中学1・2年生は、10月中旬にクラス単位の1泊旅行「クラスの日」に出かけます。宿泊先や見学先などは係の生徒が企画・立案の上、クラス内の話し合いを経て決定され、クラス担任はそのサポートをします。
係の生徒は夏休みくらいからその準備にあたります。限られた予算の中で充実した旅行となるよう、クラス内の話し合いも真剣そのものです。(M.I)
さる7月17日~20日に中学2年生の林間学校が尾瀬で実施されました。
コロナ禍のなか、ここ数年見送っていた山小屋での宿泊もおこない、本校が数十年間にわたり実施してきた形式に戻りました。
美しい湿原を擁した尾瀬は例年多くの観光客が訪れるところですが、その自然環境を保全するには相当の努力と心がけが必要となります。本校では、尾瀬林間学校実施に向けて、生物や地理の授業等を通じて尾瀬特有の自然環境とその大切さを学びますが、あわせて、入山に先立ち、地元の群馬県立尾瀬高等学校のご協力を得て、尾瀬の自然環境保護に関する事前学習の機会をいただきました。
地元の中学生・高校生が明確な問題意識・目的意識を持って尾瀬の自然環境の大切さを学び、これを次の世代へ引き継いでいくため様々に活動していることを、生徒たちは知りました。
本年度は、群馬県が企画する「尾瀬ネイチャーラーニング」というプログラムにも参加しました。資格を持ったガイドの方1名が生徒8名を引率する形で尾瀬ヶ原への実踏をおこない、尾瀬特有の地形や植物・昆虫などについて解説していただきました。入山に伴い、尾瀬ヶ原近くの山小屋に1泊します。生徒たちは「歯磨き粉は使用不可」「お風呂も原則我慢」という体験をしましたが、綺麗な湿原・貴重な生物を実際に自身の目で見て、これらの取組はこの環境を守るために必要なことであることを実感してくれたように思います。
そして何より、都会では見ることの出来ない美しい自然を多くの友人たちと一緒に満喫したことを「一夏の思い出」にしてもらえればと思います。行事の企画・運営にあたった林間委員の皆さん、お疲れ様でした。(M.I.)
去る6月の上旬、短期特別講座にて「梅干しづくり」を行いました。本校がある国立市内には「谷保天満宮」があり、境内に梅林がある所以から、市内の農家さんが連携して梅を育てているそうです。
今回は梅干しづくりを通して、自然と共に形作られてきた日本の伝統的な食文化を体験すること。また、豊かな国立の農業を知ることを講座の目的としています。講座の前半は本校家庭科教員による「梅仕事」のレクチャーと活動。後半は国立市内の農業をサポートし、さまざまな取り組みをおこなっている「NPO法人くにたち農園の会」副理事長で本校OBの武藤芳睴先生にお越しいただいての講演会という盛沢山の講座となり、中1から高3までの36名の生徒が参加してくれました。
- 追熟前の梅
- 講座当日の追熟した梅
【前半「梅仕事」】
この時期にしか摘果できない「梅の実」は、国立市内の農家さんを中心に地産地消を大切に運営している八百屋さん「しゅんかしゅんか」さんより仕入れさせていただきました。講座当日には文字通り「いい塩梅」に追熟ができ、家庭科室いっぱいにいい梅の香りがひろがる中での梅仕事になりました!
