみです。(高2)

・来年、東京でオリンピックが開催されるため、運営側はどんな仕事をしているかに興味を持ち、また、スポーツに関わる仕事について知りたかったので、参加しました。組織委員会の活動は、単なる実行委員会とは違い、どうすれば人々がスポーツに関心を持つのかなど、社会の深いところまで考えた上で運営していることを知り、勉強になりました。スポーツに関わる仕事においても、ただスポーツを楽しむだけでなく、選手へのサービス、ビジネスとしての収益など、さまざまなことを考え、進めていく必要があると実感できました。貴重なお話を教えていただき、ありがとうございました。(中3)

 

さる10月16日(水)に高1学年行事「学年の日」が行われました。「学年の日」とは、毎年の高一学年が主体となり何らかの文化的行事を企画するもので、毎年異なる様々な内容の行事が執り行われています。今年は「男子校で妊娠・出産について考える」と題し、性、妊娠・出産、そして育児について学習する機会を持ちました。午前中は、東京都助産師会より7名の助産師の方々にご来校いただき、「妊娠」「出産」といったことをテーマに各クラスで講演会をしていただきました。午後のセッションでは、助産師会を通じてお集まりいただいたお母さん方や、近隣にお住いのお母さん方にご自身のお子さんを連れてきていただき、生徒が実際に赤ちゃんとふれあいの機会を持つ交流会を開きました。

桐朋という、女性が圧倒的に少ない環境で日々を過ごす中、馴染みのないテーマ設定に最初は戸惑っていた生徒諸君でしたが、事前学習を重ねる中で、徐々に身近な話題・自身の問題として捉えられるようになっていきました。行事後の感想では

「女性のことをもっと理解をしていくべきだと思った」

「以前よりは少しオープンな形で性について家族と話すことができるようになった」

「自分もあのように可愛がってもらって、ここまで育ってきたということを再認識した」

「親孝行をしたいと思った」

などといったコメントが多くみられました。以下に、事前学習から当日までの様子、そして生徒のコメントに加え、赤ちゃんを連れてきてくれたお母さん方のコメントを紹介いたします。


事前学習

事前学習では、映像教材として助産師を特集した際の『プロフェッショナル』を視聴しました。また、本校家庭科教員の講義を聴きました。自身の妊娠・出産のときのエピソードや写真などを紹介しながらの講義でしたので、生徒諸君は興味深く聴けたようです。さらに生徒は、各個人で何らかのテーマを設定し、調べ学習をしました。そして最後に事前学習のまとめとして、ドキュメンタリー映画『うまれる』を鑑賞しました。映画の中では、それぞれに異なる問題(虐待を受けて育った夫婦、障害を抱えた子どもをもつ夫婦、死産を経験した夫婦、不妊治療に取り組む夫婦)を抱えた実際の4組のカップルの様子が描かれており、生徒にとっては大変印象深い作品であったようです。


当日

AMセッション:助産師の講演会 「妊娠・出産に立ち会う中で~命の大切さ~」

まずは事前学習の一環で観た『うまれる』についての感想を述べ合い、ディスカッションもしました。「(父)親になるということの意味」や「親は子をなぜ愛することができるのか(または中にはそうではないケースもあるのか)」といった点に話題が集まっていたようでした。

その後は、助産師さんの講演を各クラスで聞きました。出産という、命を迎える瞬間に日々立ち会われている「助産師」という職業をされている方々だからこそいただける貴重なお話の数々を、生徒たちは真剣な表情で聴いていました。出産の苦しみ・大変さ、そして喜びについてお話をいただく中で、命の尊さや生まれてきたことの奇跡、そして自身の親への感謝の気持ちを新たにしている生徒が多かったようです。


PMセッション:赤ちゃんとの交流会~育児を体験する~

今回の行事の趣旨にご賛同いただいたお母さん方にご自身の赤ちゃんを連れてきてもらい、本物の赤ちゃんとふれあう機会を持ちました。各クラスに2~3名の赤ちゃんに来てもらいました。それぞれのお母さんから妊娠・出産時のエピソードを伺ったり、名前の由来や好きな遊びなどを教えていただきました。赤ちゃんの月齢は、大きくても1歳にやっとなったばかりといったところ。中にはまだ生後2か月の子もいました。

高校一年生の生徒諸君にとって、普段身近に赤ちゃんと触れ合う機会というのはなかなかないものです。慣れない所作の連続に悪戦苦闘しながらも、赤ちゃんを慎重に抱っこさせてもらい、泣いてしまった子を懸命にあやす姿は、大変微笑ましいもので、「頼もしいお兄さん」、はたまた「優しいお父さん」の顔をのぞかせていたように感じました。中には、白湯を飲ませる体験をさせてもらったり、おむつ替えをさせてもらったりした生徒もいたようです。


