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大学で研究してみませんか 朝日新聞社訪問

7
Jul
30

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。
今回は、1学期期末考査後の自宅学習日である7月10日(水)に、朝日新聞東京本社を訪問しました。朝日新聞社には、数多くの桐朋高等学校の卒業生がいますが、今回は52期卒業の小野甲太郎さん(政治部外務省担当)[()内は現在のご担当業務]にコーディネートしていただき、33期の斎藤真さん(デジタルイノベーション本部)、35期の崎川真澄さん(ハフィントンポストCEO)、36期の石川尚文さん(論説委員)、42期の野田一郎さん(管理本部業務部)、53期の宮崎亮さん(社会部文科省担当)、56期の山下龍一さん(政治部防衛省担当)からお話をおうかがいしました。参加したのは、高校3年1名、高校2年13名、高校1年6名、中学3年2名、中学2年1名の計23名です。

最初に、論説委員の石川尚文さんから社説についてご説明いただきました。

「朝日新聞の社説は、意見、主張をまとめたページである『オピニオン欄』に掲載してあり、社外の人の意見、一般の読者からの投稿と合わせて、朝日新聞社の主張や見解を述べている。一般の記事は、基本的に『客観報道』としてファクト(事実)を伝えるもので、『解説』『視点』などのコラムは、有識者や記者個人の主張、見解を提示するものであり、基本的に署名を付けている。それに対して、社説は朝日新聞としての主張、見方を述べるものなので、主張の一貫性が求められる。そのため、論説委員の合議を経て掲載をしていて、無署名となっている。社説の執筆は論説委員(約30名)の担当であり、通常の記事を書く報道・編集局とは組織が分かれているため、記事と社説とで異なる主張、見解をすることもある。社説に取り上げる内容は、毎日論説委員が話し合う『昼会』で決めている」とお話しいただきました。

続いて、昼会を見学し、論説委員の方々の議論の様子を間近で体験しました。

その後、参議院議員選挙の選挙速報(当落判定)の準備として、分析などを行っている、政治部の比例区判定班の方々が作業をしている様子を見学しました。キャップの方から、当落の判定の方法とそれに向けた準備について教えていただき、参議院議員選挙の比例区では、5千万の票を調査することになるので、日本最大の世論調査とも言えるとお話しいただきました。

昼食を、朝日新聞社の社員食堂で取り、朝日新聞東京本社の社内見学ツアーに参加しました。

新聞記者の方々のお仕事ぶりを編集局で見学した際には、政治部のデスクの方からお話を伺い、紙面作りの流れを教えていただきました。また、印刷工場の巨大な輪転機が稼働している様子や、

発送室ではその日の夕刊が自動で梱包される様子見学しました。

最後に、桐朋高校の卒業生の方々と2時間ほど懇談をしました。
懇談では、生徒から事前に集めた質問に対して、卒業生の方々からお答えいただきました。

媒体が紙からデジタルへ移行しつつあることへの対応についてでは、「紙の新聞だろうが、デジタルだろうが、取材を記者がすることには変わりはない。紙は、全国の販売店が600万部の新聞を各家庭などに届けているのに対して、デジタルでは、記事一つ一つを読者の側で選んで読む形となる。記事をどう届けるのか、ネット上で拡散できるかなど、紙では行っていない工夫が必要となる。そのため、記者としての資質だけでなく、エディター、プロデューサーに近い資質が求められる」
記事を書くにあたって注意していることは
「記事の書き方として、心がけているのは全体像を伝えること。『わかりやすく書け』とも言われるが、わかりやすさとは、明快さや平易さにあたる。明快さでは、白黒はっきりさせることが求められ、例えば、グレーなものにおいて白のウエートが大きいと『白』と表現してしまいがちだが、グレーであることをきちんと伝えることを大事にしたいと考えている」とお話しいただきました。

他にも、「新聞社に入ろうと思った理由」や「記者の魅力、取材のやりがいや難しさ」などについてもご紹介いただきました。

懇談の場で出た生徒の質問として、「刑事事件での実名報道の意義について、どう考えるか」「地元の思いとは裏腹に、辺野古に基地を移そうと埋め立てに賛成をしている政治家はどんな思いでいるのか」「元ハンセン病患者の家族への賠償を国に命じた判決に対して政府が控訴する方針と報じた朝日新聞の報道について」「記事を書く際に、購読者の意向を意識することはあるのか」「取材記事において、他社の報道より優れた記事となるには何がポイントとなるのか」などがありました。
「朝日新聞ならではの魅力、気風は」という質問には「朝日新聞社の気風として、立場の上の者を名前で呼んで肩書きでは呼ばないことがある。このことと関連して、『新聞は現場で作る』という意識が強く、下の立場の者が上の者に意見することも多いし、上の者もしっかりと耳を傾けている。桐朋の雰囲気と通じるものがあるように思う。実際、朝日新聞社には桐朋出身者が実に多い」とお話しいただきました。

最後に、桐朋高校45期卒業で、朝日新聞の政治部記者として活躍中に難治がんを患い、闘病しながら「書かずに死ねるか」というタイトルのコラムを執筆し続けた野上祐さんを紹介したテレビ番組を皆で見ました。