- よく消毒して梅のへたを取ります。
- ジッパー袋に梅と計量した塩を入れます。
【後半「国立の農業」】
「NPO法人くにたち農園の会」副理事長で本校OBの武藤芳暉先生にお越しいただき、国立市の農業について、またご自身の「くにたち農園の会」での活動についてお話いただきました。生徒にとっては毎日通う学校のある国立市ですが、こんなにも豊かな農業の環境があるとは知らなかった生徒も多く、武藤先生のお話をとても興味深く聞いている様子でした。講演後には、生徒から次から次へと質問が飛び交い、とても豊かな時間となりました。幅広い学年から寄せられた、生徒の感想を紹介します。
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以前地域のサークルで似たような畑、田んぼの体験をしたことがあったので、(武藤先生のお話は)とても親近感がありました。楽しかったです。(NPOの取り組みで紹介されていた)どろんこあそびもやってみたいです!(中1)
コロナの影響もあり、調理実習的な授業は小学校以来6年ぶりだったので楽しかった。自分は進路選択もひかえているので、国立市で活躍するOBの話がじっくり聴けたのも思いがけない収穫だった。また似たような企画があったら積極的に参加したい。(高2)
先日の特別講座では梅、梅干しに関するお話のみではなく、国立の農業(どんなものが生産されているか、また今の農家が抱える問題など)についてもお話をしていただいたことで、梅やそれに関係する理解をより深めることができました。農業や植物などは自分の志望する方向ではありませんが、他の分野も学ぶよい機会となりました。(高3)
先日無事に1学期の終業日を迎え、1カ月半塩漬けにした梅がとてもよく漬けあがりました。参加生徒に配布して、各家庭で土用干しの作業を進めます。いい梅干しに仕上がりますように!(M.N)
中学1年生の英語の授業では、AIが英語の発音を自動採点してくれるELST®を用いた音読練習を取り入れています。今回の授業ではそのアプリを利用するためのオリエンテーションを行いました。今後、家庭学習において継続的に音読練習に取り組みます。初めてのCALL教室(PCで音声や画像と共に語学を学ぶ専用教室)で、様々に用意された英語音読活動を行いました。引き続き、生徒たちが自分で英語の発音の状態を確認しながら、その向上を目指し努力していくことを期待しています。(英語科 K.N)
※ELST®は株式会社サインウェーブの学習用アプリです。
- 教室で説明をの後call教室に移動します。
- 新中1生にとっては初めてのcall教室で緊張!
- 音声を聞く、話すの練習ができます!
- 慣れてきて、リラックスして取り組んでいます。
- 隣に教員の操作が見られるディスプレイが!これで操作もわかりやすいです!
さる5月9日、中学生が遠足に出かけました。
奥多摩の山々が近い本校では、毎年五月中旬に奥多摩への遠足が中学全学年で実施され、新年度スタートにあたり新しい仲間と交流を深める大切な機会となっています。ここ数年コロナ禍を受けて実施を見送ってきた行事ですが、3年ぶりに復活しました。学年ごとにコースは異なり、中1は高水三山コース、中2は大塚山・日の出山コース、中3は裏高尾縦走コースです。
- 中1 高水三山コース
- 中2 大塚山・日の出山コース
- 中3 裏高尾縦走コース
各コースの事前の下見やコース案合図・パンフレットの作成など、行事の企画・運営は教員の指導のもと生徒自身がおこないます。
当日は天候に恵まれ、高尾山山頂からは富士山を望むことが出来ました。
昼食時の生徒たちのお弁当は、どれもとても美味しそうで、あらためて、保護者の方々からお力添えを頂いていること、強く感じました。
生徒たちの楽しそうな様子は、我々教職員にとって何よりの励みです。
企画・運営にあたった遠足委員の生徒諸君、お疲れ様でした!(M.I)
この2週間で一通りの英語学習の方法を体験し、今日から英語のネイティブスピーカーとの授業が始まりました。初回の授業は、スコットランド出身の先生の自己紹介から始まりました。
続けて、イギリスやスコットランドのことを生徒たちに知ってもらおうとクイズ大会を実施しました。生徒たちはイギリス・スコットランドについて知っていることも多く、生徒同士協力して正解を目指しました。
最後に、先生に英語で自由に質問できる時間が設けられました。何とか自分たちの言いたいことを伝えようと生徒たちは頑張っていました。自分たちが想定していた以上に英語を理解してもらえたことに、生徒たちは達成感を感じていたようです。
