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77期高2修学旅行記 F組クラス行程編

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Feb
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F組のクラス行程を決めるにあたって、大きな柱としたことは修学旅行は「修学」旅行にする必要はないという点です。要するに、勉強の延長線上のような行程にはしない、ということです。クラスの話し合いの中で多くの意見が上がりましたが中でも根強かった意見は「讃岐うどんを食べたい」「渦潮が見たい」「アスレチックに行きたい」というもので、この3つの需要に応えられるような行程を組みました。

◆一日目
1日目は、7:30に東京駅に集合するというハードなものでした。私達F組は遅刻の多い77期の中でも有数のクラスであり、全員の時間通りの集合は正直厳しいかなと思っていました。実際にかなり早い時間で遅刻するかもという友人が出てきて心配しましたが、さすが我ら桐朋生「やるときになったらやる」の精神で見事に全員そろっての出発となりました。
3時間ほど新幹線で揺られ新神戸駅へ到着しました。私はもう少し都会のような駅をイメージしていたのですがさすが神戸というべきなのでしょうか、ホームから山肌が見え驚かされました。また、空気が東京・鹿児島とは全く違う異国感のあるもので圧倒されました。やはり、モダンな都市神戸といった印象をホームに降りただけで感じました。その雰囲気作りに一役買っていたのは駅のこの時計かもしれません

修学旅行においてはじめての滞在地は六甲山牧場でした。六甲山牧場では2班に分けてステーキと散策をしました。ステーキはスープ→サラダ→ステーキ+ごはん、とコース形式で非常に満足のいくものでした。また、担任の先生イチ押しのぶどうジュースもそれを引き立てるのに一役買っていました。ステーキがおいしかったということは勿論ですが、中でも驚かされたのはブロッコリーでした。バターの味が効いていて、噛むとそのバターの味とブロッコリーの味がジュワァ~と染み出てきて今まで食べた中でも最もおいしいブロッコリーでした。

その後散策と相成りました。私はかねてから六甲山牧場に来たらアイスクリームを食べようと心に決めていましたので初めにアイスクリームをいただきました。やはり牧場で食べるだけあっておいしいものです。その後、友人数人と散策をして回ったのですが、六甲山牧場の羊は本当に面白かったです。というのも、無心に、ただひたすら、もくもくと、本当にひたすら、草を食べているのです。喧嘩をしたり寝ていたりということは少なく、本当にただひたすらに草を食べており本当に面白かったです。いわゆるシュールな笑いというものでした。

続いて六甲山アスレチックに行きました。当初雨予報が出ており心配されましたが全く問題ありませんでした。私は基礎体力がなかったので心配しましたが、あまり体力を使わなくてもできるアスレチックがありました。

六甲山アスレチックに想像以上に時間をとられてしまったため、次に訪れた異人館はなかなか滞在時間が短く、私たちの班は建物に入ることは断念しました。しかし近くのスターバックスコーヒーでコーヒーを楽しめましたし、東京とは違うより優美なデザインの家々を見て回ることが出来たので、大変満足しました。
体力に自信のあるものは水上アスレチックに挑戦していました。ここで我々は、大変珍しいものを見ることができました。我々の担任は大人気のI先生なのですが、彼がこの水上アスレチックで落ちる人々を眺め、煽りながら、本当に心の底から爆笑していました。私は、基礎体力の重要性と先生の心からの爆笑を見せてくれたアスレチックにつくづく感謝しました。

(なかなか美人の)バスガイドさんによるガイドを聞きながら神戸の街を回りつつ1日目の宿へ到着しました。1日目の宿は須磨寺に近く歴史のあるお宿です。クラス行程の中で最も大きい部屋に泊まれる宿で期待通り立派な床の間がお迎えしてくれました。
夕食は以下の写真のようなものでした。中でもトンカツは想像以上においしく驚かされました。また、すき焼きもやはり東京とは味が違うように感じました。

私自身久しぶりの校外宿泊行事ということで想像以上に疲れがたまっており、温泉と布団でゆっくりと休みました。

◆2日目
前日須磨寺の方へは行く時間がなかったので朝行こうと思い立ち、友人と連れ立って朝風呂&朝散歩と相成りました。朝風呂には意外と多くのクラスメイトが来ており皆立派なものだと感心しながら入浴していました。


