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大学で研究してみませんか 東京農工大学農学部訪問

7
Jul
16

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。

今回は、高校生は1学期期末考査後の自宅学習日であり、中学生は期末考査最終日の7月8日(月)に、東京農工大学農学部を訪問しました。ご案内くださったのは、桐朋高等学校卒業で現在東京農工大学農学研究院教授の有江力先生と、東京農工大学客員教授の二谷貴夫先生です。参加したのは、高校3年3名、高校2年9名、高校1年4名、中学3年2名の計18名です。また、途中まで東京農工大学農学部在学中の卒業生も参加しました。

最初に、有江先生からご説明いただきました。

まず自己紹介をしていただきました。桐朋中高では33期で、卒業後東京大学理科Ⅱ類に進学、東京大学農学研究科博士課程を修了後、理化学研究所などで研究され、現在は東京農工大学農学部で教授をなさっています。

続いて、東京農工大学についてご紹介いただきました。

「東京農工大学は、一橋大学に次いで桐朋から近い国立大学である。農林学の分野では、国内で東大、京大に次いで第3位、世界でも50位に入る研究基軸大学で、大学院の教育に力を注ぎ、先端の研究力を付けることを目的とした教育を行っている。農学部は5学科あり、農学、生命科学、環境科学、獣医学を扱っている。農学部の学部生は300人いて、東大と並んで学生数が多い。教員数も多く、教員一人当たりの学生数は少ない大学として知られている。東京農工大学のスタートは、現在の新宿御苑の場所にあった農業関係の研究施設で、農学部と工学部という2つの学部の大学となったのは、養蚕に由来している。」とお話しいただきました。

また、研究についてご紹介いただきました。

「桐朋の生物の先生の影響で、33期生は生物系に進んだ者が多い。大学では、植物を観察したくて山に籠もる日々で、結果現在の道に進んでいる。植物病理学は植物が病気にかかる原因を探る学問で、植物と微生物の関係を見ることができ、さらに人間の生活を支えるという広がりも持っている。農林水産省とともに、植物の病気が日本に侵入するのを防ぐ取り組みも行っており、日本の農業を守る仕事もしている。植物の病気はカビによって起きる。ただし、カビのうち、ある株はバナナに、別の株はトマトにといった具合で、カビには特定の野菜にしかつかないという特徴があり、これについて研究している。例えば、トマトの病原菌である菌自体はどこにでもあるものだが、遺伝子を調べることで、野生のトマトが食用化される中で、菌がトマトへの病原性を持つようになったことがわかる。ゲノム解析にかかるコストが下がったことで、研究の手法が変わってきている。また、農薬にも化学物質に基づく農薬と微生物を使った農薬とがあり、生物農薬の可能性についても研究している。」とご説明いただきました。

生徒からの質問で、「生物農薬にはどういうものがあるのか」「害虫駆除のための、飛べないテントウムシというものを見たことがあるが、これも生物農薬にあたるのか」「ゲノム解析は今後どう活用されていくのか」などがありました。

続いて、農学部本館内にある農学部展示室を見学し、福島で栽培されている「倒れにくい稲」、農工大のルーツの一つにあたる駒場寮にあった「雲と自由の住むところ」と書かれた碑などについてご説明いただきました。

その後、研究室を見学し、菌の振盪培養の様子や、バナナの病原菌などを見せていただきましたし、一部実験の授業の様子も見学しました。

次に、雨量や土壌温度を計測しながら栽培しているトウモロコシなどがある圃場(東京ドーム3個分の広さ)を歩き、

植物工場を見学しました。植物工場では、ブルーベリーの栽培を通して、さまざまな研究がなされています。植物工場には、早春・晩秋を加え、四季を再現する6つの栽培室があり、

栽培に最適な環境である各部屋にブルーベリーの鉢を移動させ、ブルーベリーが通常1年かけて行うライフサイクル(萌芽→開化→着果→収穫→休眠)を1年に二度行わせ、品質を保ちつつ収量を増やす取り組みをするとともに、果樹への影響を調査しています。さらに、赤い光と青い光とで生育がどう違うのかの調査、鉢を移動させたり、果実を収穫したりする仕組みやロボットの開発といった研究も行われていました。ブルーベリーを試食し、種類による味の違いも体験しました。

