TOHO Today 桐朋トゥデイ

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78期学年(中学2年)では数学コンテストを定期的に実施しています。

形式は,「短い制限時間内の試験」ではなく,1/8(木)から1/30(木)までの約3週間,自宅や休み時間など自由に時間を使って,与えられた7つの難題に挑戦する形式です。


【写真】数学コンテスト解答状況を廊下に掲示。毎日正解者数を更新しています。(写真は1/15日時点のものです)

実際に出題した7題のうち2題ほどを紹介します:

<問題3>

nを自然数とし,次の条件を満たす を見つけることを考えます。

(条件)n×2020 は2つの連続した自然数の積で表現される。

この条件を満たす明白なnは,n=2019 やn=2021 ですが,
n=5 のときも,
5×2020=100×101
と書き換えられるので条件を満たしていると言えます。これは興味深いことです。
では,2019未満の自然数nのうち,条件を満たす最大のnを求めてみてください。

<問題7>

学習したように,√2 を小数で書き下すと,
√2=1.4121…
となります。循環のない無限小数です。ところで,
√55=7.4161…
ですので,√2と√55では小数第1位と小数第2位が一致していることが見てとれます。 また,
√180=13.4161…
であるので,√2と√180でも小数第1位と小数第2位が一致していることが見てとれます。
さて,そこで, 次の条件を満たす最小の自然数n(ただしn≧3とする)を求めて下さい:

(条件)√nと√2は小数で書き下したときに,小数第1位,小数第2位,小数第3位,小数第4位が一致する。

※なお,この問題は電卓があると解きやすいと思われます。使用する電卓については根号機能は必要なく,掛け算機能のみあれば充分です。

柔軟な発想と計算力が要求され,1題解くのも難しい問題です。
解答に際しては,友人と相談しても構いませんし,電卓やPCを使っても構いません(PCは使わなくても解ける問題を出題していますが)。実際に第7問目は電卓の使用を推奨する問題でしたが,手計算のみで答えを出した生徒が今のところ2名います。また,プログラミングによる解答も立派な解答で,そのような方法で解答してくれた生徒もいます。

学年としては,
①新しいアイデアを考えることの楽しさ
②数字に遊び感覚で触れ合い,「勉強」と「遊び」の境界をなくすこと
③親友と話題になる数学
をねらいとしてコンテストを開催しています。

作題者としては,生徒が楽しそうに解いているのを見るのが最高の喜びです。

<追記>
解答をこちらのページに掲載いたしました。

希望者対象の催しとして、生徒に紹介するものについての情報を発信します。要点のみとなります。

「大学で研究してみませんか」

中高入試の代休日を利用して、高校生を中心とした桐朋生のための特別講義が行われます。

「慶應大学法学部訪問」

日時 2月4日(火)13時30分~16時
内容 桐朋高校47期ご卒業で、慶應大学法学部法律学科教授の大屋雄裕先生に、慶應大学三田キャンパスで、大屋先生から、法学部で学べる内容・法律学を学ぶ意義、さらに、法律学が直面している課題であるAIを法学がどう受け止め、コントロールしようとしているのかについてもご説明いただきます。
集合時間・場所 13時20分 慶應大学三田キャンパス正門付近集合
解散 16時頃 慶應大学三田キャンパスにて解散予定
中学生の参加 可
定員 特になし
締切 1月29日(水)

「竹中工務店東京本店訪問」

日時 2月12日(水)13時~17時10分
内容 桐朋高校33期ご卒業で、木造・木質建築推進本部長の松崎裕之さん、55期ご卒業で、技術部計画2グループ主任の中山尚之さん、56期ご卒業で、技術研究所先端技術部デジタル生産グループ研究主任の松田耕さんから、竹中工務店東京本店で、最先端技術、生産部門、木造でのビル建築などについてご説明いただき、作業所や建築途中の木造ビルの現場などを見学します。
集合時間・場所 12時50分 竹中工務店東京本店1階受付付近集合
解散 17時15分頃 東陽町駅にて解散予定
中学生の参加 可
定員 20人
締切 2月5日(水)

「進路企画」

「医学部生と医学部志望者との懇談会 および 現役医師による特別講義」

日時 2月23日(日)懇談会9時30分~14時30分 特別講義14時30分~16時30分
内容 
懇談会では、桐朋高校67期~73期ご卒業で、現在医学部在学中の10数名(東京医科歯科大・東北大・大阪大・筑波大・佐賀大・横浜市立大・防衛医科大・東京慈恵会医科大・順天堂大・日本医科大など)から、各大学の紹介、受験勉強について話してもらうとともに、聴診器の使い方に関する実習を行います。特別講義では、「診断における頭の使い方」をテーマに、桐朋高校39期ご卒業で、杏林大学医学教育学准教授の矢島知治先生からお話しいただきます。
集合時間・場所 
9時30分 本校多目的ラウンジ集合 (途中入場・途中退室可 必要のある人は昼食を持参すること)
解散 
懇談会14時30分頃 特別講義16時30分頃 解散予定 (途中入場・途中退室可  必要のある人は昼食を持参すること)
中学生の参加 

定員 
特になし
締切 
2月19日(水)

 

・ウィンタースクールとは?
桐朋中学・高等学校の文化部のセンパイたちから、それぞれの部で取り組んでいることなどを、小学生にも分かりやすく、楽しく、実際に体験しながら学ぶことができるイベントです!

・ウィンタースクールの概要
開催日時:2020年2月23日()
主催:桐朋高校総務委員会

授業1 授業2 授業3
授業名 化学部
「水溶液の化学(60分)」
将棋部
「初心者でも楽しめる将棋指導対局(90分)」
地学部
「虫眼鏡と望遠鏡(90分)」
授業時刻 9:00~10:00 9:00~10:30 9:00~10:30
※3つの授業の中から自分が好きな1コマに参加することができます。複数の選択はできません。

開催場所: 桐朋中学・高等学校
※正門からお越しください。
募集対象: 公立または私立小学校に在学する小学3年生から小学6年生
※保護者様も授業をご参観いただけます。
募集期間: 12月24日(火)~2月16日(日) 《募集は締め切りました。》
※桐朋学園小学校生は1月1日(水)から応募可
※各授業、先着制となります。ご了承ください。
募集定員: 各講座で異なります。下記「授業紹介」をご覧ください。
参加部活: 化学部・将棋部・地学部
持ち物: 上履き・下足袋・筆記用具

・お申し込みについて

ウィンタースクールのお申込み、またはお問い合わせは、
下記メールアドレスまでお願いいたします。

メールアドレス:winterschool2020@toho.ed.jp

ただし、メールには以下の事柄を必ずご記入ください。
・在学小学校と学年
・参加者氏名
・参加したい授業名※1※2
・緊急連絡先

※1 複数の授業の選択はできません。
※2 「初心者でも楽しめる将棋指導対局」をご選択の場合は、おおよその棋力をお書きください。分からない場合はその旨をお書きください。