全体の説明が終わった後にも、朝日新聞社本館2階コンコースで、生徒の質問にお答えいただきました。

参加した生徒の感想です。
・新聞記者という仕事に興味があったので、参加しました。新聞社では、もっとぴりぴりした雰囲気で仕事をしていると想像していましたが、実際にはアットホームで良い雰囲気だとわかりました。特に印象に残ったのが、社説に関する討論会です。書きたいテーマをプレゼンテーションした論説委員に対して、次々と意見が出され、やり取りする姿に、会議の理想を見たように思いました。仕事内容や新聞記者を志望した理由などを丁寧にお話くださり、とても面白く、学ぶことの多い時間でした。ありがとうございました。(高2)

・特に印象に残ったのは、社説の昼会です。静かな会議室で行われているのかと思っていたのですが、広い部屋の脇のスペースで、リラックスした雰囲気で行われていました。新聞の文体からはわからない裏の姿が見られて面白かったです。普通は入れない場所を見学でき、参院選の開票速報が行われる重要な場所も見せていただいたことは、この企画ならではの良さだと思いました。朝日新聞社には多くの桐朋OBがいらっしゃり、皆さんさまざまに活躍されていました。首相動静や沖縄での取材など、現場での様子を聞くことができ、実に興味深かったです。(高2)

・朝日新聞に興味があったので、参加しました。新聞の作り方や書き方などを知ることができましたし、朝日新聞社の雰囲気を直に感じることができて、とても面白かったです。ありがとうございました。(高2)

・政治に興味があり、朝日新聞社はリベラルとして有名なので、記者の方々の個々の意見を聞いてみたくて参加しました。朝日新聞の論説は、どのように誰が書いているのかが気になっていましたが、その現場である「昼会」を見学できて、とても勉強になりました。また、たくさんのOBの方の体験談を聞けて、ドラマのような話がリアルにあると知り、大変興味深かったです。お忙しい中、お時間を作ってください、本当にありがとうございました。(高2)

・企画内容に「昼会」の見学や社内の桐朋OBとの懇談会があって、この機会でないとなかなか経験できないような魅力があると考え、参加しました。「昼会」の見学を通して社説が書かれるプロセスを知ることができましたし、OBとの懇談会で、労働環境を含めた記者の仕事ぶりや報道に対するポリシーを伺うことができ、大変良かったです。今回教えていただいたことを念頭に置いて、今後新聞を読もうと思います。大変貴重な機会を、ありがとうございました。(高2)

・この進路企画では、文系に関する企画が少ないように感じていましたが、新聞社見学という、自分にとって興味深い内容だったので、参加しました。選挙での当選確実の表示がなされる仕組みを知るとともに、自分がその場に行くことができて、とても驚きました。実際に記者の方々が経験されたことや裏事情もお話しいただき、とても勉強になりました。ありがとうございました。(高2)

・社説に向けた議論の見学など、滅多にない体験ができると思い、参加しました。OBとの懇談会では、多くのお話を伺うことができ、大変参考になりました。ありがとうございました。(高2)

・具体的な進路がまだ決まっていないので、今後決める際の参考にしようと思って参加しました。たくさんの桐朋の卒業生の方から、多岐にわたるお話を聞くことができ、今後進路を決める上で重要な判断材料になりました。ありがとうございました。(高1)

・高校に進学し、今後の大学進学に向けて真剣に考え始めたものの、どの道に進もうか迷っています。実際に職業について体験しながら学べる絶好の機会だと思い、参加しました。日々、手軽さ故にテレビやスマホから情報を得ていて、新聞はけっして身近な感じはなかったのですが、多くの人が議論して丁寧に作っていることを知り、第一線で活躍されている、多くの桐朋卒業生の方々のお話を伺い、新聞を読む楽しさが増えたように思います。また、さまざまな人の、さまざまな仕事によって組織が成り立っていることを実感しました。他の新聞社と違い、朝日は、上司と部下の壁がなく、自由な社風だからこそ、本当に伝えたいことを伝えられるという話が強く印象に残りました。その社風が桐朋とよく似ているという話も興味深く感じました。何が事実なのかがわかりにくい世の中において、自由に真実を追究できる新聞の果たす役割は大きいと改めて思いました。お忙しい中、ありがとうございました。(高1)

・将来の夢は検事になることなので、事件に関するお話をさまざま聞けて、大変おもしろかったです。(高1)

・普段読んでいる新聞がどのように作られているのかに興味があったので、参加しました。記者の仕事を、わかりやすく具体的に説明していただき、参加して良かったと思いました。朝日新聞社ならではの特徴を知ることができ、とても面白かったです。(高1)

・思っていた以上に内容の濃いお話ばかりでしたし、普段は見ることのできない新聞社の裏側を見ることができ、大変良かったです。(高1)

・新聞の記事はどのようにして作られているのか、記者はどんな仕事をしているのかに興味があったので、参加しました。実際に、論説委員による社説の議論を見学して、新聞記者一人一人が自らの考えを持ち、堂々と議論をしている姿が印象的でした。桐朋OBとの懇談では、仕事内容から社会問題の話まで、政治部・社会部・デジタルイノベーション本部などさまざまな部署に所属している方々から2時間じっくりとお話を伺うことができ、とても面白く、勉強になりました。朝日新聞の魅力を実感できたように思います。(中3)

・母親が朝日新聞で働いているので見学してみたいと思い、参加しました。とてもわかりやすい説明をしていただけたので、朝日新聞社が大事にしている社風や、新聞を作る仕組みを深く知ることができました。社員の皆さんは忙しそうでしたが、皆さん笑顔だったのが印象的でした。(中2)

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