以下、生徒のコメントを紹介します。

A君

今日の学年の日を通して、お母さんに対してもっと感謝をしないといけないな、と強く感じました。事前学習から当日まで、様々な資料を見て、貴重なお話を聞いたことで、出産はまさしく命がけであり、さらには命がけで出産した後も長い育児がある、ということを知り、母親になるということはとても大変で覚悟のいることなのだと感じました。また、映画「生まれる」や助産師の方のお話を聞き、自分が産むわけではない男は、父親という自覚が産まれるまでわきにくいのだな、と思いました。しかし、今回の学年の日で学んだことを生かして、自分が父親になるときは、ちゃんと自覚を持って奥さんの手助けをしていきたいです。助産師さんのお話の中で印象に残ったのは、「なんでもほぼ完璧がよい」ということと「自分の居場所を見つけるとよい」という2つのことです。僕は割と完璧を目指すタイプだったので、「ほぼ完璧」の方がよい、というのは目から鱗でした。「完璧」を何事にも求めていると、息切れしてしまい、結果的に中途半端になってしまうので、これからもっと肩の力を抜いて、何事もこなしていきたいです。また、「自分の居場所」があればたいていのことはどうにかなると思うので、「自分の居場所」を大切にしていきたいです。今まで僕は、子供はほぼ100%産まれてくるものだと思っていましたが、それは日本の医療がとてもレベルが高いものだから、ということを知り驚きました。どこか「出産はそこまで大変ではないだろう」という思いがあったのですが、学年の日を通して子供が産まれるのは本当に奇跡なのだなと思いました。最後に、男子校でこのような経験ができたのは貴重だと思うので、これからしっかりと生かしていきたいです。

 

B君

今回の「学年の日」は僕にとって忘れられない一日になった。事前学習では寝る間も惜しんで妊婦さんのサポートをする助産師さんがいるということを知って、この仕事をずっと続けられるというのはすごいなと思い、中山めぐみ先生の話では、実際に出産を体験したからこそ言える出産の痛みや、妊婦さんが妊娠中、とても苦労しているんだということがとてもよくわかりました。映画『うまれる』では、様々な夫婦の姿が描かれていて、出産するということ、子どもを育てるというのが、どういうことなのかなどがとても具体的に描かれ、夫婦が抱える悩みもありのまま伝えられていたので、自分も将来そういったことを体験する時が来るのかな…と感じました。

そして、当日、助産師さんが来てくださって、僕たちの疑問になるべく多く答えてくださった。僕は兄弟がおらず一人っ子なこともあり、あまりこのような話は知らないことが多く、興味を持った。

最後の赤ちゃんとの交流会はとても新鮮だった。テレビでは赤ちゃんとを見ることはあっても、あそこまで近くで本物の赤ちゃんを見たことがなかったので、わくわくした。抱っこして近くで見るととてもかわいかった。なぜ親が子どもを大切にするのかがすこしわかったような気がした。昔、自分もあんな風だったのかと思うと少し笑ってしまった。

今回、「学年の日」が無かったら、僕が生まれて数カ月しかたっていない赤ちゃんと交流することはできなかったと思う。貴重な体験ができたので、とてもよい一日になりました。

 

C君

実際に助産師さんが来て話をしてくれるというのは、最初の方に話されていた通り、僕たち男子高校生にとってとても貴重であり、滅多にないことだと感じた。助産師さんの映像を見た時から、助産師という職業は数多くの妊婦さんたちに自らの時間を多く削って向かい合っていくものだというイメージが強くついていたので最近はちゃんと寝る時間を取れていると聞いた時は何か安心した。妊婦に真剣に対応するということがどれほど大変な事かは妊娠・出産する際に何が起きるか、何をすべきかという今日の話でよく分かった。というのも、流産であったり妊娠する以前の話に始まり、望まずに妊娠してしまい高い金を払って中絶せざるを得なかったケース、僕らと同じような年齢で家庭を築くことを望んだりなど、実際に経験されたケースや事例を用いて多くの問題点や難所にまで話があった。こうした妊娠や流産、女性の身体にまつわる事だけでなく、出産に立ち会う際に男側はどうあるべきなのかなど、一見今は関係のないような話でも将来経験するかもしれない事についても色んな話があって他人事ではなくいくつかは自らも体験することなのかと感じた。

赤ちゃんと触れ合う機会をもったのは初めてで何か小動物を見ているような気がしたのと共に、簡単に傷つけてしまいそうでとても不安になった。実際、自分の体の上にのせてみるとより一層なんだか人ではない何か別の小さな生き物のように感じた。ビデオや助産師さんのお話しであったように、妊娠してから出産までどのような危険やリスクが伴うか、出産の後も育児があったりと大変なことが多く重なる妊娠・出産だけれど、その後にあれほど小さく儚い命を手にするのであればしっかりと、自分であれば男として真剣に向き合っていかなければならないなと感じた。

 

D君

助産師さんや赤ちゃんを連れてきてくれたお母さんたちに感謝したいです。とてもためになったと思います。テーマを聞いて僕が最初に思ったことは「つまらなそう」「だるい」といったものでした。正直なところ,子どもが欲しいとは思っていたにもかかわらず,妊娠,出産といったものには点で興味がありませんでした。初めにビデオを見たときもそれは変わりませんでした。しかし,調べ学習や,4回の事前学習の中で徐々に僕の中で関心というものが芽生えてきました。そこで感じたことは,妊娠,出産が想像以上に大変であるということ。また,自分もそのように生まれてきたのかという実感でした。今まで,このようなことを考えていなかったということが,何か不思議に思えてきました。また,自分が将来父親になり,ビデオの中のようなことを経験するかもしれないと真剣に考えたのも今回が初めてでした。映画「生まれる」もリアリティが高く,とても興味深いものでした。

当日は,まず助産師の方の話を聞くことになりました。助産師さんは話が上手いように感じました。想像以上に関わりのある話も多く,楽しむことができました。少し聞くのが恥ずかしいような話も快く聞くことができました。本当に頼りになる存在なのだなと感じました。午後は赤ちゃんとの交流会でしたが,想像以上のかわいさにびっくりしました。自分も昔あのような姿だったとは想像しがたいです。泣いている姿も愛らしかったです。赤ちゃんを抱いて,改めて赤ちゃんが欲しいと思うようになりました。将来結婚して子供を持つというのは人生においての1つの大きな目標となりそうです。あと,赤ちゃんをふだん犬を抱いているように抱いたとき,泣き止んでくれたのがとてもうれしかったです。赤ちゃんの一番かわいいところは間違いなく手だと思います。とても良い勉強になったし,いい経験になったと思います。

