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大学で研究してみませんか 杏林大学医学部付属病院訪問

2
Feb
20

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。今回は、2月12日(火)に、杏林大学医学部付属病院を訪問しました。ご案内くださったのは、桐朋高等学校卒業で、現在学校法人杏林学園副理事長、杏林大学救急医学教室教授の松田剛明先生、同じく桐朋高等学校卒業で、杏林大学医学部医学教育学准教授の矢島知治先生です。参加したのは、高校2年4名、高校1年4名の計8名です。

最初に松田先生から、杏林大学医学部付属病院のご紹介がありました。

杏林大学医学部付属病院は、大学病院の本院として、また、都内に4つある高度救命センターの中で、多摩地区唯一の病院であり、高度な専門医療と救急の最前線とがともになされるという大きな役割を担っていて、年間の救急患者は3万8千人あまり、手術も1万1千件あまりと、多くの患者を支えていることを知りました。
特に、松田先生のご専門である救急医学では、命の危険に瀕した患者を受け入れる救急医療の最後の砦であり、全身にやけどを負った患者がロシアから運ばれ、献身的な治療によって無事回復したというエピソードもお話しいただきました。実際、病院の屋上にはヘリポートがあるそうです。

その後、病院内を見学しました。まず、16ある手術室の一つに入れていただきました。

麻酔器や生態情報モニタなどの器具の紹介とともに、衛生管理として、感染予防の徹底に加え、手術室の空調は、部屋の上からきれいな空気が下りてくる形で、塵への対策としていると教えていただきました。

さらに、手術の際に用いるロボット「ダヴィンチ」を見学しました。

「ダヴィンチ」は、患者にとって負担の少ない腹腔鏡下手術で使われ、従来の人間の手による手術では難しい動きを可能にし、繊細さも合わせ持つロボットアームによって、手術の可能性を広げるとのことでした。現在は、前立腺癌などの疾患に対して使われているが、今後は、その範囲を広げていくとのことでした。

続いて、集中治療室(ICU)のフロアを見学しました。杏林大学医学部付属病院には、中央病棟に18室、さらに、外科棟にも、手術後すぐに収容可能な28室があるそうです。集中治療室では、患者2人に看護師が1人付き、手厚いケアがなされていることを知りました。

高度救命センターも見学しました。杏林大学医学部付属病院は、緊急度・重症度の高い救急患者にも対応できる設備が整っていて、手術室、血管造影室、全身を約10秒で撮影できるCTもあるそうです。合わせて、手術室で、血管の造影もできるハイブリッド手術室での心臓疾患に対する手術の一端も見学しました。

最新の医療のレベルの高さを実感することができました。

杏林大学医学部付属病院は、施設・設備が充実しているだけでなく、建物内も新しくて実にきれいです。多くの病棟はこの10年ほどの間に建て直したとのことで、その際には、より良い病院とするために、国内はもちろん、アメリカ、ヨーロッパの病院を視察して回ったとのことでした。

その後、矢島先生による講義を受けました。
最初は、「医師としての頭の使い方」というテーマで、診断の進め方のシミュレーションを体験しました。

診断は、一般的に問診→身体診察→検査の順で行い、問診で鑑別診断(症状を引き起こす疾患の絞り込み)を進め、聴診器などを用いての身体診察、最後にCTなどの検査をするという流れだそうです。
シミュレーションでは、腹痛をきたす疾患を調べ、問診でどんな情報が得られると鑑別診断が進むのかを体験しました。例えば、胃潰瘍であれば、胃の粘膜に傷が生じているので、食後に痛みが出やすい、胃腸炎は嘔吐と下痢の症状がともに出るが、下痢だけだと腸炎になるなどのレクチャーを受け、医師が疾患に対する知識、理解を深く持つことで、患者の話を通して診断ができることを実感しました。その上で、医師としての頭の使い方のポイントは、的確な情報収集と論理的な思考にあり、得られた情報から理詰めで思考を展開するという点で、数学の証明を解くのと類似した頭の使い方だと教えていただきました。さらに、単なる丸暗記では知識を活用しにくく、きちんとした理解を持つことの大切さを、高校での学習でも実感してほしいとお話しいただきました。
最後に、協調性を養い、リーダーシップを身につけ、基本の大切さを自覚するという点からも、クラブ活動は引退までやり遂げて欲しい、「やればできる」という自己肯定感が、やる気を支える力になるので、自己肯定感が増すような体験をして欲しい、医師の仕事の本質は、患者さんの幸せをプロデュースすることにあり、自分の家族を大切にできない人が患者さんを大切にできるはずがない、だから、自分のまわりの人を大切にして欲しいとアドバイスをいただきました。