宿の玄関を出てすぐのところに桜の木が植わっていて大方葉を落としてしまっていたのですが、1本だけ10月というのにもかかわらず花を咲かしているものがありました。なかなかの若木だったのでまだまだ社会経験が足りぬなどと思いながら須磨寺へと歩みを進めていきました。朝早かったのでその雰囲気だけでも味わえたらよいなという程度の期待値だったのですが、本堂も拝むことができ、本当にお経をあげている近所の人であろう人を見かけ、宿周辺の人の暮らしを垣間見ることが出来ました。また、私たちの宿泊している宿の目の前には池があり、その池に宿が映り大変感傷的な造形美を生み出していました。
眠気眼の人もいるなか朝食になりました。朝食で驚いたものは2つありました。1つ目はだし巻き卵で、きちんと出汁がしみ込んでいて噛むと染み出てくるみずみずしい卵焼きでした。2つ目は豆腐でした。私は豆腐というものはたいてい夜時に食べるものであろうと思い込んでいたので、まさか朝食に豆腐が出てくるとは、とかなり驚かされました。

明石海峡大橋を渡り淡路島へ。当初寄る予定ではなかった淡路島のパーキングエリアに寄り、どこか現実味を帯びていないくらい恐ろしく大きな橋とその先に広がる近畿の大都市圏を見渡しました。

続いて鳴門うずしお観潮船に乗り渦潮を見ることになりました。皆、スマホで動画を撮りつつ、船のヘリから身を乗り出すように渦潮を見ていました。私はこの渦の力というものはどれくらいなのだろうかと疑問に思っていたのですが、たまたま海上にどこから来たのかドンブラコッコと細長い木の板が流れてきました。それがゆっくりと渦の周りを回り始めたかと思うと、どんどん速度を上げ最後の方には木の板が上向きに立ったような状態になって海の底へと沈んでいきました。こりゃえらい水流だなと感心していました。観潮船の港では多くの釣り人が釣り糸を垂らしていました。聞くところによると、鯵や鯛が釣れるそうです。確かに鳴門の鯛は有名だなと思いつつ、こうしてのんびりと釣り糸を垂らして余生を送りたいものだと50年後の自分に思いをはせました。

その後、さぬき市へ移動し自由行動となりました。私達の班では、タクシーの運転手さんにお勧めのうどん屋を聞こうということにしていました。その運転手さんが進めてくれたのが源内といううどん屋さんでした。入ってみると本当に地元密着のうどん屋といった感じで「〇〇の息子の調子はどうだい」といった会話がつねになされているような感じでした。タクシーの運転手さんが「源内はおでんがうまい。その中でもこんにゃくがうまい」と言っていたのでおでんに挑戦しました。こんにゃくにもよく味が染みていて、満点のおいしさでありまさに堪能しました。驚いたことは「からし」が思ったよりも辛くなく、どちらかというと「甘い」という形容詞が似合うような味でしたが、それが本当によくおでんにあっていました。待ちに待ったうどんが到着しました。私は王道のかけうどんを注文していましたが、その味もまさに満点・堪能・感動といった味わいで特にこの出汁と天かすの組み合わせが完璧であり一口ずつ感動しながら味わいました。

帰りには坂を下ったところにある洋菓子屋さんでシュークリームを食べました。贅沢な時間という形容詞がぴったりののんびりとした時間を過ごすことが出来ました。

続いて、大塚国際美術館へと行きました。なるほど国立公園の山をくり抜いて作ったというだけあって建物・展示品ともに素晴らしく、「これは世界史の教科書で見たことあるっ!」「こっちも観たことあるっ!」とクラスの友人たちも声を上げながら楽しんでいました。何より撮影が可能であるということに驚きました。皆思い思いの絵を写真に収め、デザインに優れたお土産を購入し大変満足そうな表情をしていました。私が驚いたことは何といってもバスでした。大塚国際美術館の近くには駐車場が少なく、少々離れたところに一般の人は駐車します。そしてそこからシャトルバスに乗ってやってくるのですがそのシャトルバスのデザインが大変に現代的で、こんなバスが東京でも走ればよいのにと思いました。また、運賃箱のついていないバスというものも新鮮なものがありました。