※3 12月25日~1月7日まで、冬季休業中のためご返信が遅れることがございます。あらかじめご了承ください。

・授業紹介

「水溶液の化学」〈定員に達しました〉
主催:化学部
授業時刻:9:00~10:00
会場:化学実験室B
募集人数:20名まで
応募状況:定員に達したため、締め切りました。
液体の色の変化に関する実験を体験していただき、液体を評価する指標となる「pH(ペーハー)」という量に関する理解を深めていきます。本格的な実験室で部員の指導の下、安全に様々な指示薬や金属片、電極を利用した実験を行うことができます。

「初心者でも楽しめる将棋指導対局」〈定員に達しました〉
主催:将棋部
授業時刻:9:00~10:30
会場:国語教室
募集人数:20名まで
応募状況:定員に達したため、締め切りました。
参加者の棋力に応じた駒落ち、もしくは平手で将棋部員が丁寧に指導対局を行います。ルールを理解していない方も将棋部員が丁寧に説明しますの是非ご参加ください。

「虫眼鏡と望遠鏡」〈定員に達しました〉
主催:地学部
授業時刻:9:00~10:30
会場:地学教室・プラネタリウム・太陽観測所
募集人数:30名まで
応募状況:定員に達したため、締め切りました。
虫眼鏡を用いた実験を行い、その後プラネタリウムでの太陽の動き方を部員が解説します。そして、太陽観測所での実際の観測を行ったりなど、桐朋が誇る設備を用いて、部員が授業を展開します。時間に余裕があれば、ペーパークラフトも行う予定です。

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。

今回は、2学期期末考査後の自宅学習期間にあたる12月17日(火)に東京理科大学薬学部薬学科を訪問しました。ご案内くださったのは、桐朋高等学校卒業で、東京理科大学薬学部薬学科教授の上村直樹先生、同じく桐朋高等学校卒業で、東京理科大学薬学部臨床教授の高橋裕先生です。参加したのは、高校1年4名、中学3年1名、中学2年1名、中学1年2名、合計8名です。

最初に、東京理科大学野田統括部薬学事務課課長の森知春様より、東京理科大学についてご説明いただきました。東京理科大学は、東京大学に次いで、日本で2番目に古い理系大学であること、大学のランキングで、教育力は大学全体で4位、私学の中では1位、研究力も全体9位、私学で1位、就職力は大学全体で1位であること、学生の書くレポート・論文の枚数は、大学4年間で約1,000枚、修士・博士課程まで含めると約1,200枚に達し、学習への意識が高い大学であること、薬学部のキャンパスは、2025年に葛飾に移転の予定であること、薬草の学習のための薬用植物園や薬学実務実習のための病棟・調剤・薬局の実習室があり、施設が充実していることなどをお話しくださいました。

続いて、医療分子生物学を研究され、がんの治療薬の開発に取り組んでいらっしゃる高澤涼子先生の研究室を見学しました。

「正常な細胞では細胞増殖がコントロールされているが、がん細胞はコントロールが効かず、どんどん増え続けてしまう。この研究室では、がん細胞の増殖を助けているタンパク質の働きを特異的に阻害する化合物について研究している。

細胞の死には2種類あり、遺伝子にプログラムされた、正常な死にあたるのがアポトーシスで、死んだ細胞は急激に収縮し、死後に他の細胞に食べられて再利用される。一方、細胞が傷ついた結果死ぬのがネクローシスで、この場合、細胞膜が崩壊し、有害物質が周辺にばらまかれ、炎症を起こす。がんでは、炎症によって痛みや苦しみが生じるので、がん細胞をアポトーシスに導くことが重要となる」とご説明いただきました。

その後、培養した肺がんの細胞においてアポトーシスがどのように起こるのかを、顕微鏡の映像を基に観察しました。

生きているがん細胞の映像

がん細胞に抗がん剤を加えた際のアポトーシスの様子

最後に、がん細胞が培養されている部屋も見学しました。

次に、薬剤師になるための学習として、調剤室内での薬の種類、扱いなどについて、根岸健一先生からご説明いただきました。

錠剤、粉薬、水剤についてご紹介いただき、いろいろな水剤を手に取って、匂いや色の違いを確認しました。

薬を使っての治療における薬剤師の役割として、「医師は処方箋によって薬の指示を出すが、薬剤師は、患者の状況を考慮し、医師と協議の上で薬の量を調整するなどして、より安全かつ有効に薬が効くよう、取り組んでいる」とお話しいただきました。

その後、注射器に注射薬を吸引し、配合変化の様子を確認する体験をしました。

次に、河野洋平先生にご指導いただきながら、軟膏板とへらを使って2種類の軟膏を混ぜ、容器に入れる体験をしました。

その後、軟膏を混ぜる機械の実演を見学し、自分が混ぜた物と、混ぜ具合を比較しました。

さらに、調剤の際に高い清浄度を作り出すクリーンベンチ・安全キャビネットについてご説明いただき、見学しました。

次に、上村先生から、薬剤師の調剤過誤防止に関する研究についてご紹介いただきました。一例として、視線を追跡できるアイトラッカーを使った、医薬品個装ケースの識別性に関する研究の一部を、研究室の学生の方にご協力いただき、体験しました。アイトラッカーを装着して、個装ケースを並べた状況を模したシートから、指示された番号の医薬品を探す際の視線の動きを解析したデータを確認しました。

ケースのデザインによって、識別のしやすさがどの程度変わるかを実感できました。

最後に、上村先生・高橋先生から、ご自身が薬学・薬剤師の道に進むと決めた理由、薬学部卒業後の進路、薬剤師のやりがいについてお話しいただきました。

さらに、薬局の現状と今後について、映像とともにご説明いただき、

「薬剤師の仕事でも、国内、海外ともにロボットがさまざまに活用されつつある。ロボットアームを使って安全キャビネット内で抗がん剤などを調剤したり、薬の棚から薬を取り出したりする作業も機械化されている。調剤する仕事などをロボットが行うようになる中で、今後の薬剤師は、患者の相談に乗り、患者にとってベストな治療となる薬を選ぶなど、人と対する仕事が中心となる」とお話しいただきました。

生徒からの質問として、「薬学を学んで、創薬の研究に進めるのか」「薬学を学んで、薬局を経営するようになると、薬学とは違う知識が必要になる。どう取り組んだのか?」などがありました。二つ目の質問に、上村先生から「自分も勉強したが、桐朋の卒業生はさまざまな道で活躍している。その繋がりの中で、さまざまな専門家と知り合い、一緒に仕事をしている」とお答えいただきました。

参加した生徒の感想です。

・先生方にお会いして、貴重な体験ができました。先生方のご説明がとても興味深く、参加の前と後では、東京理科大学、薬学部に対する印象が大きく変わりました。薬学は、薬学のことしか学ばないのではと思っていましたが、薬学に関することなら何でも扱うのだとわかりました。ありがとうございました。(高1)

・薬学部に興味があったので参加しました。実際に薬を触る体験もできましたし、お話を聞いて、薬学部の良いところ、特徴への理解が深まり、「将来、薬学の道に進むのも良いな」と思うことができました。本当に、先生方のお話を聞けて良かったと思っています。(高1)