 

E君

僕が抱っこさせてもらった赤ちゃんは、生後3か月ぐらいの赤ちゃんで、とてもかわいかったです。僕は姉弟や親戚の中では一番下なので、赤ちゃんを間近で見たことがほとんどなくて、どうしたらいいのか分かりませんでした。どれぐらいの力で触っていいのか分からなくて、とてもとまどいました。実際に抱っこすると、とても小さくて、軽いのか重いのかよく分からない不思議な感じでした。でも自分の腕の中でちゃんと動いていて、何よりも温かかったです。赤ちゃんに指を握ってもらえました。やわらかくて、気持ちよかったです。肌はぷにぷに、すべすべで、これが赤ちゃんなんだと思いました。

僕は子どもがあまり得意ではなく、どちらかというと嫌いな方です。それは僕が末っ子として育ったからかもしれません。今日、赤ちゃんと間近にふれあって、とてもかわいいと感じました。しかし、実際に育てるとなると、泣いたり、わがままを言ったりして、とても大変で自分にはできないと思います。自分の子どもだったら、なんでもかわいいと感じて、育てられるのでしょうか?僕には分りません。将来、家庭を持ちたいとは思っています。それは今の家族との生活が幸せだからです。でも、自分が親になる想像が全くできないので結構、不安です。

今回、学年の日を通じて、赤ちゃんの誕生、それから親になるということについても学べてよかったです。自分の将来について、もっとしっかり考えようと思いました。

 


最後に、赤ちゃんを連れてきてくださったお母さん方のコメントを紹介します。

Aさん

はじめはためらいがちだった生徒さん達が徐々に慣れてきて、たくさんかわいがってくれる様子が印象的でした。男の子も機会が与えられれば、赤ちゃんとの触れ合いをしてみたいのだと感じました。私にとっては初めての男の子育児なので、将来像がなかなか想像できなかったのですが、男子高校生もかわいいなと感じ、楽しみになりました。高校生達が赤ちゃんを抱っこして何を感じたのか知りたいと思っています。触れ合う中で、映画『うまれる』について話をしてくれる子もいました。男の子達にとって、また性別に関わらず高校生にとって、他人事になりそうな妊娠・出産というテーマについて扱うことは大切だなと思いました。今回の触れ合いが、生徒さん達が何かを考えるきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。かわいがってもらい、ありがとうございました。お疲れでした。

 

Bさん

昨日はとても良い経験をさせていただき、ありがとうございました。娘は予想通り抱っこしてもらう時はぐずりましたが、それ以外はリラックスしていて普段通りの姿を見ていただけたかなと思います。生徒さんや先生方が「可愛い!」「(ズリ這いが)速い!すごい!」と良いリアクションをして下さったので、娘もご満悦の様子でした。

抱っこしたいと名乗り出てくれた子、泣いて熱くなった頭を「すごい!熱い!」と触ってくれた子、手足を触って「やわらかい」と優しい顔をしてくれた子、高校生の男の子がこんなにキラキラした素直な笑顔をしてくれるのかと、私が感動してしまいました。妊娠・出産の体験を話した時も、皆さん顔を上げて熱心に聞いて下さいました。きっとこれからの将来に向けて、そして身近な家族や自分の親に向けて、道や乗り物で出会う妊婦さんや子連れさんに向けて、今までには無かった新しい感情が生まれたのではないかな♪ 短時間の触れ合いがきっと生徒さんの心に、言葉にはならなくても何かしらの衝撃を与えたのではないかな♬そうだといいなあ!と思っています。先生方も色々とお気遣い下さいました。性教育にこんなに理解と熱意のある先生方が、世の中にたくさんいたらいいなと思いました。またこのような機会があったらぜひ参加してみたいです。ありがとうございました!

 

Cさん

今回、参加させて頂き、こちらがよい思い出となりました。とてもステキな場所(緑とスタイリッシュな雰囲気)で、優しいお兄ちゃん達に囲まれ、大切に触れられ、注目された体験は娘にとって不思議で好奇心いっぱいのひとときになったと思います。

この企画のおさそいを受け、「男子に赤ちゃん!」ぜひ参加したいと思いました。命の尊さは、自分が大切にされた経験を通して、人を大切に尊ぶことができると思います。生徒さんの様子から、ご家族にも先生方からも、大切にされ育ててもらった子達だなあ、感じました。実際に赤ちゃんと過ごしたひとときは、(今後いつか)その思いを忘れかけたときのストッパー(安定剤)になるのでは?と思います。自分がイヤになったり、全てうまくいかない、自分なんて!と思ったときに、ぬくもりを思い出してほしいです。また女性と触れ合うときに、その先の命にもつながっているという自覚を男性の立場で持ってほしいと思います。

抱っこには、ずっと娘は泣いていて、「自分は赤ちゃんに好かれていない」とマイナスの印象を持ってしまった生徒さんがいないか、気になりました。無表情でコトバのない生徒さんも、それぞれに感じているものがあると思います。みなさん。とても大切に娘に触れて下さいました。その様子は母として安心して抱っこして頂けました(泣いているので、私も少し焦りましたが、泣く原因や抱っこの仕方など、助産師さんがその場で仕切って見せてあげるとよかったかな?と思います。泣いていたので、母の私に託して下さいましたが、抱き方などもっと教えてあげられたり、生徒さんの不安要素をもっと減らすことはできたのでは?と、後になって思いました)。

