お知らせ
2022年度 短期特別講座
2022年度の特別講座では、これまでの連続講座とは別に、各1回短期集中型の講座を数多く実施しました。授業では取り上げることのできない教員の専門分野の研究もあれば、一風変わった趣味や雑談から発展したテーマまで、多様な講座が開かれました。生徒たちも、日頃の授業では聞けない面白い話や、いつもと違った角度から考える問題などに興味を持ち、放課後の教室は希望する中高生でいっぱいになりました。この一年で15講座が開講されました。
(1)リモート望遠鏡を利用した天体観察と大学の天文研究の紹介① 6/14
「望遠鏡の制御システムの開発と金星の観察」
天体望遠鏡の原理と仕組みについて学びつつ、東京学芸大学の40cm望遠鏡のシステム開発について紹介する。天気が良ければ、40cm望遠鏡を遠隔操作して、青空の中の金星を観察する。
(2)リモート望遠鏡を利用した天体観察と大学の天文研究の紹介② 6/15
「月の岩石」
月の表面は、どのような岩石で構成されているのだろうか。月の岩石の種類や地球の岩石との比較から示唆される月の形成過程(ジャイアント・インパクト説)について解説する。また、東京学芸大学40cm望遠鏡で撮影した画像をもとに、月面の岩石の組成分布を調べるための観測について紹介する。
(3)ヒラメの左右非対称性と進化の謎 9/20
左側に目が二つあるヒラメがどのようにしてヒラメになっていったのか?その進化の軌跡をたどる。
(4)美術館・博物館を考える ~その建築と展示を中心に~ 9/27
そこに展示されている物ではなく、美術館や博物館というものそれ自体に目を向けてみませんか。
(5)光でナノスケールを『見る』 10/4
光学顕微鏡をどんどん高性能にしていけばやがてどんな細かいものでも直接見られるようになるのだろうか。この問いに答えながら先端の顕微分光手法の一例を紹介する。
(6)団地男子 11/4
あの日も今日も憧れの団地ライフ~やや忘れかけていた昭和のノスタルジー~
(7)語源・字源を探る 11/11
breakfastはなぜ朝食? 乳(チチ)ある人をなぜハハと言うの? 民主主義の民の字源は? 言葉の起源には多くの「へぇ~!」が隠れています。
(8)みんな知らない山下亀三郎の世界 11/18
桐朋の前身山水の原資1000万円の出資者山下亀三郎。政界・外交の裏で動く「人たらし」山下亀三郎通になりませんか。
(9)ゲーム音楽の技術 11/25
テクノロジーの進化からゲーム音楽の変化を考察する。またゲーム特有の音楽表現 「インタラクティブミュージック」について解説する。TV ゲームを楽しむ視点を提案するだけでなく、メディアアートに興味を持つきっかけとなる講義を目指す。
(10)4次元ポケットと幾何学 11/29
4次元ポケットから出したどら焼きはあまりおいしくないかもしれない、という考えを通じて、幾何学の世界を覗く。
(11)タクコと私 ~カレーなる人生~ 12/2
日本人の食文化に深く根付いているカレーについて、極私的経験も交えつつ文化的・社会学的見地から考察する。
(12)なぜ今『すずめの戸締まり』か ― 新海誠作品の原点と現在 2/17
社会現象ともなっている新海誠作品は、何をどう描き出し、なぜ私たちの心をひきつけるのか。最新作『すずめの戸締まり』と最初の一般公開作『ほしのこえ』を中心に共同研究したい。
*『ほしのこえ』(25分)については、参加者が事前に鑑賞できるよう、機会を設けます。
(13)①暗号理論と素因数分解 ②行列と連立方程式 2/21
2つの話題を扱います。
前半は、現在使われている暗号が、素数や素因数分解の理論と密接にかかわっていることを紹介します。暗号にする方法は公開し、それを解くことは作成者にしか分からない…不思議ですね。
後半は、実際に手を動かして、行列を用いて連立方程式を解いてみましょう。
放課後のひととき、一緒に数学に触れる時間を共有してみませんか。
(14)ロシア=ウクライナ戦争 ~歴史・地政学から考える~ 2/24
2022年2月24日にロシアがウクライナに侵攻してから1年。なぜ戦争が起きたのか、その背景を歴史や地政学の点から考える。
(15)ゲノム編集と次世代シーケンサ 3/3
2010年代、バイオテクノロジーに二つの大きな革新があった。個人の遺伝情報を全て明らかに出来る次世代シーケンサーとその遺伝情報を書き換えることが出来るゲノム編集だ。これらの技術は私たちの社会を確実に変えていくだろう。本講義ではその仕組みと社会的なインパクトの一端を簡単に紹介する。また、ガンダムSEED、ナウシカという作品についても触れ、こんな世界がやってくるかもという妄想の話題もしたい。