・将来、薬学系に進みたいと思っているし、大学の研究室も見学したかったので、参加しました。内容が単にお話を聞くだけでなく、軟膏を混ぜる実習があったり、薬品に触れることができたり、たくさんの施設・機材を見学できたりして、大学で研究してみたいと強く思うようになりました。また、薬剤師の現状を知ることができ、大変参考になりました。この度は貴重な機会をご用意いただき、誠にありがとうございました。(高1)

・薬について学ぶ機会はなかなかなく、また、薬剤師とはどのような仕事か、薬剤師になるにはどのような勉強をするのかを知りたくて、参加しました。実際に薬を作ったり、充実した設備を見学できたりして、参加して良かったです。特に、薬学部ではどんな研究をしているのかを、具体的に、かつ深く学ぶことができました。今回の企画で、自分の知らない世界を見ることができました。ありがとうございました。(中3)

11月23日(土)に、本校ホールにて行われましたPTA主催講演会の様子を、本校新聞局員が記事にまとめました。ホームページでもご紹介いたします。

「大隅教授、桐朋へ来校」

去る11月23日、PTA主催で講演会が開催され、2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞した大隅良典教授が本校に来校された。大隅教授はオートファジー(細胞の自食作用)の研究をされており、大きな功績を残されている。

講演会は、「半世紀の研究を振り返って ‐基礎研究の大切さ‐」というテーマで、約一時間にわたり行われた。主に講演内容は大隅教授の研究についてで、オートファジーのいろはから今後の展望まで、オートファジーに関する多くの内容が解説された。また、最後には今までの研究を振り返るとともに、若者へのメッセージということで我々中高生へのアドバイスを頂いた。

講演会後、場所をホールから食堂に移し、代表生徒による大隅教授への質問が行われた。主に新聞局員と生物部員がメンバーとなり、研究などに関することについて直接質問をする機会を得た。

以下に、その内容を記す。

――やりたい事を大切にというメッセージを仰っていましたが、やりたい事をやり通す際に意識すべきことは何でしょうか。

「まずもって、社会に求められている研究がストレートにやりたいことと直結していなくても心配しないでください。日本では早くから成果を上げることが求められますが、海外では、そういった風潮はあまりありません。また、仮にやりたいことがなくても、やりたい事を見つけなければならないという強迫観念に囚われる必要はありません。加えて、自分の研究室においても、オートファジーという主題に対して様々な目的で様々な分野の人が関わっているので、協力を得る際には協力にも色々な形があるということを念頭においてほしいです。」

――30年もの間研究を続けてくることができた理由に、様々な技術の発展を挙げていらっしゃいました。印象に残っている科学技術の発展は何でしょうか。

「顕微鏡技術の発展が印象に残っています。先日、最新式の電子顕微鏡に触れる機会があったのですが、オートファジーを発見した当時の顕微鏡と比較すると、分子構造の見え方には大きな違いがありました。その他の分野においても科学技術の発展には目覚ましいものがあります。色々な勉強をすることで世界の変化を知っていって欲しいと思います。その一方で、すべてを追う必要はありません。すべてを追っていると、この情報過多の現代で情報に埋没してしまいます。やりたい事をやるためのものや楽しさを勉強していって欲しいです。」

――基礎研究において行き詰った際にはどうされていましたか。また、どの様にモチベーションを維持していらっしゃいましたか。

「思っているよりも、なんとかなるものです(笑)。研究の際には、前提として大きな問いを自分のなかで持っているとよいと思います。自分が研究していることの背後にあるものを常に考え続けていればモチベーションを維持していけますし、次の課題も見えてきます。自分の研究室では、一つの事だけをやるのではなく多角的に研究を行っているので、なにかしらの発見が常にあります。研究はイチゼロの世界ではありません。正しい実験を続けていれば、必ず次の課題が見えてきます。」

――中高生の時には、どの様に将来を思い描いていらっしゃいましたか。

「高校生の時には研究者を目指すことを決めていました。しかし、その理由は消去法で、スポーツも音楽もあまり得意ではなかったのが大きな理由でした。自分の能力を活かし社会に貢献できるのではと思えたのが研究者でした。」

――研究者を志した具体的な出来事はありましたか。

「大学に入学した当初は何も計画はありませんでした。ましてや、世の中が流動的である今の現代では、早くから何かの専門家である必要はありません。じっくりと自分が何になりたいのかを問うといいと思います。私自身は最初化学の分野に興味を持っていましたが、大学の授業があまり面白くなく、そんな時に出会ったのがこの分子生物学でした。この分野には、自分をワクワクさせる何かがありました。皆さんには、ワクワクする気持ちを大切にして欲しいです。また、今その様な気持ちを持っていなくても焦る必要はありません。生きていくうちに必ず見つかります。また文系、理系といって区分は日本だけのものなので、幅広い分野に興味を持って欲しいと思います。」

大隅教授のメッセージのなかに、小さなことにも疑問を持ち続け沢山のものに興味を持ってほしいというものがあった。今回の講演会などのイベントを含め、功績を残された多くの方の考え方を吸収することは、自らの進路の幅を広げるほか多角的な視点を持つことにも有用である。このような機会に触れることは、多様化が叫ばれるこの時代で自らの付加価値をアピールするときにも大いに重要になってくるであろう。

 

オートファジーとは?

オートファジーを知る前に、タンパク質と生体膜について理解する必要がある。まず、タンパク質について。タンパク質と聞いて、多くの人が食品の中などに含まれる栄養素としてのタンパク質を思い浮かべると思うが、生物学的においてはより多くの分野の説明に用いられる。生体内の生命活性に大きく関わり、生物の生命活動とは切っても切れないのがこのタンパク質なのだ。また、すべてのタンパク質は20種類前後のアミノ酸から構成されているため、地球上の生命が一つの共通の祖先を起源としているとも言うことができる。

次に、生体膜について。細胞内の細胞小器官がそれぞれの境界として持つ膜のことを生体膜といい、それはリン脂質二重層という流動性の高い構造をもつ。また、タンパク質はリボソームで生じ、そこから生体膜を通り細胞内外へと輸送されて機能する。

さて、大隅教授が発見したオートファジーは、タンパク質分解の方法の一つである。ここで、講演会で大隅教授が挙げていた例を一つ引用したい。大隅教授は、大学で最初の生物の授業で学生たちに、「1秒間で何個の赤血球が体内で生成されているか計算せよ」という課題を与える。この課題の回答は毎秒30万細胞であり、つまり、30万細胞の生成と同時に同規模の破壊も起こっているということになる。大隅教授はこの課題を通して学生たちに、合成と分解がいかに普遍的かを伝えようとしているのである。

例の通り合成と分解は非常に重要であり、特に合成に比べ研究の対象とされてこなかった分解も同様に重要であると言える。人のカラダのタンパク質は2ヶ月から3ヶ月で完全に置き換えられることからも分かるように、私たち生命は合成と分解の平衡に支えられているのだ。また、分解の際にタンパク質は、壊れているのではなく壊されているのだということも押さえておきたい。しかもその過程では、合成の時にも劣らない多数の遺伝子が関わっているのである。

