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高2学年 ~性暴力の被害者・加害者・傍観者にならないために~講演会

TOHO Today高校

去る2/21(水)に、警察大学校特別捜査幹部研修所長の小笠原和美先生をお招きして講演会を行いました。日常を送る中で、性暴力に関する正しい知識や考え方・ふるまいなどを、我々はもっと知っていかなければならない、という教員達の思いから、今回の会は行われました。

誰もが考えていくべき重要なテーマであると同時に、生徒によっては心理的負担を伴う内容であったかもしれません。講演会後は中高の教員・養護教諭を対象とした学習会もおこなわれ、困難を抱えた生徒たちに、学校現場の大人たちはどのように接していくべきかについても、小笠原先生から貴重な示唆をいただきました。以下に、講演を聴いた生徒達の感想を紹介します。

【講演会を経て 生徒の感想】

著名人の性加害報道が毎週のように放送されている中において、このような話が聞けたことは意義のあるものであったと思う。性加害の加害者にならないのはもちろんのことであるが、傍観者にならない、相談者として適切に振る舞うといったことも重要なのだと感じさせられた。正直、自分がその場面に出くわしたとして適切な対応ができる自信が全くない。だがその内気さを打ち破って、意識的に行動することが令和の世に求められているのだと思う。講演者の小笠原先生、ありがたいお話をありがとうございました。(D組H君)

今回、小笠原先生の講演を聞いて、漠然としていた性暴力という事柄について具体的に知ることができました。特に何度も強調されていた「相手の気持ちを想像する」ということは、性に関することだけでなく、多岐に渡り必要とされる力だと実感させられました。若者が最も身近に接しているであろうインターネットも、そこから性暴力へと繋がっていく可能性があるということで、インターネットとの関わり方も見直そうと思いました。最後に、慶應大学生の方達の話の中で「高校生は世間を知っているようで知っていない」という言葉があって、自分の中で思っている常識と大人になってからの常識は具体的に何が違うのか、真剣に考えていく必要があると思いました。(D組H君)

【担当教員より】

講演会では「想像力」・「同意」という言葉が用いられていました。「想像力」とはどの方向に向けられるべきものなのか、そして、前提となるべき「同意」とはどういう状況や関係性の中で形作られるのか、あらためて深く考えさせられました。

また講演会では「Active Bystander」について、その重要性が語られました。「見て見ぬふり」をせず自身が正しいと思ったことを実行するのは、とても難しいことです。感想にもありましたが、行動を起こす際に必ず巡り会う例の命題。

「倫理的な正しさは、しばしば世俗的な成功と一致しない」

僕らが「ファーストペンギン」になるかどうか判断を迫られるのは、必ずしも性暴力やハラスメントの場面だけではありません。そして判断を下す際の状況は様々です。簡単には答えは出ませんが、我々大人も含めて、多くの人々が知識と想像力を持ち、考え続けることで、少しずつよりよい状況がつくられていくことと信じたいです。