また、生徒さんの個別テーマ研究の内容や、事前学習を経ての、赤ちゃんとの触れ合いに後の思いなど、聞いてみたいなと思いました。

最後に、学校の入り口から、お見送りまで、先生やみなさんに大変丁寧に接して頂き、ありがとうございました。案内してくれた3人の生徒さんとは、特に気さくに会話ができて楽しく安心しました。担任の先生がお写真を撮って下さり、可能であれば見たいなあと思います。

このような機会は、ぜひ続けて頂いて、高校生男子の立場で赤ちゃんとの触れ合いがその後に活きていくと嬉しいです。ありがとうございました。

 

生徒諸君へ。

今回の経験は、明日すぐに役立つ知識とはならなかったかもしれません。

でも、10年・15年後・20年後、自身が親になろうかという時に、

必ずや助けになることを学ぶことができた思います。

その時には、今回のことを思い出して、

パートナーとの関係づくり、そして育児に役立ててもらえたら嬉しいです。

 

さる10月15日~19日の日程で高2修学旅行が実施されました。

高2修学旅行は例年、4泊5日のうち前半2泊がクラスごと、後半2泊が学年全体で京都泊という行程で実施されています。

行程の概要は以下の通りです。

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◎15日(火)~17日(木)クラス別行動

A組 東京→石川(泊)→兼六園→小浜(泊)→天橋立→京都

B組 東京→城崎(泊)→神戸→大阪(泊)→造幣博物館→京都

C組 東京→金沢→石川(泊)→滋賀(泊)→大阪→京都

D組 東京→名古屋→高山(泊)→金沢→石川(泊)→京都

 

E組 東京→高知(泊)→大歩危峡→琴平(泊)→高松→鳴門→京都

F組 東京→小豆島(泊)→高松→鳴門(泊)→大阪→京都

G組 東京→しまなみ海道→道後(泊)→兵庫(泊)→神戸→京都

◎18日(金)京都班別自主研修

 

◎19日(土)京都コース別研修

比叡山コース … 比叡山延暦寺、慈照寺銀閣、清水寺

八ッ橋コース … 八ッ橋庵とししゅう館、二条城、教王護国寺、蓮華王院

トロッココース … 天龍寺、嵯峨野トロッコ列車、化野念仏寺、嵯峨野散策

伏見・宇治コース … 伏見稲荷大社、萬福寺、平等院

座禅コース … 高台寺、蓮華王院、清水寺

京大コース … 京都御所、京都大学

映画村コース … 東映太秦映画村、教王護国寺

和菓子①コース … よし廣、北野天満宮、龍安寺、鹿苑寺金閣

和菓子②コース … 老松、北野天満宮、龍安寺、鹿苑寺金閣

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各行程は、修学旅行委員の生徒たちが、クラス内・委員会内での話し合いを通じて作り上げていきます。

以下に修学旅行委員として仕事にあたった生徒たちの、旅行を終えての感想を掲載します。

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京都を、みんなで。

天気、曇り・時々雨。睡眠不足に、たまった疲労感。最悪のコンディションで迎えた、3・4・5日目の京都見学。私は、委員長でありながらも、この状況をどうすることもできず、心苦しく思っていました。せめて自分だけは、空元気でも出して雰囲気を作ろうかと、出しゃばった考えを持つほど焦っていました。しかし、そんな悩みは一瞬もかからずに消し飛びました。私はどうしたかと言えば、ただ周囲を見回しただけでした。天気が晴れたわけでも、絶世の美女が通ったわけでもなく、ただそこにあったものは、本当に楽しそうに笑っている、クラスメイト達でした。

「俺も楽しまなきゃ!」

委員として準備してきたくせに、本番で楽しめないなんてもったいない、と、私はそう思わされました。クラスみんなで行く旅行は、本当に素敵なものなのですね。

2-A 名原 知則

 

私の行動班は京都国際マンガミュージアムに訪れた。日本の漫画がほとんど所蔵されており、日本漫画の全てを知ることができる博物館だ。棚に並べられたマンガの冊数はまさに圧巻だった。やはり外国人観光客もたくさんおり、世界的な日本漫画の人気を再認識させられた。興味深かったのは年代別の日本漫画の展示である。展示されているものはどれも名作ばかりで、時代ごとの世相が反映されていたものが多かった印象だ。

電子媒体が広く普及される現代で紙の漫画がサブカルチャーとして生き続けるのは、描かれた絵やセリフに映像や写真以上の重みがあり、それでいてキャッチーでわかりやすいという特異的な二面性ゆえのものであると改めて感心させられた。立派な日本文化の1つとして確立された漫画の今まで感じられなかった新たな側面が理解できてよかった。このマンガミュージアムがもっと世界に知ってもらえることを祈っている。

2-E 荒殿 惇

 

僕のクラスは、クラス別で高知、琴平に行った。その中でも特に印象に残ったのが写真の大歩危の景色である。行った日は天気が良く、観光するにはもってこいの日だった。大歩危を流れる吉野川は透き通っており、周りの景色も最高だった。特に鉄道好きの僕には川と並行してすぐ近くを走る土讃線の風景がとても印象的だった。

遊覧船にはガイド兼船の操縦士の人がいるが、その人の話し方が特徴的すぎて、一番肝心な大歩危の話は頭を素通りしてしまった。

僕たちのクラスはアンパンマンミュージアムにも行った。高校生にもなってアンパンマン・・と思ったが、中に入ると、友達と一緒に幼稚園の頃を思い出し、想像以上に楽しかった。

桐朋生活最後のビックイベントとなったが、色んな思い出が残り、最高だった!!