そんなタンパク質分解の方法の一つであるオートファジーは、ギリシャ語の「オート(自分)」と「ファジー(食べる)」という言葉から名付けられており、その和名を自食作用という。オートファジーでは、その名の通り細胞内のタンパク質を食べてしまうような形で分解が行われる。まず、細胞内で不要となった細胞小器官やタンパク質が、リン脂質二重層の生体膜で包まれ、オートファゴソームと呼ばれる小胞が形成される。これに各種の分解酵素を含むリソソームが融合し、内部のタンパク質などが分解されるのだ。これによりタンパク質から分解され生じたアミノ酸は、再び細胞内でタンパク質の合成などに利用される。

このようにして起こるオートファジーは、飢餓適応、細胞内浄化、抗加齢、抗原提示、胚発生、病原体排除、腫瘍抑制など、非常に重要な生理機能を併せ持ち、生物学の中でも様々な研究分野から注目が集まっている。また、医学においてもオートファジーはホットな話題であり、神経性疾患やガン、生活習慣病などとの関連が研究されている。それに伴うオートファジーの制御剤開発も近年テーマとなっており、諸外国では大きなフィールドを築いている。

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。

今回は、保護者の方との面談期間のため午前中授業となる11月19日(火)に、桐朋高等学校卒業で、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森泰夫さんにご来校いただき、「スポーツとみなさんの関わりについて」というタイトルでご講演いただきました。生徒は、中高陸上競技部を中心に、57名が参加しました。

最初に、自己紹介をしていただきました。森さんは桐朋中高、さらに大学でも、陸上競技に取り組み、大学では、連盟の一員としても関わったこと、その後、企業に就職されましたが、縁あって、日本陸上競技連盟に転職し、大会運営、広報、強化、普及などさまざまな活動を統括する役割を担当され、現在は、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の大会運営局次長として、大会の運営に奔走なさっていることなどをお話しくださいました。

続いて、世界陸上やアジア大会のダイジェスト映像を交えながら、以下のようなお話をしていただきました。

「一般的な人々のスポーツへの関わり方は、選手として仲間とともに『スポーツをする』、プロスポーツなどの『スポーツを見る』といった形があるが、もう一つの大切な関わりとして、スポーツ団体の運営、イベントの運営スタッフとして『スポーツを支える』立場がある。

実際のスポーツ界でも、選手として競技をする人、メディアの一員、医師や教員など、職業を通してスポーツに関わる人、大会運営においてビジネスとしてスポーツに関わる人もいるが、多くは、スポーツ少年団などでの指導の形で、ボランティアとして関わっている。

ボランティアとしての関わりでは、日常のスポーツ指導、スポーツ組織の運営においては、そのスポーツに対する専門性が求められるが、オリンピックなど、ビッグイベントのボランティアでは、専門性はさほど重視されない。

実際、「日常」にあたる陸上競技の地域大会に関わっている人数は、1年間で100万人余りとなり、「非日常」にあたる2020年のオリンピック・パラリンピック大会で想定しているボランティアの人数を上回っている。スポーツはボランティアに支えられている。

ところが、忙しさ故の余裕のなさ、地域の繋がりの希薄化といった社会的環境の変化、さらに、これまでボランティアで関わってきた人が高齢化し、世代交代も進んでいない現状などから、スポーツを支える存在の確保が難しくなっている。

今後を考えるポイントとして、一部に負担が偏るのではなく多くの人で役割を分担する、多様な関わり方を推奨するなど、支え方の工夫が必要だ。特に、日本では一つの競技のみに関わる人が多いが、異なる競技も運営するなど、多様な関わり方を進め、新たな発想が生まれる可能性を高めたい。さらに、日常的にスポーツに親しむことで、運営の意識も高まるという流れも大事にしたい」とお話しいただきました。

続いて、スポーツイベントでの組織体系、実際の業務についてご紹介いただきました。

また、スポーツの普及に向けた取り組みとして、従来は、「スポーツをする」人を増やすために、ジュニアの育成、指導者のレベルアップ、大会参加の機会の増加などを意識していたが、今後は、①競技を続けられる環境を整備する、②「スポーツを見る」人の増加に向けて、競技大会の魅力を高め、ファンとなるきっかけを用意する、③「スポーツを支える」人を増やすために、スポーツによる社会貢献の意識を高め、社会的に支持される取り組みを進めるなどのことが必要となる、とお話しいただきました。

最後に、森さんから、今後スポーツに関わる存在である中高生にメッセージをいただきました。

「自分の目標として、まずは2020年のオリンピック・パラリンピック大会を安全に運営し、成功に導くことがある。加えて、オリンピック・パラリンピックの成功をきっかけに、スポーツの、社会のプラットフォームとしての位置付けを高め、今後スポーツに関わり、支えていく人材を育てていきたい。

自分がスポーツを支える世界に身を置くようになったのも、社会で役立つ自分でありたいと願っていた中で、陸上競技連盟のオファーと周囲の勧めがあり、最終的には、スポーツに恩返ししたいという思いから決断した。

社会で活躍する人の特徴として、素直で前向きな意識と情熱を持ち、さまざまな経験と出会いを大切にしていることがある。ぜひこうした点を心かげてほしい。

また、何かを判断し、決定する立場となると、自分の下した判断に否定的な反応を示す人がいて、時に孤独を強く感じる。そんなとき、支えとなってくれるのは、若いときからの友人である。中高時代の友人の持つ意味を認識してほしい。

さらに、今後社会で活躍していくには、一つのことを突き詰め、極める中で身につく力と、多種多様な経験を持ち、柔軟な考え方を持てる力とを併せ持つことが重要になると自分は考えている」とお話しいただきました。

話の締めくくりとして、「自分がこのような形で、スポーツに、オリンピック・パラリンピックに関わるとは、10年前、20年前には思いもよらなかった。だからこそ、きみたちに『あり得るかもしれない人生』ということばを贈りたい。人生にはさまざまな可能性がある。そんな意識も持ちながら、今後を過ごしてほしい」とエールを送っていただきました。

生徒からの質問として、「森さんが陸上で取り組んでいた種目は?」「森さんや同期の人たちは陸上競技で大活躍したと聞いた。活躍できたのはなぜか。どんな練習をしていたのか」といった陸上競技に関わるものと、「スポーツのビッグイベントでは経済効果も話題にはなるが、ボランティア精神に基づく貢献が欠かせないと聞く。実情はどうか」「イベントが開催され、盛り上がりを見せた競技も、しばらくすると熱が冷めてしまうと感じる。この点をどう考えているか」など、スポーツを支えることへの関心からの質問もありました。森さんから、「的確で鋭い質問があり、意識の高さが感じられて嬉しかった」とのおことばもいただきました。

参加した生徒の感想です。

・普段、直接お話を聞く機会のない、五輪大会の組織委員会の方のお話を聞いてみたいと思い、参加しました。実際に組織委員会で働いている方から生のお話を聞け、大変刺激になりました。われわれの質問に真摯にお答えいただき、ありがとうございました。(高2)