引き続きネイティブスピーカーとの英語によるコミュニケーションの機会を用意し、学んだ英語を生徒たちが使えるようになっていくことを目指します。(英語科 K.N)
新年度が始まりました。
新入生の様子を広報部の教員からご紹介します。
中学1年生の英語の授業を見学してきました。
小学校から学び始めた英語ですが、本格的な学習はこれからです。
今日はまず「ABC song」を歌いました。
久しぶりにこの曲を聴きましたが、40年前とは節回しが異なっていて、
時代の流れを感じました。
ついで、アルファベットを書く練習です。
専用の「四線ノート」に大文字・小文字を記していく姿は、なんとも微笑ましいです。
友人同士でノートを交換し、きちんと書けているかどうか、確認し合います。
ついで「日本語由来の『外来語』を探そう!」のコーナーとなりました。
「emoji(=絵文字)」や「Karaoke(=カラオケ)」など、日本から「逆輸入」された言葉を、
友人同士で出し合って、クラス内で発表しました。
そして、授業の最後では、早速に宿題の確認がおこわれました。
学習の積み重ねが何よりも大切であるところ、中学1年生が一日も早く学校生活に慣れて、
あわせて、家庭学習の習慣をしっかり身につけて欲しいと思います。(M.I)
4月8日(土)に中学入学式が行われ、83期中学1年生の258名が入学しました。
入学式の後には、クラス毎に集合写真を撮影しました。
入学式での「校長の言葉」を紹介いたします。
「中学入学式 校長の言葉」
ここ国立も、春を彩るさまざまな花が咲き誇り、木々も柔らかに緑をまとう、まさに、「春爛漫」といったことばがぴったりの、美しく、色あざやかな景観となっています。生命の輝きに充ちた本日、新入生の保護者の方々にご臨席を賜り、桐朋中学校の入学式を挙行できますことを、大変嬉しく、ありがたく感じております。
新入生のみなさん、入学おめでとう。中学生としての第一歩を踏み出しました。
今、どんな気持ちですか。緊張とともに、晴れやかさ、誇らしさを感じている諸君が多いことと思います。
保護者の皆様方、ご子息の桐朋中学校へのご入学、誠におめでとうございます。ご子息の健やかなるご成長に寄与すべく、第83期中一学年の教員ともども、精一杯取り組んでまいります。何とぞ、私たちの桐朋教育に、温かいご理解とご支援を賜りますよう、心よりお願いを申し上げます。
さて、新入生の皆さん、一冊の絵本の紹介から話を始めたいと思います。アメリカの絵本作家、シェル・シルヴァスタイン。シルヴァスタインは、「哲学的」とも呼ぶべき、深く考えさせられる内容を、絵本という形で問いかけてくる作品をいくつも書いています。
今日、紹介するのは、「はぐれくん、おおきなマルにであう」。この作品、「ぼくを探しに」という、別の作品の続編になっています。「ぼくを探しに」とは、どんな内容かというと、円の形をした「マルくん」が、かけらにあたるミッシングピースを失ってしまいます。そのマルくんが、自分の足りない部分、ミッシングピースを探しに行くというお話です。
そして、「はぐれくん、おおきなマルにであう」は、今度は、ミッシングピースにあたる「はぐれくん」が主人公となって、はぐれくんの形とぴったり合い、自分がすっぽり収まることのできる、一部分の欠けた大きなマルくんが通りかかるのを、はぐれくんはひたすら待ち続けるという内容でして、二つの作品は対になっています。
このうち、「はぐれくん、おおきなマルにであう」を翻訳したのが、村上春樹さん。村上さんは「あとがき」でこんなことを語っています。
「missing pieceというのは、『あるべきなのに、欠けている部分』ということですね。それは、くさびのような形をしています」「どちらのお話にも共通しているのは、『自分はじゅうぶんではない』と主人公たちが考えていることです。マルくんは『自分には大事な一部が欠けている』と感じているし、はぐれくんは『自分はもっと大きな何かに含まれるべきだ』と感じています。そして、一緒になる相手を見つけようと、どちらも懸命に努力します。でもなかなかうまく相手が見つかりません。やっと正しい相手が見つかったと思っても、いろいろあって結局うまくいきません。その努力をいわゆる、『自分探し』ととらえることもできるでしょうし、自分を正しく理解し、受け入れてくれる他者の探索、ととらえることもできるでしょう。でもいずれにせよ、そういう相手は簡単には見つからないものです。僕らの人生においても、だいたい同じようなことが言えますよね」「でも最後にはいろんな経験を通して、マルくんもはぐれくんも、『大事なのはふさわしい相手(他者)を見つけることではなく、ふさわしい自分自身を見つけることなんだ』と悟ります。そしてようやく心穏やかな、平和な境地に到達します。なんだか哲学的ですね」