2-E 角田 一騎

 

僕達のクラスは、クラス別行程で名古屋、高山、白川郷、金沢、福井、琵琶湖に行きました。写真は金沢市の”ひがし茶屋街”で撮ったものです。行程では、金沢市内は班別行動となっていて、ひがし茶屋街に行く班もあれば、近江町市場、金沢城に行く班もありました。ひがし茶屋街や高山市内は古い街並みが残っているということで、修学旅行に行く前からそのような街並みの写真を撮ろうと決めていました。高山市内の写真も撮ったのですが、ひがし茶屋街の写真の方が雰囲気が出ていたので、こちらの方の写真を選びました。

修学旅行委員としてこの旅行に関わり、全体でも班別行動でも、生徒が各自でこの旅行を楽しんでいたのではないかと感じました。最後に、このクラス別行程はロング・ホームルームなどでクラスの人達が協力してくれたからこそ出来上がったものだと思います。クラス全員に感謝したいと思います。

2-D 川﨑 一生

 

 

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。
今回は、夏休み期間の8月30日(金)に電気通信大学を訪問し、Ⅰ類(情報系)メディア情報学研究室とⅢ類(理工系)化学生命工学研究室を見学しました。きっかけとして、2019年度より本校および桐朋女子中高が、電気通信大学と中高大連携協定を締結したことがあります。そのため、今回は初の試みとして桐朋女子中高と合同で実施しました。見学会をコーディネートいただいたのは、電気通信大学アドミッションセンター特任教授の三宅貴也先生です。参加したのは、桐朋中高は、高校2年3名、高校1年2名、中学3年1名の計6名、桐朋女子中高は高校1年7名、中学3年3名の計10名です。

最初に、研究設備センターの様々に設備ついてご紹介いただき、ヘリウム液化機などを見学しました。

次に、Ⅲ類(理工系)化学生命工学プログラム教授、石田尚行先生からご説明いただきました。

まず、電気通信大学のご紹介がありました。

電気・通信だけでなく、幅広い理工学領域を学べる理工系総合大学であること、文部科学省による研究大学強化促進事業において支援対象となり、さまざまな研究の拠点にもなっているので、優れた研究設備を有していることなどを教えていただきました。

次に、化学生命工学プログラムの説明として、所属されている先生方と、研究内容をご紹介いただきました。その中で、高大連携を行う意義として、「高校生が、大学における化学を知り、研究の様子を見聞きすることで、化学が、高校での学習を遥かに上回る広がりを持ち、発見、発明の可能性を秘めたクリエイティブな分野だと実感してもらえる良さがある」とお話しいただきました。

続いて、「蛍光物質の合成」のデモ実験を見学しました。実験内容は、鈴木(クロス)カップリングの反応に関するものです。鈴木(クロス)カップリングの反応では、パラジウム触媒によって別種の炭素を結合することができ、これにより、高血圧の治療薬や液晶材料など、さまざまな工業物質が製造、開発されているそうです。この合成法の開発によってR.Heck教授、根岸栄一教授、鈴木章教授の3人が2010年にノーベル化学賞を受賞しています。最近の電通大の研究でも、この合成法がさまざまに活用されているとご紹介いただきました。

デモ実験では、紫外線を放射するブラックライトを当てても光を発しない有機物を混ぜたアセトン溶液に、パラジウムを加えて合成し、そこにブラックライトを当てると、黄緑色に発光するように変化する様子、

さらに、それにヘキサンを少しずつ加えると、ヘキサンが水と混ざらない性質を持つため、上層がヘキサンに溶けている有機物、下層がアセトンに溶けている有機物の二層に分かれ、有機物の環境の変化によって、蛍光物質の色が変化する様子を見学しました。

最後に、蛍光についてもご説明いただき、蛍光灯の仕組みとして、「蛍光管の両端に電圧を加え流れ出た電子が、蛍光管内にある水銀に衝突すると、紫外線が発生する。その紫外線が蛍光管に塗ってある蛍光物質を発光させることで、蛍光灯は明るくなる」と教えていただきました。また、光は足すこと、引くことができる性質を持ち、この性質をもとに、光の三原色を組み合わせて、テレビやスマートフォンのディスプレイが成り立っていること、さらに、液晶と有機ELの違いについてもご説明いただきました。

生徒の質問として、「蛍光物質が光る仕組みはわかったが、光らない物質があるのはなぜか」がありました。

次に、Ⅰ類(情報系)メディア情報学プログラム教授で、桐朋高校31期の西野哲朗先生からご説明いただきました。

最初に、自己紹介がありました。桐朋には高校から入学され、早稲田大学理工学部数学科に入学、大学院を経て日本IBM株式会社の研究所に勤務した後、いくつかの大学で研究され、1994年から電気通信大学にいらっしゃるとのことです。

続いて、コンピュータサイエンス(情報科学・計算機科学)についてご紹介いただきました。

「コンピュータサイエンスでは、コンピュータのハードウェア、ソフトウェアの両方を研究し、科学(理論に当たる内容)と工学(作り方に関する内容)をともに扱っているが、この研究室では、未来のコンピュータ上で実行されるソフトウェアの研究をしている」とご紹介いただきました。