続いて2日目に泊まる旅館に入りました。こちらの旅館は目の前に海が広がりまた、大変新しい建物でした。そして入ってすぐのところに鯛のいけすがあり立派な鯛たちが泳いでいました。印象的だったのは鱧で少し高いところに窮屈そうに収まっていたのですが、何かを察したような微妙な顔をしておりました。不謹慎ながら面白いなと思いました。

夕食は鯛とマグロの刺身を筆頭に料理が並びました。中でも鯛とマグロはいずれも厚さが1.5㎝ほどありました。鯛はこれぞ鯛という鯛らしい味が通常の刺身の何倍も入っているような大変濃厚なもので、身が引き締まっていてこれぞ鳴門の鯛といった印象を受けました。1.5㎝もあると硬いのではないかと身構えましたが全くそんなことはなくうずしお観潮船で思い描いた期待値にしっかりと答えてくれる味わいでした。

 

◆3日目
朝日が見えるのではないかと期待し、朝風呂へ向かいました。浴室へのドアを開けるとまさに日の出のクライマックスで浴室からは鳴門橋と海と朝日というこれ以上求めるものがないと言える絶景の中で湯船に浸かっていました。その後朝散歩へと出たのですが想像以上に多くのクラスメイトが朝日と興じていて興味深く思いました。

続いて朝食と相成りました。前日はしゃぎ過ぎたのでしょうか10分ほど遅刻してきた部屋がありましたがその他問題はなく、赤々と朝日に照らされる中の食事となりました。朝食で驚いたことは朝食に鯛の切り身の塩焼きが出たことで、まさかそのようなものを期待していなかっただけにおぉやるなぁと感心しました。また、昨日に引き続き豆腐が出ていきました。なるほど、関西圏では豆腐を朝食べる文化があるのかと学びを得ました。

鳴門を出発し、元来た道を帰る形で本州へと戻りました。本州について初めて訪れたのは橋の科学館という明石海峡大橋の建造に関する資料を展示している施設でした。ここでは副館長さんから直々に説明を受けた後、実際に管理会社の方から橋の観光化という話を受けました。これは大変興味深いもので私たちの身の回りにある公共施設を観光施設として活用しようというもので、明石海峡大橋でもその取り組みをしているとのことでした。そう言われて講義室の窓から明石海峡大橋を眺めると、均一にロープが張られ雄大でどこか美しい大橋の姿がありました。

明石海峡大橋の下では魚釣りをしている人が十数人おり、何が釣れるのか質問したところ、鯵が釣れるとのことでした。皆針を時々切られているのでこの下にはかなりフグがいるなと思いましたが、目下を泳ぐ魚の群れを見ると私も釣りをしたいという思いでいっぱいでした。

その後中華街へとおもむき、昼食となりました。本当に中国語を使う人が作っている中華料理だったので、どことなく食べ慣れた味とは違うものがありました。また、客引きが異常に多いという印象を受け、これを回避して目的の店へ行くにはなかなかのテクニックがいるなと思いました。

そこからバスで数分のところにある海洋博物館及びハーバーランドが我々のクラス行程を締めくくるものになりました。たまたま海洋博物館には他校の生徒が見学に来ており、なるほど、神戸の女子高生のスカートはとても長い、かわいいなぁ、と考えつつ回りました。川崎重工は航空分野にも飛行機のジェットエンジンやヘリコプターといった部分で大きく貢献している会社で、その分野に興味のある僕にとってはまさに夢のような場所でした。ポートタワーはあいにく閉まっていたのですが、ハーバーランドでクレープを食べ、潜水艦を見るなどなかなか非日常な体験をできました。神戸という町にはこころよりもう一度行きたいと思わせるものがありました。

京都の日昇別荘へ向けて数時間の旅路を(かわいい)ガイドさんの話に耳を傾けながらすっかりと暗くなった京都へと入りました。人生が変わるような体験をした2泊3日でした。

77期高2修学旅行委員 R.K.

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