新入生のみなさん、みなさんがこれから過ごす中学・高校という時期は、自分の、さらには今後の人生の土台となる部分を形作る大切な時期です。今日、出逢った桐朋中学の教員、そして、何よりクラスメイトとともに、日々の学校生活や行事、クラブ活動に取り組む中で、多くの体験をし、さまざまなことを感じ、考えることで、健やかに、逞しく成長を遂げ、みなさん一人ひとりが土台となる部分をしっかりと築きあげてほしいと願っています。
そして、そうした日々の中で、さらには、そうした時期だからこそ、時に、「欠落感」、「あるべきものが、欠けている」という思いに駆られることもあるように感じます。「自分はこれでいいのだろうか」、「楽しくはあるのだけれど、何か物足りない。満たされた感じがしない」。こうした思いに駆られ、「自分探し」、「自分を正しく理解し、受け入れてくれる他者の探索」に励む時が、誰しもあるように感じます。だからこそ、本日、紹介した「はぐれくん、おおきなマルにであう」という作品が、多くの人に読まれ、大切にされているのだと思います。
絵本作家の五味太郎さん。コロナ禍となり、先行きの不透明さ、社会の不安定さが増す中、五味さんは子どもたちに向け、さまざまなメッセージを届けていました。例えば、こんなメッセージです。
「いまは、子どもも大人も本当に考える時期。『じょうぶな頭とかしこい体になるために』という本を書いたことがあるけど、戦後ずーっと『じょうぶな体』がいいと言われてきた。それはつまり、働かされちゃう体。『かしこい頭』というのは、うまく世の中と付き合いすぎちゃう頭で、きりがないし、いざという時に弱いからね。今こそ、自分で考える頭と、敏感で時折きちんとサボれる体が必要なのだと思う」
「学校も仕事も、ある意味でいま枠組みが崩壊しているから、ふだんの何がつまらなかったのか、本当は何がしたいのか、ニュートラルに問いやすいときじゃない?」
さらに、五味さん、こんな指摘もしています。
「心っていう漢字って、パラパラしてていいと思わない? 先人の感性はキュートだな。心は乱れて当たり前。常に揺れ動いて変わる。不安定だからこそよく考える」
五味さん、世の常識と思われているものに、安易に取り込まれたり、すがったりせず、自分で考え、自分が本当に理解できる、納得できることを探しています。絵本作家としてのこんな指摘も、実に興味深いと感じます。
「ちょっと格好良く言えば、絵を描くことっていうのは、描かないことがどのくらいあるかということ。描かれなかったことについて、自分では描く気がなかったことについて、気になる。お話や画面の都合上はあるにしても、本当は、画面だけの勝負じゃないんだよねっていうのは。描くときには持っておかないとね」
こうした視点を持つことは、絵を描くことだけでなく、自分を知る、自分に対する理解を持つ、さらには、その理解を深めていく上で大切な指摘だと感じます。
新入生の皆さん。桐朋中学校が大切にしていることは「自主的態度を養う」ことです。自主的とはどんなことだと思いますか。自分の意思で、自分の力で取り組むことを意味します。桐朋で学校生活を送る中で、自主的に取り組む意義・価値を、みなさんに自覚してほしい。自主的に取り組む魅力を実感してほしいと願っています。
実は、五味さん、本校の卒業生です。本校が大切にしている自主性は、五味さんの「自分」というものをしっかりと持ち、自分が納得いくまで考え続ける姿勢。自分なりのものの見方、考え方を掘り下げ、探究する姿勢と深く通じ、大いに重なっているように感じます。
五味さん、こんな話もしています。
「充足している大人は、自分からは何も言わない。穏やかに若者を見ている。ぼくは中学では体操部で、そこでも、すぐに何か言ってくる大人と、じっと見ている大人がいた」「穏やかに見ている大人は、自分からは何もいわなくても、質問されたら丁寧に答えてくれる。自分ではわからない点も、『わからない』ということも含めて説明してくれる。そういう『大人の正義』みたいなものを味わいながら、人間って成長していくんじゃないかな」
さらに、こんなことも話しています。