具体的な研究内容として、自然言語処理にあたる「チャットボット(人と会話するような感覚でロボットやプログラムを利用できるもの。例としては、iPhoneのSiriなど)」について、ご説明いただきました。

「対話システムには2種類あり、特定の課題を達成することを目的とするものと、雑談的に対話を続けるものとがある。後者の原点にあたるものとして、1966年にMIT教授のJ.Weizenbaumが開発したELIZAのシステムがある。ELIZAと比較して、Siriなどのシステムは音声認識の精度は向上しているが、言葉と言葉との関係を解析する言語理解、発言の意図の理解の点では不十分と言わざるを得ない。特に、意図の理解について、J.Weizenbaumは『コンピュータには、人の言葉の理解は不可能だ』とし、その理由として『人間もできていないから』と述べている。確かに、われわれも他者の話を100%理解できているわけではない。これらの点により、チャットボットは、相手の発言のうちキーワードを元に対話しているに過ぎない。現在、チャットボットの高機能化を意図して、AIなどの活用が進められている。代表例は、IBMのWatsonというアプリ群で、文の意図を分類する自然言語分類のアプリなどが活用されている。現在、IBMは、コンピュータ本体を作成するのではなく、コンサルティングのできるAIの開発に力を入れており、コンピュータをプログラミングして使うのではなく、あらゆる情報を元にコンピュータに学習させ、人との対話を通じて、人の意思決定を支援できるシステムの開発を目指している」

さらに、初期のチャットボットと現在のものとの能力の違いを、会話例を通してご紹介いただきました。

続いて、図書館案内ロボットとして、現在開発中であるSotaによるデモンストレーションを見学し、

研究室の大学院生の方からシステムについてご説明いただきました。

まとめとして、西野先生から「現在の人工知能による対話システムは定型の会話の範囲にとどまっていて、人間同士の対話にはほど遠い状況である。シンギュラリティが話題になったりはするが、まだまだ開発が必要な状況にある。きみたちにもぜひチャレンジしてほしい」とお話しいただきました。

さらに、コンピュータゲームに関するお話では、チェスや将棋などの名人とコンピュータとの対戦についてご説明いただきました。

「以前はチェスをするプログラムを組んでいたので名人のアドバイスが必要だったが、現在は機械学習として、コンピュータに過去の棋譜などの記録を学習させている。ただし、こうした機械学習ができるのは、正解のデータがたくさんあり、統計的に処理できるものだけなので、人生相談など、価値観を伴うもの、個性が必要となるものに対して、AIは何もできない」

また、最近、注目されている量子コンピュータについてもご紹介いただきました。西野先生は量子コンピュータを草分け的に研究されてきた方だそうです。

最後に、大学の選びにおける着目点についてアドバイスいただきました。

次に、情報理工学研究科基盤理工学専攻の助教で、桐朋高校52期の平田修造先生から、「令和からの時代こそ桐朋生が活躍する時代」というテーマでお話しいただきました。

まず自己紹介がありました。桐朋中高を卒業後、東京農工大学に進学、大学院を出てメーカーに就職。その後、ジョージア工科大学に留学し、博士号を取得。九州大学・東京工業大学で研究され、昨年度より電気通信大学にいらしたとのことです。平成28年には日本化学会進歩賞、今年は文部科学大臣表彰若手科学者賞を受賞なさっています。

ご自身のここまでの歩みを振り返って、次のようなお話をしていただきました。

「自分には、桐朋中高で学んだ、自主・自由の精神が染みついていると思う。『自由には責任が伴うし、自由の怖さもある。しかし、責任を持って自由を生かす行動をすれば、それは強みになる』と考えている。

現在、分子を反応させて、強く、きれいに光る物の作成について研究をしていて、この技術は、有機ELテレビ、スマートフォンのディスプレイなどに利用されている。

以前の開発は、研究者が経験に基づき、開発方法を考えていたが、現在は、あらかじめコンピュータでシミュレーションした上で、方法を検討しているし、将来は、AIの活用によって、シミュレーションの範囲が広がり、スピードも速まるので、開発が成功する確率は格段に上がっていくだろう。

しかし、より良くAIを活用するには、AIの学習内容を優れたものにする必要がある。学習はデータによってなされるのだから、どういうデータを学ばせるかがポイントになる。そのため、データを確かなものにするには、実験の精度を向上させつつ、その実験値と相関を取ることが可能な計算方法を見出すことが求められ、そこに研究者の力量が関わってくる。

また、以前の教育は、いかに速く解くかが求められ、教わることを中心とする形で行われていた。2000年以降、社会でオンリーワンが話題になり、新しい価値を生み出すイノベーションが重視されるようになったが、教育の世界では新しい方法論が見出しきれず、従来の速く解くという教育から抜け出せていない。従来のやり方の限界が叫ばれている昨今では、教わるのではなく、自分で新たなものを生み出す力を持った人が活躍し始め、注目されている。

桐朋で学んだ自由、自主の姿勢は、人と違うことでも、自分が関心を持てば、積極的に挑戦し、行動する勇気につながる。実際、自分自身も、自分から学ぶ、興味を持って新たなことに取り組むという習慣が自然と身についている。さらに、自由には責任が伴うという意識も強く、やらなければいけない事は行いながらも時間を見つけて数多くの新しい事に挑戦することで、自由に行ったからには何か一つでもいいので斬新な結果を生み出すことで責任を果たそうという意識が高い。そして、もう一つ大切な点として、取り組むことを楽しく感じれば、苦にはならないという感覚も持っている。楽しむ姿勢も、桐朋の自主・自由の中で養われたように思う。このように桐朋の教育には、現代に活かせるポイントがさまざまにある。ぜひ桐朋で良い成長を遂げてほしい」とお話しいただきました。

