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第5回 78期数学コンテストの解答

2
Feb
26

先日掲載しました『第5回 78期数学コンテスト』記事内の問題に対する解答です。コンテスト終了に伴い公表いたします:

<問題3>
nを自然数とし,次の条件を満たす を見つけることを考えます。

(条件)n×2020 は2つの連続した自然数の積で表現される。

この条件を満たす明白なnは,n=2019 やn=2021 ですが,
n=5 のときも,
5×2020=100×101
と書き換えられるので条件を満たしていると言えます。これは興味深いことです。
では,2019未満の自然数nのうち,条件を満たす最大のnを求めてみてください。

[問題3の解答]
2020=2×2×5×101と素因数分解できることに注目します。
これらの素因数のうち,比較的大きな素因数101を利用します。
もし,2020=m×(m+1)と(mは自然数)表記できる場合には,mまたはm+1は素因数101をもたなければなりません。そして2019未満のなるべく大きな自然数で,101の倍数を検討すると,2020-101=1919があります。
1919=101×19,1920=3×5×(2^7)ですので,m=1919とすれば,m×(m+1)には2020の素因数がすべて充分に登場し,等式
1919×1920=1824×2020
を得ます。したがって,答えは1824です。■

[問題3の講評]
誤答で多かったのは126ですが,これは惜しい答えです。意外と大きな数が答えになります。23名の生徒が正解しました。

<問題7>

学習したように,√2 を小数で書き下すと,
√2=1.4121…
となります。循環のない無限小数です。ところで,
√55=7.4161…
ですので,√2と√55では小数第1位と小数第2位が一致していることが見てとれます。 また,
√180=13.4161…
であるので,√2と√180でも小数第1位と小数第2位が一致していることが見てとれます。
さて,そこで, 次の条件を満たす最小の自然数n(ただしn≧3とする)を求めて下さい:

(条件)√nと√2は小数で書き下したときに,小数第1位,小数第2位,小数第3位,小数第4位が一致する。

※なお,この問題は電卓があると解きやすいと思われます。使用する電卓については根号機能は必要なく,掛け算機能のみあれば充分です。

[問題7の解答]
√n≒m+√2(mは自然数)と近似ができるはずですので,両辺を2乗して,
n≒m^2+2+m×2√2
となります。ここで,m^2+2は整数ですから,m×2√2をなるべく整数値に近づけることを考えます。
たとえば,m=6のとき,6×2√2=16.97…で整数値17に近いですが,n=6^2+2+17=55で得られるn=55は,問題文中の例にあるとおり,
√55=7.4161…としかならず,√2とは小数第1位と第2位しか一致しません。
そこで,電卓をさらに叩き,m×2√2がより整数値に近づくところを探していくと,
35×2√2=98.9949…という整数値99に極めて近い数値を得ます。これに対応するn=35^2+2+99=1326が,
1326=36.41428…という√2の小数部分の充分な近似を与えるため,n=1326が答えです。■

[問題7の講評]
この問題には17名が正解しました。プログラミングを組んだ生徒もいれば,驚くべきことに完全に手計算で解いた生徒もいました。また,nに関する「法則性」により解答にたどりついた人もいます。解法は多種多様のようで,上に掲載したのはその一例です。

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