「いちばん必要なのは『わかっている』人ではなくて、現役でやっている人、つまり今でも、『わかろうとしている人』です」「高校のときにも、そういう『現役』の教師がいました。ぼくが変な質問をしたら、その先生もわざわざ調べてきてくれたんです。廊下で呼び止められて――そのときにはぼくは質問したことすら忘れてたんですが、一所懸命説明してくれて、参考文献まで貸してくれました。そのとき、彼がとってもうれしそうだったのを覚えています」「その人のことはずうっと好きだったし、一目置いていました」
五味さんが本校の生徒だった頃と変わらず、みなさんと「大人の正義」にあたる形で関わりを持ちながら、みなさんと一緒に、われわれ教員も「現役」として学んでいきたいと考えています。
そしてもう一つ。桐朋中学校は、「自主的態度を養う」ことに加え、「他人を敬愛する」、「勤労を愛好する」ことを教育の実践目標に掲げ、周りの人に敬意を払い、積極的に関わる行動力を持つ姿勢を大切にしています。
最初に取り上げた絵本、「はぐれくん、おおきなマルにであう」で、はぐれくんが「大事なのは、ふさわしい自分自身を見つけることなんだ」と悟るまで、はぐれくんは一緒になる相手を見つけようと、懸命に他者と関わりを持ちます。一向に相手が見つからない。見つかったと思っても、結果的に実を結ばないという失敗、挫折を繰り返しながらも、粘り強く他者と関わる体験を積み重ねます。悟る、真に理解することは、他者と積極的に関わり、行動する体験を重ねる中で、納得できる、実感が持てるようになるのだと思います。
ぜひ、桐朋で出逢った仲間とともに多くの体験を重ね、すぐに答えの見つからないような難解な問いにも、果敢にチャレンジしてください。
今年3月に亡くなった作家の大江健三郎さん。大江さん、こんな言葉を残しています。
「教わって『知る』、それを自分で使えるようになるのが『分かる』。そのように深めるうち、初めての難しいことも自力で突破できるようになる。新しい発想が生まれる。それが、『悟る』ということ」
新入生のみなさん、改めまして、入学おめでとう。桐朋での学校生活において、われわれ教員も、「現役」として、「わかろう、わかりたい」と懸命に探究を続けますので、みなさんも、みなさんを高めていく力となり、支えともなる、「自主的態度」、「他者を敬愛する心」、そして「積極的に行動する姿勢」を、桐朋生としてしっかりと身につけ、「知る」から「分かる」、さらには「悟る」にまで至る、そんな学びを実践してください。皆さんの頑張り、大いに期待をしています。
去る2月20日(月)、82期中1学年企画としてダンサー・振付家の小暮香帆さんをお招きしました。ダンスパフォーマンスを鑑賞したあと、ダンサー・振付家としての活動のことやどのようなことを考えながら踊っているのかなどについてお話をうかがいました。
生徒たちにとって日頃なかなか目にすることのないコンテンポラリーダンスのパフォーマンスはそれぞれに感じるものが多くあり、舞台での公演活動以外にも映画の振付やミュージックビデオへの出演、ファッションショーへの出演など多彩な分野でご活躍される小暮さんのお話も興味深いものであったようです。最後の質疑応答の時間には生徒たちから多くの質問があり、それぞれに丁寧に答えていただきました。
また、放課後には希望者を対象にワークショップも行っていただきました。こちらも参加した生徒たちにとっては有意義な時間となっていたようです。
生徒たちの感想をいくつか掲載します。
お話を聞いて、将来の進路には大学へ行って就職をするというもの以外にも様々な選択が出来るということが分かった。また人それぞれにそれを選択する自由があるということも分かった。パフォーマンスでは、ものすごく身体がやわらかく、それを使用して即興で踊っていると聞き、自由に自分の思う通りに踊るというのはよいことだなと思った。
パフォーマンスを見終わって、自分は先生が言うまで即興であることに気付きませんでした。また、僕はワークショップに参加しましたが、よく想像するようなダンスレッスンとは全く違う独特な内容で面白かったです。体の動かし方とつなぎ方、テンポ次第でただの決められた動きがダンスになったりすると知りました。
ダンスパフォーマンスを見る前、小暮さんのダンスとは全く違うものを想像していました。腕や足が流れるように動き、僕の知っているダンスとは違った雰囲気を感じました。
僕が知っている曲も使われていましたが、小暮さんのダンスと組み合わされて、耳から入って来る曲とプラスアルファで視覚によってまた新しい感覚で楽しめました。