参加した生徒の感想です。
・以前、高2対象の在校生卒業生懇談会でお話をうかがった松田先生に、病院内をご案内いただけると知り、興味を強く抱いたので参加しました。手術室の中に入れたり、「ダヴィンチ」の見学ができたりと、普通であれば絶対に経験することのできないようなことがたくさんでき、想像していた以上で、参加して良かったです。医者を目指す身として、このような貴重な体験をさせていただいたことは、本当に幸せなことだと思います。ありがとうございました。一年後に、お世話になった松田先生、矢島先生に良い報告ができるように頑張ります。(高2)

・医学部に進学したいと思っていて、そのモチベーションになるし、以前松田先生にお目にかかったことがあり、いろいろ教えていただけると思ったので、参加しました。治療や実際の手術の様子の見学など、想定以上の体験ができました。また、問診の心得についても教えていただき、率直に、とても楽しかったです。実際の病院の雰囲気に触れることで、医者になるという将来の展望がいっそうはっきりしたものになって、勉強へのモチベーションが上がりました。このような企画に参加して、これほど良かったと思ったのは初めてです。先生方にいただいたアドバイスを胸に、残り一年しっかり努力したいと思います。お昼のオムライス、ごちそうさまでした。(高2)

・医療関係の仕事に興味があり、桐朋のOBの方が実際の医療の現場をご案内いただくこの企画を知り、参加しました。実際に手術室に入れたり、最新の医療機器を間近で見ることができたり、実際の治療の様子を見学したりと、今までにない刺激を受け、とても良い経験になりました。松田先生のご専門の救急医療についてだけでなく、杏林大学医学部付属病院の特徴などもお聞きできて良かったです。また、矢島先生の、問診や医師の心構えに関するお話にも感銘を受けました。患者のことを考えて、さまざまな視点から治療にあたっていらっしゃることを知り、医療の大切さと大変さを実感しました。改めて医療の奥深さを知り、自分も携わりたいと強く思いました。お忙しい中、とても貴重な体験をさせていただき、ありがとうございました。(高2)

・大学病院の施設がどんな感じか、知りたくて参加しました。オペ室に入ることができたり、矢島の先生の講義を聴けたり、思っていたよりもはるかに充実した内容で、受験に向けたモチベーションが上がりました。ダヴィンチを生で見ることができ、嬉しかったです。松田先生、矢島先生、お忙しい中、貴重な体験の機会を設けていただき、ありがとうございました。これから頑張ります。(高2)

・医療関係に興味があったので、参加しました。実際の手術の様子を見学できたり、手術室の中にも入れていただき、杏林大学医学部付属病院は都内の大学病院でトップクラスの設備があることを実感できました。また、医学部の面接の様子を教えていただき、大変参考になりました。ありがとうございました。(高1)

・医学部付属病院の施設を見学してみたくて参加しました。実際の病棟、手術室だけでなく、少しの間手術の様子も見学でき、ネットや本で知ることのできない現場の雰囲気を感じることができました。現場の先生方の意見をお伺いし、これからの医療現場で何が必要なのかを知り、自分の認識、態度を改めなきゃと思いました。貴重な機会を作っていただき、ありがとうございました。(高1)

・僕は親の影響で医学に興味を持ったので、親が働いていた杏林大学病院を見学したいと思ったので、参加しました。普段は見られない救急医療の現場などを見学でき、大変良かったです。正直、もっと堅苦しい雰囲気なのかと思っていましたが、みなさんソフトな感じで、楽しく見学できました。ありがとうございました。(高1)

 

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