・オリンピックに興味がありましたし、一度“大学で研究してみませんか”の企画に参加してみたいと思っていたので、参加しました。森先生のような、スポーツに関わる仕事をしている人がいると実感できましたし、どのような展開の中でこの仕事に就いたのかを教えていただき、参考にしたいと思いました。スポーツはプレイするだけではないことがよくわかりました。とても興味深いお話で、楽しく聴くことができました。(高2)

・校内でお話をうかがうことができ、参加しやすかったです。スポーツに関わる分野やその人数、大会のことなど、幅広くお話しいただき、将来、スポーツにどのように関わることができるのか、理解できたように思います。また、心の支えになったり、強みにできたりするお話も聞けて、参加して良かったと思いました。自分は、選手としてスポーツに関わることは無理ですが、将来何らかの形で関わりたいとぼんやり思っていたので、大変参考になりました。お忙しい中お越しいただき、ありがとうございました。(高2)

・将来の選択肢として、オリンピックに関わることも考えていたので、ぜひお話を聞きたいと思い、参加しました。森さんが若い頃からオリンピックに関わっていたわけではないと聞き、正直驚きました。オリンピックだけでなく、スポーツ全般に関わることの意義についてもお話しいただき、自分の価値観が変わったように思います。僕も将来、何らかの形でスポーツに関わろうと思います。貴重なお話、ありがとうございました。(高2)

・陸上部のOBの方からのお話でしたし、将来の展望が広がるのではと思い、参加しました。お話はオリンピックに関する専門的な内容が多く、組織などについて学べて良かったと思いました。また、一つのことをずっと続けることが大事だと思っていましたが、途中で切り替えるという選択によって成功することもあるとわかり、大変参考になりました。来年は高3で受験なので、オリンピックを全力で楽しめるかはわかりませんが、できる範囲で精一杯楽しみたいと思っています。オリンピック、今から楽しみです。(高2)

・来年、東京でオリンピックが開催されるため、運営側はどんな仕事をしているかに興味を持ち、また、スポーツに関わる仕事について知りたかったので、参加しました。組織委員会の活動は、単なる実行委員会とは違い、どうすれば人々がスポーツに関心を持つのかなど、社会の深いところまで考えた上で運営していることを知り、勉強になりました。スポーツに関わる仕事においても、ただスポーツを楽しむだけでなく、選手へのサービス、ビジネスとしての収益など、さまざまなことを考え、進めていく必要があると実感できました。貴重なお話を教えていただき、ありがとうございました。(中3)

 

10/16(水),17(水)の1泊2日で、「クラスの日」に行ってきました。

「クラスの日」とは中3と高2が修学旅行に行く1週間の平日に、中1・中2の各クラスが、クラスごとに宿泊地や目的を決めて行う、本校独自の行事です。

1泊2日、費用は18,300円以内(300円は増税対応分)、引率教員は2人、という制約の中で、9月から話し合いを始めて、決めていきます。旅行代理店や宿と交渉を重ねてクラスの生徒の要望を予算以内で達成することが、委員の仕事となります。

「アスレチックに行きたい」「バーべキューしたい」「紅葉見ながらサイクリング!」「果物狩りしたい」「クラスのみんなでスポーツしたい」「肝試しをしたい」「世界遺産を見たい」「ご当地の美味しいものを食べたい」

「温泉宿がいい」「何か、記念に創りたい」「生徒がバタバタしても振動しない、鉄筋の宿がいい」という生徒・教員からのいろいろな要望に応えないといけません。

また、今年は直前の台風19号の襲来を受けて、予定していたルートや行程を変更しないといけないクラスもありましたが、引き出しの多い添乗員さんの援助もあり、どのクラスも、無事に楽しく行ってくることができました。詳しくは、中1の保護者向けの学年通信にまとめました。今回は、特に評判がいいので、ホームページの方にもアップしました。

どうぞ、皆様、ご覧ください。

 

79期学年通信12号

79期学年通信13号

希望者対象の催しとして、生徒に紹介するものについての情報を発信します。要点のみとなります。

「大学で研究してみませんか」
2学期期末考査後の自宅学習期間を利用して、高校生を中心とした桐朋生のための特別講義が行われます。

「東京理科大学薬学部訪問」
日時 12月17日(火)13時30分~16時
内容 桐朋高校28期ご卒業で、東京理科大学薬学部薬学科教授の上村直樹先生に、東京理科大学野田キャンパスにある、薬剤師教育を行う施設をご案内いただき、上村先生の研究内容である、調剤過誤防止等に関わる研究、高澤涼子先生の研究内容である、がん細胞に作用する治療薬の開発等に関わる研究について、ご説明いただきます。
集合時間・場所 13時20分 東京理科大学野田キャンパス(薬学エリア)13号館前ロータリー付近集合
解散 16時頃 東京理科大学野田キャンパスにて解散予定
中学生の参加 可
定員 20名程度
締切 12月11日(水)

「東洋大学社会学の講義見学」
日時 12月19日(木)13時~16時
内容 桐朋高校52期ご卒業で、東洋大学社会学部社会文化システム学科教授の高橋典史先生のご案内で、東洋大学の「宗教社会学」に関する授業に参加、見学をし、高橋先生から、東洋大学について、高橋先生の研究内容である、現代宗教、移民・難民問題、多文化共生に関する研究について、ご説明いただきます。
集合時間・場所 12時50分 東洋大学白山キャンパス正門付近集合
解散 16時頃 東洋大学白山キャンパスにて解散予定
中学生の参加 可
定員 30名程度
締切 12月11日(水)

 

さる10月16日(水)に高1学年行事「学年の日」が行われました。「学年の日」とは、毎年の高一学年が主体となり何らかの文化的行事を企画するもので、毎年異なる様々な内容の行事が執り行われています。今年は「男子校で妊娠・出産について考える」と題し、性、妊娠・出産、そして育児について学習する機会を持ちました。午前中は、東京都助産師会より7名の助産師の方々にご来校いただき、「妊娠」「出産」といったことをテーマに各クラスで講演会をしていただきました。午後のセッションでは、助産師会を通じてお集まりいただいたお母さん方や、近隣にお住いのお母さん方にご自身のお子さんを連れてきていただき、生徒が実際に赤ちゃんとふれあいの機会を持つ交流会を開きました。

桐朋という、女性が圧倒的に少ない環境で日々を過ごす中、馴染みのないテーマ設定に最初は戸惑っていた生徒諸君でしたが、事前学習を重ねる中で、徐々に身近な話題・自身の問題として捉えられるようになっていきました。行事後の感想では

「女性のことをもっと理解をしていくべきだと思った」

「以前よりは少しオープンな形で性について家族と話すことができるようになった」

「自分もあのように可愛がってもらって、ここまで育ってきたということを再認識した」

「親孝行をしたいと思った」

などといったコメントが多くみられました。以下に、事前学習から当日までの様子、そして生徒のコメントに加え、赤ちゃんを連れてきてくれたお母さん方のコメントを紹介いたします。