参加した生徒の感想です。

・機械や工学、また、それらのシステムについて興味があったので、参加しました。電気通信大学は、機械系の分野しかないと思っていたので、他の分野もあると知り、驚きました。近年話題になっている「AI」の利点や欠点について詳しく説明していただけたので、大変勉強になりました。ありがとうございました。(高2)

・大学ではどんなことができるのかを知りたいと思っていましたし、内容も興味深かったので、参加しました。大学内の施設を見学でき、実際に研究なさっている方から研究内容を教えていただけたので、将来を考える参考となりましたし、自分の興味も広がったように思います。特に、普段なかなか扱うことのできない物質を使っての実験を見学できたことは、大変良い経験になりました。また、コンピュータサイエンスのお話は、名前を聞いたことすらないものも多く、とても興味深かったです。(高1)

・今までこの企画に参加した中で、情報系の分野の研究は体験していなかったので、参加しました。「電通大」という名称なので、電気通信の研究をなさっていると思っていましたが、ここは総合理工大学で、化学や生物的な研究も行われているということがよくわかりました。AIに関してここまで研究が進んでいるのかとわかり、感銘を受けました。実際にロボットと人との会話が聞けて、良かったです。どの方のお話もわかりやすく、興味深い内容でした。また、研究についてだけでなく、進路についてのお話もしていただき、大変参考になりました。ありがとうございました。(中3)

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。

今回はスペシャル版として、夏休み期間の7月31日(水)にJAXA相模原キャンパスを訪問しました。ご案内いただいたのは、小惑星探査機「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャをなさっている桐朋高等学校48期卒業の津田雄一さんです。参加したのは、高校3年6名、高校2年18名、高校1年14名、中学3年14名、中学2年7名、中学1年14名の計73名で、このうち地学部員は33名です。

最初に津田雄一さんから見学の内容をご紹介いただき、地学部と地学部以外の2グループに分かれて、「はやぶさ2」に関する映像の鑑賞、キャンパス内にある展示施設、宇宙科学探査交流棟をご案内いただきました。

「宇宙科学探査交流棟の展示施設見学」では、ロケットなどの実物と模型を間近に見学しながら、担当の方からご説明いただきました。「はやぶさ」でイオンエンジンを採用したのは「燃費の良さと丈夫さ」であることや、

「はやぶさ」などを覆っている黄色(金色)の部分は断熱材であること、

今後のロケットは、打ち上げのスタイルを変更し、再利用できるものも作っていくことなどをお話しいただき、

 

宇宙から戻ってきた「はやぶさ」の再突入カプセルなどの実物も見学しました。

次に、はやぶさ2のプロジェクトに関する映像を見せていただきました。プロジェクトに取り組んでいる方々の様子が印象的に紹介され、その中でプロジェクトに懸ける思いがさまざまに語られていました。

その後、はやぶさ2プロジェクトマネージャを津田雄一さんにご講演いただきました。

JAXA全体では約1、500人、相模原にある宇宙科学研究所には約300人の職員の方がいらっしゃるそうです。津田さんは、宇宙飛翔工学研究系の准教授であり、「はやぶさ2」の設計、開発に携わるプロジェクトマネージャをなさっています。これまで津田さんが関わった探査機には、「はやぶさ」「小型ソーラー電力セイル実証機イカロス」などがあるそうです。

津田さんと宇宙との出会いについてもお話しいただきました。津田さんは、小学校低学年の頃、お父様に連れられ、ケネディ宇宙センターでロケットの実物を見学、高学年の頃には、ハレー彗星の接近に心を躍らせることなどで、宇宙への関心が高まり、ロケットや宇宙船を作りたいという夢を抱くようになったそうです。高校の頃にも、日本初の宇宙飛行士である秋山さんが誕生、NASAのボイジャーによる惑星探査が話題になる中で、航空宇宙工学を学ぼうと、東京大学に進学されました。その後、JAXAに就職、すぐに、はやぶさプロジェクトに配属になったそうです。

続いて、はやぶさ2プロジェクトについてご説明いただきました。

「はやぶさ2」は、2014年に打ち上げ、2018年6月に、「リュウグウ」に到着、2019年2月、7月にタッチダウン成功、2019年末に「リュウグウ」出発、1年後に地球に帰還する予定になっています。太陽系を取り巻く天体の中で、小惑星は2018年時点で約79万個発見されていて、そのうち名前のついているものは2万個あまりだそうです。
多くのロケットは片道のみの運行で、データなどを送ってくるのに対して、はやぶさ2プロジェクトは地球と天体を往復し、地球以外の天体から試料(サンプル)を採取し、持ち帰る(リターン)ことをします。これにより、天体のスケールから顕微鏡のスケールまですべてを調査でき、太陽系の起源や地球に生命が生まれたきっかけを知ることができるそうです。
「はやぶさ2」のプロジェクトでは、「はやぶさ」が探査した小惑星「イトカワ」と別の種類の小惑星である「リュウグウ」を探査していますが、「はやぶさ2」が「リュウグウ」に近づくと、「リュウグウ」の表面は他の小惑星と比べてでこぼこで、タッチダウンしやすい平らでなだらかな場所がないことがわかったそうです。そのため、タッチダウンの時期を延期し、「リュウグウ」を深く知ることに力を注ぐとともに、「はやぶさ2」の実力についても再度検証を進めたそうです。その中で、元々は1辺100m四方のエリアへの着陸を想定していたのに、1辺6m四方のエリアでも着陸が可能であることを確認し、1度目のタッチダウンに成功。さらに、世界初のチャレンジである地下物質の採取に取り組む2度目のタッチダウンにも成功したそうです。津田さんは「究極の技術、科学、チームワークが必要とされる場。だから、探査の仕事はおもしろい」とお話しくださいました。