その一つ一つのパフォーマンスがどのような意味を成しているのかは置いておいて、表情や動きに全くといっていいほど迷いがなく、大きな感銘を受けた。やはりパフォーマンスの中で意識していること、こんな流れを作っていけたら嬉しいなとよく気にしている事柄はあるとお話ししていた。自分も小暮さんのように何か一つ打ち込めるようなことに堂々と自信を持ちたい。
今回パフォーマンスを見て、クオリティの高さはもちろん、即興で動きを考えて踊れる事にとても驚きました。僕はダンサーという職業をあまり知らなかったので、最初はよく分からなかったけど、今回、このような機会を経て、ダンサーというのはどのような仕事か、何をしているのかを知る事が出来て、「こういう成功の仕方もあるんだな」と思ったし、また自分の知らない所で仕事をされている人の話も聴いてみたいと思いました。
80期中3学年企画として「英語のスピーチコンテスト」を実施しました。週2回分割授業の英語演習で3学期に行ったMy Treasure(私の宝物)というスピーチを踏まえ、各クラスから選ばれた合計12名の代表者が、ホールにて学年全体の前でスピーチを披露しました。各自趣向を凝らした発表に会場も大いに盛り上がり、刺激を得た生徒も多かったようです。司会も生徒がつとめ、全て英語で進行しました。最後に本校ALTのMaxさんとVickyさん、外国人講師のDavidさんからコメントいただき、発表者には賞状が渡されました。
発表した生徒の感想(抜粋)
「今回コンテストを準備していて、僕が桐朋中学を受験した2020年の国語の記述問題で『あなたの宝は何ですか』というのがあったのを思い出した。その時僕は確か「これまでの努力の象徴である、塾のカバンが宝であり、この桐朋でも大切な宝を作っていきたい」と書いた覚えがある。今回のスピーチでは、宝はA drawing of my favorite idols which my best friends drew for meとし、結論的にはMy best friends and the precious time I spend with them at Tohoが宝だとした。無意識にも3年前の文章と構成が似ていて、少しおかしくなった。また「宝」を問い続ける桐朋の意思が何となく分かった。確かに、桐朋でたくさん「宝」ができているし、そんな桐朋は「宝」だとも思う。(1組小室和之くん)」
「大勢の前で英語で発表するという経験はとても新鮮で、すごく緊張した。発表前に完全にスピーチを覚えていたにもかかわらず、ちょくちょく紙を見ないと発表できなかったのが、自分の中での反省ポイントだ。また機会があれば英語でスピーチをしてみたい。すごく楽しい経験だった。(2組TEくん)」
「授業内では緊張してしまい、あまりはきはき喋ることが出来なかったけど、本番でははっきり喋ることができました。特に意識したことは、アイコンタクトと手の動きによる表現です。流石に人が多かったので、アイコンタクトは左から右にざっと見る程度のしました。見せ方を工夫しようとしたけど、アシスタントの人と少ししか打ち合わせが出来なかったのであまり上手くいかなかったです。聴衆の反応が思いのほか良く、気持ちよく発表することが出来ました。(3組柴田敦志くん)」
「始まるまでは楽しみにしていましたが、いざ本番が近づくととても緊張しました。発表中は少し噛んでしまったが、それ以外は良く出来たと思います。大勢の前で話すこと、英語でスピーチをすることなど貴重な体験ができました。(4組渡辺州くん)」
「大勢の前で英語でスピーチをするのはブリティッシュヒルズに続いて2回目だったが、今回のスピーチコンテストの方が舞台も大きく、観客も多かったのでとても緊張した。舞台袖で順番を待っている時から心臓がバクバクしていたが、スピーチが始まると、みんなが笑ってくれたり、反応してくれたので、段々と落ち着いて発表することができた。スピーチでは聞きやすいようにはきはきと話すことと、セリフに感情を込めて話すように心がけた。緊張した成果若干スピードが速くなってしまったが、このように大勢の前でスピーチをする機会はなかなかないので、とても良い経験になったと思う。(5組田代悠悟くん)」
「今回、ネタがなく自分の寝る前に聞く曲を宝物にしたが、割としっかり内容を描くことができ、本番は予選よりスムーズに発表することができたと思う。また実際に音楽を流してもらうことでイメージを浮かべやすくすることができて良かった(私の仕様の確認不足により、いきなり最大音量で流してしまった点は申し訳ない)。スピーチコンテストに向けて準備してくださった方々に感謝したい。(6組TKくん)」