事前学習

事前学習では、映像教材として助産師を特集した際の『プロフェッショナル』を視聴しました。また、本校家庭科教員の講義を聴きました。自身の妊娠・出産のときのエピソードや写真などを紹介しながらの講義でしたので、生徒諸君は興味深く聴けたようです。さらに生徒は、各個人で何らかのテーマを設定し、調べ学習をしました。そして最後に事前学習のまとめとして、ドキュメンタリー映画『うまれる』を鑑賞しました。映画の中では、それぞれに異なる問題(虐待を受けて育った夫婦、障害を抱えた子どもをもつ夫婦、死産を経験した夫婦、不妊治療に取り組む夫婦)を抱えた実際の4組のカップルの様子が描かれており、生徒にとっては大変印象深い作品であったようです。


当日

AMセッション:助産師の講演会 「妊娠・出産に立ち会う中で~命の大切さ~」

まずは事前学習の一環で観た『うまれる』についての感想を述べ合い、ディスカッションもしました。「(父)親になるということの意味」や「親は子をなぜ愛することができるのか(または中にはそうではないケースもあるのか)」といった点に話題が集まっていたようでした。

その後は、助産師さんの講演を各クラスで聞きました。出産という、命を迎える瞬間に日々立ち会われている「助産師」という職業をされている方々だからこそいただける貴重なお話の数々を、生徒たちは真剣な表情で聴いていました。出産の苦しみ・大変さ、そして喜びについてお話をいただく中で、命の尊さや生まれてきたことの奇跡、そして自身の親への感謝の気持ちを新たにしている生徒が多かったようです。


PMセッション:赤ちゃんとの交流会~育児を体験する~

今回の行事の趣旨にご賛同いただいたお母さん方にご自身の赤ちゃんを連れてきてもらい、本物の赤ちゃんとふれあう機会を持ちました。各クラスに2~3名の赤ちゃんに来てもらいました。それぞれのお母さんから妊娠・出産時のエピソードを伺ったり、名前の由来や好きな遊びなどを教えていただきました。赤ちゃんの月齢は、大きくても1歳にやっとなったばかりといったところ。中にはまだ生後2か月の子もいました。

高校一年生の生徒諸君にとって、普段身近に赤ちゃんと触れ合う機会というのはなかなかないものです。慣れない所作の連続に悪戦苦闘しながらも、赤ちゃんを慎重に抱っこさせてもらい、泣いてしまった子を懸命にあやす姿は、大変微笑ましいもので、「頼もしいお兄さん」、はたまた「優しいお父さん」の顔をのぞかせていたように感じました。中には、白湯を飲ませる体験をさせてもらったり、おむつ替えをさせてもらったりした生徒もいたようです。


以下、生徒のコメントを紹介します。

A君

今日の学年の日を通して、お母さんに対してもっと感謝をしないといけないな、と強く感じました。事前学習から当日まで、様々な資料を見て、貴重なお話を聞いたことで、出産はまさしく命がけであり、さらには命がけで出産した後も長い育児がある、ということを知り、母親になるということはとても大変で覚悟のいることなのだと感じました。また、映画「生まれる」や助産師の方のお話を聞き、自分が産むわけではない男は、父親という自覚が産まれるまでわきにくいのだな、と思いました。しかし、今回の学年の日で学んだことを生かして、自分が父親になるときは、ちゃんと自覚を持って奥さんの手助けをしていきたいです。助産師さんのお話の中で印象に残ったのは、「なんでもほぼ完璧がよい」ということと「自分の居場所を見つけるとよい」という2つのことです。僕は割と完璧を目指すタイプだったので、「ほぼ完璧」の方がよい、というのは目から鱗でした。「完璧」を何事にも求めていると、息切れしてしまい、結果的に中途半端になってしまうので、これからもっと肩の力を抜いて、何事もこなしていきたいです。また、「自分の居場所」があればたいていのことはどうにかなると思うので、「自分の居場所」を大切にしていきたいです。今まで僕は、子供はほぼ100%産まれてくるものだと思っていましたが、それは日本の医療がとてもレベルが高いものだから、ということを知り驚きました。どこか「出産はそこまで大変ではないだろう」という思いがあったのですが、学年の日を通して子供が産まれるのは本当に奇跡なのだなと思いました。最後に、男子校でこのような経験ができたのは貴重だと思うので、これからしっかりと生かしていきたいです。

 

B君

今回の「学年の日」は僕にとって忘れられない一日になった。事前学習では寝る間も惜しんで妊婦さんのサポートをする助産師さんがいるということを知って、この仕事をずっと続けられるというのはすごいなと思い、中山めぐみ先生の話では、実際に出産を体験したからこそ言える出産の痛みや、妊婦さんが妊娠中、とても苦労しているんだということがとてもよくわかりました。映画『うまれる』では、様々な夫婦の姿が描かれていて、出産するということ、子どもを育てるというのが、どういうことなのかなどがとても具体的に描かれ、夫婦が抱える悩みもありのまま伝えられていたので、自分も将来そういったことを体験する時が来るのかな…と感じました。

そして、当日、助産師さんが来てくださって、僕たちの疑問になるべく多く答えてくださった。僕は兄弟がおらず一人っ子なこともあり、あまりこのような話は知らないことが多く、興味を持った。

最後の赤ちゃんとの交流会はとても新鮮だった。テレビでは赤ちゃんとを見ることはあっても、あそこまで近くで本物の赤ちゃんを見たことがなかったので、わくわくした。抱っこして近くで見るととてもかわいかった。なぜ親が子どもを大切にするのかがすこしわかったような気がした。昔、自分もあんな風だったのかと思うと少し笑ってしまった。

今回、「学年の日」が無かったら、僕が生まれて数カ月しかたっていない赤ちゃんと交流することはできなかったと思う。貴重な体験ができたので、とてもよい一日になりました。

 

C君

実際に助産師さんが来て話をしてくれるというのは、最初の方に話されていた通り、僕たち男子高校生にとってとても貴重であり、滅多にないことだと感じた。助産師さんの映像を見た時から、助産師という職業は数多くの妊婦さんたちに自らの時間を多く削って向かい合っていくものだというイメージが強くついていたので最近はちゃんと寝る時間を取れていると聞いた時は何か安心した。妊婦に真剣に対応するということがどれほど大変な事かは妊娠・出産する際に何が起きるか、何をすべきかという今日の話でよく分かった。というのも、流産であったり妊娠する以前の話に始まり、望まずに妊娠してしまい高い金を払って中絶せざるを得なかったケース、僕らと同じような年齢で家庭を築くことを望んだりなど、実際に経験されたケースや事例を用いて多くの問題点や難所にまで話があった。こうした妊娠や流産、女性の身体にまつわる事だけでなく、出産に立ち会う際に男側はどうあるべきなのかなど、一見今は関係のないような話でも将来経験するかもしれない事についても色んな話があって他人事ではなくいくつかは自らも体験することなのかと感じた。