生徒からの質問では、「植物を、本来の旬とは異なる時期に収穫できるように栽培して、悪影響などが出ないのか」「農学部と工学部で、研究の交流はあるのか」「大学院で博士課程を修了した後、どんな道に進めるのか」「研究費の点で、国立大学と早慶などの私立大学とで違いがあるのか」などがありました。

最後は、有江先生のご案内で、希望者が図書館を見学しました。

参加した生徒の感想です。

・農学部を志望していて農工大は行きたい大学なので、参加しました。先生のご説明で、農学部がどんなことを学ぶのか、特に、植物の病気や菌などといった、さまざまなアプローチから農学を学んでいることを知り、参加して大変良かったです。(高3)

・第一次産業に研究を通して関わりたいという思いがあるので、農学部に興味がありましたし、農工大ではトップレベルの勉強ができると思い、それを実感したくて参加しました。学園祭などでは見学できない、大学の「いつもの姿」を見ることができ、とても良かったです。(高3)

・農学部に興味があったので、参加しました。農学部の中で、細かく学科が分かれているとは知りませんでしたが、自分は生物、中でもフィールドワークやマクロなものが好きなので、自分にあった学科もあると知り、安心しました。(高2)

・生物が好きで、大学では実際どんなことをしているのか知りたくて、参加しました。理系の学生がどんな学習をしているのかを、生で見ることができ、おおざっぱであった大学の学習のイメージが、より鮮明になりました。有江先生、二谷先生、もし農工大に進学できたら、そのときはよろしくお願いします。(高2)

・農工大の共同獣医学科を志望していて、学科は違いますが、農工大について詳しく知ることができると思い、参加しました。学園祭では“外”を見ている印象が強かったのですが、今回はその“内”を見ることができたように思います。一般の人は入れないような施設を見学でき、大変良かったです。学科こそ違いますが、農工大が第一志望なので、無事合格できたら、よろしくお願いします。(高2)

・農学部でどんな研究をしているのかを知りたくて、参加しました。正直名前しか知らなかった農工大について詳しく知ることができ、良かったです。農学でのゲノム解析に興味が湧きました。(高2)

・農学部について、知識・イメージがなかったので、どんなところか知りたくて、参加しました。農学部がどんなことをしているのか、どんな施設があるのかなど、実際の見学を通して知ることができ、良かったです。植物病理学という分野を知って、大学にはたくさんの分野があることに気付きました。また、遺伝子組み換えなどの説明を、農学の研究者の方から聞けて、自分にとって貴重な体験でした。ありがとうございました。(高2)

・農工大ではどんな研究をしているのかを知りたいと思い、参加しました。研究室を見て、大学の具体的な雰囲気を知ることができましたし、教授の方と直接話すことができ、とても良かったです。進学したい大学を決めるにあたり、参考になるお話をたくさん聞くことができました。(高2)

・大学や研究室がどのようなところか、見たり聞いたりしたくて、参加しました。今回、丁寧な説明をたくさん聞き、学生の様子や各施設の内容を見ることができ、理解を持てました。先生の研究について、あまり知りませんでしたが、先生のご説明にとても興味を持ちました。機会があったら、農工大の工学部にも行ってみたいと思いました。(高1)

・良い機会になると思い、参加しました。今まで大学の中に入ったことがなかったのですが、先生がなさっている研究の話を聞き、想像していたよりも、大学では高度な研究をしていることがわかり、大学の印象が変わりましたし、将来のことを考えるヒントをもらえたように思います。(高1)

・農学や工学に興味があったので、参加しました。農工大の歴史、農学部での研究を詳しく知ることができて、良かったです。微生物などにも興味があるので、菌についての具体的な話が聞けて、楽しかったです。(高1)

・理系志望で、最近生物にも興味が湧いてきたので、参加しました。研究室に入ることができましたし、先生方からも詳しく、分かりやすくご説明いただき、大変良かったです。また、ブルーベリーもとてもおいしかったです。(高1)

・東京農工大学は桐朋に近い、有名な理系の国立大学だとは知っていましたが、農学部でどのような研究をしているのか知りたいと思い、参加しました。農学や生物病理学について、詳しく教えていただき、大変勉強になりました。植物工場の中を見学できて、特に四季の環境を人工的に作り出し、ブルーベリーをモデルとした研究をしていることに興味を持ちました。(中3)

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