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化学グランプリで和氣君(高3)が大賞を受賞!

10
Oct
21

通称「化学の甲子園」で快挙

夏に開催された化学グランプリ2015(日本化学会主催)において、和氣拓海 君(高校3年E組)が大賞を、曽根佑介 君(高校3年G組)が銅賞を、藤田創 君(高校3年G組)が日本化学会関東支部 支部長賞を受賞しました。

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左から藤田君、和氣君、曽根君。桐朋の丘にて撮影。

 化学グランプリには筆記の1次試験と、実験とその考察からなる2次試験があります。
今回の2次試験では、「界面活性剤によるミセルの生成とそれによる化学的効果」が題材になりました。
 化学グランプリに向けて桐朋化学部では7月11日、12日の朝は8時半から夜7時までOBの大学生も講師として招き、強化勉強会を行いました。
 グランプリに参加した3名から言葉をもらいました:

失敗を恐れず、中高生のときにしかできないことを

 中高生でいる間に何かやってみたいと思う後輩の背中を押すかもしれない話を2つ用意しました。
 1つ目は中高生とは、中高生本人が思っている以上に特別な時期だということです。私がこのことに気づいて、後に悔いを残さないように化学グランプリに出場しようと決意するきっかけになった言葉なのですが、ある大学生は、「自分が特に後悔していることは中高生の間に中高生でしかできなかったことを何ひとつしなかったことだ」と言っていました。また、ある桐朋のOBの起業家は「中高生だからこそ許容してもらえることはたくさんあるが中高生はその価値に気付けない」と言っていました。少し趣旨からは外れますが、ある大学准教授は、「君みたいな高校生がやってきて、研究室を見てみたいと真摯に相談に来たなら、とてもうれしく思う。君だって小学生が桐朋に憧れて見に来たらうれしく思うだろう」と言っていました。科学の大会は基本的に中高生しか出られません。これらの言葉がなければ私は化学グランプリに出場せず、後悔していたかもしれません。
 大抵は失ってから気づくのですが、基本的に社会全体が中高生のすることに寛容ですし、中高生にしか門戸の開かれていない大会やイベントが山ほどあります。社会が中高生に向ける期待は思いのほか大きいのです。今しかできないことを探しましょう。ぜひ、学校にある、大会、イベントの掲示ポスターを探して下さい。
 2つ目は科学の大会限定の話ではありますが、世間一般で思われているよりも、こうした大会では記念受験など、軽い気持ちで来る人が多くいるので、参加をためらうべきではないということです。例年、化学グランプリ全体の平均点は二次選考進出者の平均の半分程度で、参加者の多くは2次に進むことができません。私が中学時に受験したジュニア数学オリンピック(JJMO)では百人単位の0点の人がいました。別に、予選に落ちても恥ずかしがる必要はないのです。しかし、私はJJMO本戦に進むことができなかったのを恥ずかしく思うあまり、しばらく他の大会へ参加するのを敬遠していた時期がありました。今回恐れずに参加を決意できたのは失敗を恐れないタフさを身につけたからでした。それは、失敗を許容してくれる桐朋の自由な校風の中で育まれたのだと私は思います。ありふれた話ではありますが、負ける恥を恐れていたり、失敗を怖がっていたりしてもチャンスはやってこないのだと強く実感させられる貴重な体験でした。
高校3年E組 和氣 拓海 君

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【左】9月26日に化学会館にて行われた授賞式      【右】授賞式で感想を語る和氣君

2次試験は大学の実験室で

 僕は中学3年の時から毎年グランプリに参加してきました。最初に受けた時はこんなに複雑なことを題材としているのだと思いました。しかし、同時に面白そうな内容だと興味を持ち、より化学を学んでいくきっかけとなりました。それから毎年受験し、今年ついに2次試験に進むこととなりました。2次は名古屋大学での実験試験。大学という研究の最先端が進む場所で実験というのはめったにあることではなく、その後の見学、参加者同士の交流も含めて有意義な体験をさせて頂きました。僕自身の結果は銅賞と、最善を尽くせなかったという気持ちは残りましたが、参加してよかった、学ぶのみでなく楽しめたと思っています。また、今回の結果を受けて自分の新たな課題を見つめ直してより多くの事柄を学んで吸収していきたいと考えています。最後に協力、応援をして下さった先生、先輩、友達にも感謝を伝えたいと思います。
高校3年G組 曽根 佑介 君

化学を志す仲間がいたから

 僕は文系や理系という括りがあまり好きではありません。高校生活を通して化学に限らず、英語劇や模擬国連などのいわゆる「文系的」なことにも取り組んできたのはそうした文理の区別に対する疑問を持ち続けてきたからだと思います。
 桐朋の環境はひとことで言うと、リベラル・アーツに近いと思います。発展的な内容でも先生方は丁寧に説明して下さり、様々な分野で秀でた仲間たちがいます。だからこそ、自分のやりたいことを好きなだけ追求出来たのだと思います。
 和氣君と曽根君はよき仲間として、そしてライバルとして共に切磋琢磨してきました。将来は化学を軸とした学際的な研究に取り組み、研究を通して2人と協力していければ素敵だなと思います。
高校3年G組 藤田 創 君

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