赤ちゃんと触れ合う機会をもったのは初めてで何か小動物を見ているような気がしたのと共に、簡単に傷つけてしまいそうでとても不安になった。実際、自分の体の上にのせてみるとより一層なんだか人ではない何か別の小さな生き物のように感じた。ビデオや助産師さんのお話しであったように、妊娠してから出産までどのような危険やリスクが伴うか、出産の後も育児があったりと大変なことが多く重なる妊娠・出産だけれど、その後にあれほど小さく儚い命を手にするのであればしっかりと、自分であれば男として真剣に向き合っていかなければならないなと感じた。

 

D君

助産師さんや赤ちゃんを連れてきてくれたお母さんたちに感謝したいです。とてもためになったと思います。テーマを聞いて僕が最初に思ったことは「つまらなそう」「だるい」といったものでした。正直なところ,子どもが欲しいとは思っていたにもかかわらず,妊娠,出産といったものには点で興味がありませんでした。初めにビデオを見たときもそれは変わりませんでした。しかし,調べ学習や,4回の事前学習の中で徐々に僕の中で関心というものが芽生えてきました。そこで感じたことは,妊娠,出産が想像以上に大変であるということ。また,自分もそのように生まれてきたのかという実感でした。今まで,このようなことを考えていなかったということが,何か不思議に思えてきました。また,自分が将来父親になり,ビデオの中のようなことを経験するかもしれないと真剣に考えたのも今回が初めてでした。映画「生まれる」もリアリティが高く,とても興味深いものでした。

当日は,まず助産師の方の話を聞くことになりました。助産師さんは話が上手いように感じました。想像以上に関わりのある話も多く,楽しむことができました。少し聞くのが恥ずかしいような話も快く聞くことができました。本当に頼りになる存在なのだなと感じました。午後は赤ちゃんとの交流会でしたが,想像以上のかわいさにびっくりしました。自分も昔あのような姿だったとは想像しがたいです。泣いている姿も愛らしかったです。赤ちゃんを抱いて,改めて赤ちゃんが欲しいと思うようになりました。将来結婚して子供を持つというのは人生においての1つの大きな目標となりそうです。あと,赤ちゃんをふだん犬を抱いているように抱いたとき,泣き止んでくれたのがとてもうれしかったです。赤ちゃんの一番かわいいところは間違いなく手だと思います。とても良い勉強になったし,いい経験になったと思います。

 

E君

僕が抱っこさせてもらった赤ちゃんは、生後3か月ぐらいの赤ちゃんで、とてもかわいかったです。僕は姉弟や親戚の中では一番下なので、赤ちゃんを間近で見たことがほとんどなくて、どうしたらいいのか分かりませんでした。どれぐらいの力で触っていいのか分からなくて、とてもとまどいました。実際に抱っこすると、とても小さくて、軽いのか重いのかよく分からない不思議な感じでした。でも自分の腕の中でちゃんと動いていて、何よりも温かかったです。赤ちゃんに指を握ってもらえました。やわらかくて、気持ちよかったです。肌はぷにぷに、すべすべで、これが赤ちゃんなんだと思いました。

僕は子どもがあまり得意ではなく、どちらかというと嫌いな方です。それは僕が末っ子として育ったからかもしれません。今日、赤ちゃんと間近にふれあって、とてもかわいいと感じました。しかし、実際に育てるとなると、泣いたり、わがままを言ったりして、とても大変で自分にはできないと思います。自分の子どもだったら、なんでもかわいいと感じて、育てられるのでしょうか?僕には分りません。将来、家庭を持ちたいとは思っています。それは今の家族との生活が幸せだからです。でも、自分が親になる想像が全くできないので結構、不安です。

今回、学年の日を通じて、赤ちゃんの誕生、それから親になるということについても学べてよかったです。自分の将来について、もっとしっかり考えようと思いました。

 


最後に、赤ちゃんを連れてきてくださったお母さん方のコメントを紹介します。

Aさん

はじめはためらいがちだった生徒さん達が徐々に慣れてきて、たくさんかわいがってくれる様子が印象的でした。男の子も機会が与えられれば、赤ちゃんとの触れ合いをしてみたいのだと感じました。私にとっては初めての男の子育児なので、将来像がなかなか想像できなかったのですが、男子高校生もかわいいなと感じ、楽しみになりました。高校生達が赤ちゃんを抱っこして何を感じたのか知りたいと思っています。触れ合う中で、映画『うまれる』について話をしてくれる子もいました。男の子達にとって、また性別に関わらず高校生にとって、他人事になりそうな妊娠・出産というテーマについて扱うことは大切だなと思いました。今回の触れ合いが、生徒さん達が何かを考えるきっかけになってくれたら嬉しいなと思います。かわいがってもらい、ありがとうございました。お疲れでした。

 

Bさん

昨日はとても良い経験をさせていただき、ありがとうございました。娘は予想通り抱っこしてもらう時はぐずりましたが、それ以外はリラックスしていて普段通りの姿を見ていただけたかなと思います。生徒さんや先生方が「可愛い!」「(ズリ這いが)速い!すごい!」と良いリアクションをして下さったので、娘もご満悦の様子でした。

抱っこしたいと名乗り出てくれた子、泣いて熱くなった頭を「すごい!熱い!」と触ってくれた子、手足を触って「やわらかい」と優しい顔をしてくれた子、高校生の男の子がこんなにキラキラした素直な笑顔をしてくれるのかと、私が感動してしまいました。妊娠・出産の体験を話した時も、皆さん顔を上げて熱心に聞いて下さいました。きっとこれからの将来に向けて、そして身近な家族や自分の親に向けて、道や乗り物で出会う妊婦さんや子連れさんに向けて、今までには無かった新しい感情が生まれたのではないかな♪ 短時間の触れ合いがきっと生徒さんの心に、言葉にはならなくても何かしらの衝撃を与えたのではないかな♬そうだといいなあ!と思っています。先生方も色々とお気遣い下さいました。性教育にこんなに理解と熱意のある先生方が、世の中にたくさんいたらいいなと思いました。またこのような機会があったらぜひ参加してみたいです。ありがとうございました!

 

Cさん

今回、参加させて頂き、こちらがよい思い出となりました。とてもステキな場所(緑とスタイリッシュな雰囲気)で、優しいお兄ちゃん達に囲まれ、大切に触れられ、注目された体験は娘にとって不思議で好奇心いっぱいのひとときになったと思います。

この企画のおさそいを受け、「男子に赤ちゃん!」ぜひ参加したいと思いました。命の尊さは、自分が大切にされた経験を通して、人を大切に尊ぶことができると思います。生徒さんの様子から、ご家族にも先生方からも、大切にされ育ててもらった子達だなあ、感じました。実際に赤ちゃんと過ごしたひとときは、(今後いつか)その思いを忘れかけたときのストッパー(安定剤)になるのでは?と思います。自分がイヤになったり、全てうまくいかない、自分なんて!と思ったときに、ぬくもりを思い出してほしいです。また女性と触れ合うときに、その先の命にもつながっているという自覚を男性の立場で持ってほしいと思います。