生徒からの質問として、「プロジェクトマネージャとしてリーダーシップを取る際、大切にしたことは?」「採取できて一番嬉しいものは何か?」「計画段階で大変だったことは何か?」「JAXAでは、本人が希望するプロジェクトに関わることはできるのか?」「はやぶさ」と「はやぶさ2」とで、現場の雰囲気に違いはあるか?」「航空宇宙工学の仕事に将来就くために、今勉強しておくことは何か?」などがあり、

「大きな労力と資金をかけて宇宙探査をする意義として、どんなことを考えているか?」という質問には、「今回の探査は、太陽系や生命の起源を探ることを目的として、40億年以上前の石のかけらを採取するもので、究極の最先端技術を使った究極の基礎科学と言える。基礎科学とは、実用性が意図されているとは限らないが、人間の叡智に繋がるものであり、ノーベル賞の多くも基礎科学に当たる。日本はこうした研究を行える環境にある。ぜひ、自分がおもしろいと思うものを見つけて取り組んでほしい」とお答えいただきました。

その後、参加した生徒を代表して、地学部主将から津田さんに、「はやぶさ2」の成功を祝した色紙が贈られました。

全体の会が終わったあとにも、津田さんは生徒からの個別の質問にお答えいただき、写真撮影などにも応じてくださいました。

参加した生徒の感想です。
・地学部ですので、元々関心がありましたし、桐朋祭で「はやぶさ2」の展示もしたので、ぜひとも参加しようと思いました。プロジェクトに関わる一人一人が、「はやぶさ2」にかける思いを強く持っていたことが、メンバー内でのコミュニケーションの充実につながり、その結果として今回の快挙があると感じました。貴重なお話、ありがとうございました。地球への帰還も含めた、はやぶさ2の成功、心からお祈りしています。(高2)
・津田さんが桐朋の卒業生だと知り、参加しようと思いました。国を挙げての大きなプロジェクトの様子を詳しく説明いただき、自分もその一端に触れることができ、貴重な体験になりました。これからも、はやぶさ2の旅は続くので、がんばってください。(高2)
・地学部でこの企画を知り、貴重な機会だし、自分の知識も増やせると思ったので、参加しました。津田さんから貴重なお話を聞き、貴重な物も見せていただけたので、思っていた以上に知識を増やすことができました。いやぁ、JAXAの方々は頭が良すぎです。はやぶさ2の成功、祈ってます。それと、部員に最後までサインを書いていただくなど、大変良くしていただきました。本当にありがとうございました。(高1)
・元々はやぶさのプロジェクトが好きで、JAXAにも興味があったので、参加しました。実際のJAXAの業務に接し、見学できたことで、具体的なイメージを持つことができました。子供の頃からの憧れであった、はやぶさのプロジェクトの一端に触れることができ、本当にうれしかったです。(高1)
・僕は天文、宇宙開発分野に以前から興味があり、将来JAXAをはじめとした宇宙開発を担当する企業や組織に就きたいと最近考え始めてもいました。実際にJAXAで開発に携わっている方々からお話を聞き、将来に向けての道しるべにしたいと思い、参加しました。興味を持っている分野について、実際のお話を聞き、見学もできて、貴重な体験になりましたし、何より将来への熱意が限りなく高まったように思います。また、想像していた以上に、外国の方々がたくさんJAXAのキャンパスに来ていて、国際会議が数多く行われているように感じました。宇宙開発のグローバル化、英語学習の大切さを実感しました。これから少しずつ知識や技能を身につけて、将来このような仕事に就けるよう、全力で頑張ります。(中3)
・以前から天文・宇宙開発分野に興味があって、はやぶさ2のプロジェクトにも興味があったので、参加しました。はやぶさ2やJAXAの施設のことを、プロジェクトマネージャである津田さんから直接話していただき、津田さんの学歴を知ることもできて、大変良かったです。これからも知識をたくさん身につけ、将来このような仕事に就けるよう、頑張ります。(中3)
・僕は地学部員で、ロケットやはやぶさ2についてとても興味があり、プロジェクトやJAXA内部の様子について詳しく知りたいと思い、参加しました。津田さんから、はやぶさ2を打ち上げてから2回目のタッチダウンをするまでの様子を詳しく教えていただき、とてもためになりました。内部の様子を実際に見学し、講演もしていただけたので、この仕事について具体的なイメージを持つことができました。正直、はやぶさ2についてあまり詳しくは知らなかったのですが、プロジェクトの内容やその中での現場の方々の苦労を詳しく知り、はやぶさ2以外のJAXAの活動についても興味を持ちました。(中2)
・地学部であり、天文に興味があったので、参加しました。JAXAの売店や食堂などの日常使うような場所に行けたこと、なかなか見学できないような内部の場所も見学できたこと、中1の僕でも理解できるくらい、わかりやすく説明してくれたこと、すべてが良く、すばらしい体験ができました。ありがとうございました。(中1)

 

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