抱っこには、ずっと娘は泣いていて、「自分は赤ちゃんに好かれていない」とマイナスの印象を持ってしまった生徒さんがいないか、気になりました。無表情でコトバのない生徒さんも、それぞれに感じているものがあると思います。みなさん。とても大切に娘に触れて下さいました。その様子は母として安心して抱っこして頂けました(泣いているので、私も少し焦りましたが、泣く原因や抱っこの仕方など、助産師さんがその場で仕切って見せてあげるとよかったかな?と思います。泣いていたので、母の私に託して下さいましたが、抱き方などもっと教えてあげられたり、生徒さんの不安要素をもっと減らすことはできたのでは?と、後になって思いました)。

また、生徒さんの個別テーマ研究の内容や、事前学習を経ての、赤ちゃんとの触れ合いに後の思いなど、聞いてみたいなと思いました。

最後に、学校の入り口から、お見送りまで、先生やみなさんに大変丁寧に接して頂き、ありがとうございました。案内してくれた3人の生徒さんとは、特に気さくに会話ができて楽しく安心しました。担任の先生がお写真を撮って下さり、可能であれば見たいなあと思います。

このような機会は、ぜひ続けて頂いて、高校生男子の立場で赤ちゃんとの触れ合いがその後に活きていくと嬉しいです。ありがとうございました。

 

生徒諸君へ。

今回の経験は、明日すぐに役立つ知識とはならなかったかもしれません。

でも、10年・15年後・20年後、自身が親になろうかという時に、

必ずや助けになることを学ぶことができた思います。

その時には、今回のことを思い出して、

パートナーとの関係づくり、そして育児に役立ててもらえたら嬉しいです。

 

さる10月15日~19日の日程で高2修学旅行が実施されました。

高2修学旅行は例年、4泊5日のうち前半2泊がクラスごと、後半2泊が学年全体で京都泊という行程で実施されています。

行程の概要は以下の通りです。

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◎15日(火)~17日(木)クラス別行動

A組 東京→石川(泊)→兼六園→小浜(泊)→天橋立→京都

B組 東京→城崎(泊)→神戸→大阪(泊)→造幣博物館→京都

C組 東京→金沢→石川(泊)→滋賀(泊)→大阪→京都

D組 東京→名古屋→高山(泊)→金沢→石川(泊)→京都

 

E組 東京→高知(泊)→大歩危峡→琴平(泊)→高松→鳴門→京都

F組 東京→小豆島(泊)→高松→鳴門(泊)→大阪→京都

G組 東京→しまなみ海道→道後(泊)→兵庫(泊)→神戸→京都

◎18日(金)京都班別自主研修

 

◎19日(土)京都コース別研修

比叡山コース … 比叡山延暦寺、慈照寺銀閣、清水寺

八ッ橋コース … 八ッ橋庵とししゅう館、二条城、教王護国寺、蓮華王院

トロッココース … 天龍寺、嵯峨野トロッコ列車、化野念仏寺、嵯峨野散策

伏見・宇治コース … 伏見稲荷大社、萬福寺、平等院

座禅コース … 高台寺、蓮華王院、清水寺

京大コース … 京都御所、京都大学

映画村コース … 東映太秦映画村、教王護国寺

和菓子①コース … よし廣、北野天満宮、龍安寺、鹿苑寺金閣

和菓子②コース … 老松、北野天満宮、龍安寺、鹿苑寺金閣

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各行程は、修学旅行委員の生徒たちが、クラス内・委員会内での話し合いを通じて作り上げていきます。

以下に修学旅行委員として仕事にあたった生徒たちの、旅行を終えての感想を掲載します。

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京都を、みんなで。

天気、曇り・時々雨。睡眠不足に、たまった疲労感。最悪のコンディションで迎えた、3・4・5日目の京都見学。私は、委員長でありながらも、この状況をどうすることもできず、心苦しく思っていました。せめて自分だけは、空元気でも出して雰囲気を作ろうかと、出しゃばった考えを持つほど焦っていました。しかし、そんな悩みは一瞬もかからずに消し飛びました。私はどうしたかと言えば、ただ周囲を見回しただけでした。天気が晴れたわけでも、絶世の美女が通ったわけでもなく、ただそこにあったものは、本当に楽しそうに笑っている、クラスメイト達でした。

「俺も楽しまなきゃ!」

委員として準備してきたくせに、本番で楽しめないなんてもったいない、と、私はそう思わされました。クラスみんなで行く旅行は、本当に素敵なものなのですね。

2-A 名原 知則

 

私の行動班は京都国際マンガミュージアムに訪れた。日本の漫画がほとんど所蔵されており、日本漫画の全てを知ることができる博物館だ。棚に並べられたマンガの冊数はまさに圧巻だった。やはり外国人観光客もたくさんおり、世界的な日本漫画の人気を再認識させられた。興味深かったのは年代別の日本漫画の展示である。展示されているものはどれも名作ばかりで、時代ごとの世相が反映されていたものが多かった印象だ。

電子媒体が広く普及される現代で紙の漫画がサブカルチャーとして生き続けるのは、描かれた絵やセリフに映像や写真以上の重みがあり、それでいてキャッチーでわかりやすいという特異的な二面性ゆえのものであると改めて感心させられた。立派な日本文化の1つとして確立された漫画の今まで感じられなかった新たな側面が理解できてよかった。このマンガミュージアムがもっと世界に知ってもらえることを祈っている。

2-E 荒殿 惇

 

僕のクラスは、クラス別で高知、琴平に行った。その中でも特に印象に残ったのが写真の大歩危の景色である。行った日は天気が良く、観光するにはもってこいの日だった。大歩危を流れる吉野川は透き通っており、周りの景色も最高だった。特に鉄道好きの僕には川と並行してすぐ近くを走る土讃線の風景がとても印象的だった。

遊覧船にはガイド兼船の操縦士の人がいるが、その人の話し方が特徴的すぎて、一番肝心な大歩危の話は頭を素通りしてしまった。

僕たちのクラスはアンパンマンミュージアムにも行った。高校生にもなってアンパンマン・・と思ったが、中に入ると、友達と一緒に幼稚園の頃を思い出し、想像以上に楽しかった。

桐朋生活最後のビックイベントとなったが、色んな思い出が残り、最高だった!!

2-E 角田 一騎

 

僕達のクラスは、クラス別行程で名古屋、高山、白川郷、金沢、福井、琵琶湖に行きました。写真は金沢市の”ひがし茶屋街”で撮ったものです。行程では、金沢市内は班別行動となっていて、ひがし茶屋街に行く班もあれば、近江町市場、金沢城に行く班もありました。ひがし茶屋街や高山市内は古い街並みが残っているということで、修学旅行に行く前からそのような街並みの写真を撮ろうと決めていました。高山市内の写真も撮ったのですが、ひがし茶屋街の写真の方が雰囲気が出ていたので、こちらの方の写真を選びました。

修学旅行委員としてこの旅行に関わり、全体でも班別行動でも、生徒が各自でこの旅行を楽しんでいたのではないかと感じました。最後に、このクラス別行程はロング・ホームルームなどでクラスの人達が協力してくれたからこそ出来上がったものだと思います。クラス全員に感謝したいと思います。

2-D 川﨑 一生

 

 

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