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修学旅行(4日目と最終日)、委員長の言葉

3
Mar
25

4日目は当初、龍泉洞の見学を行い、震災で大きな被害を受けた田老に行く予定でしたが、台風19号の影響で道路が寸断され、行程を変更せざるを得なくなりました。

まずはHコースが訪れる予定だった大船渡へ向かいました。大船渡では地元のガイドさんに案内していただき、大船渡魚市場や市内に残る震災以降の見学を行いました。市内にはいたるところに津波の到達推移を示す標識が設置されていました。

その後、バスで宮古へ向かい、浄土ヶ浜で遊覧船に乗船しました。船内では付近の海を飛び交うウミネコに餌付けをしながら、約40分のクルージングを楽しみました。

その後、バスでこの日の宿である休暇村陸中宮古へ向かいました。

本州最東端の町として知られる宮古の休暇村は海沿いにあり、本州で一番早く日の出を見ることができます。夕食では日本有数の豊かな漁場である三陸沖で獲れた魚を堪能することができます。

 

最終日、あいにくの雨の中宮古を後にします。バスで3時間かけ奥州藤原氏の本拠地・平泉を目指します。

昼食後、地元のガイドさんとともに中尊寺へ。藤原三代の栄華の象徴として名高い金色堂や、多くの国宝・重要文化財が収められている讃衡堂を見学しました。

その後、藤原氏二代基衡が建立し、美しい浄土庭園で知られる毛越寺を見学した後、一ノ関駅へ向かいました。

一ノ関からは新幹線で東京へ。19時過ぎに解散しました。

 

「中3東北修学旅行を終えて」

今回の修学旅行は直前に台風が来たり、初日の朝、電車が遅れて新幹線に間に合わなかった人がいたりして、波乱の幕開けとなりました。実際に、台風の影響で4日目は田老と龍泉洞に行くことができませんでした。そのような中でも、皆が一致団結してくれたおかげで本当に楽しく、充実した修学旅行になったと思います。ここでは、修学旅行委員としての活動や、東北地方北部に訪れた感想を述べたいと思います。

修学旅行委員は今年の2月頃から準備してきました。4月には修学旅行で東京に来られた田老一中との交流会を企画し、意見交流や震災学習を行いました。その後は、総務班、パンフレット班、研究班に分かれて、それぞれの仕事に打ち込みました。生徒の代表として、どうすれば修学旅行がより充実したものになるかを常日頃から考えてきた修学旅行委員は、自分の頭で考え、皆と意見を出し合いながら進めてきました。修学旅行本番では、委員として皆に行程を説明し、指示を出しました。先生方は大事な注意を忠告するのみで、生徒主体に行動できたと思います。これは自主性を重んじる桐朋だからこそできた、とても良い経験でした。

青森県、岩手県、秋田県の3県にまたがる東北地方北部に初めて足を踏み入れた私は、非常にのどかで落ち着いたこの雰囲気が心地良く思いました。また、美しい自然や伝統的な文化や歴史が残っており、中でも2日目に訪れた奥入瀬渓流は、まさに東北の自然美を象徴するような素晴らしい景色でした。また、最終日に訪れた平泉、中尊寺は奥州藤原氏の栄華が感じられる建造物に触れることができ、その時代に何が起こったのかを理解することができたと思います。私たちは、もう一度東北に行きたいと思わせるような東北の魅力を十分に感じることができたのではないかと思います。

私がこの修学旅行で最も印象に残ったのは、4日目の震災学習です。台風の影響で田老地区ではなく大船渡に訪れました。大船渡ではたくさんの方々が津波によって亡くなっていて、まだ行方不明の方もいるということを知りました。そこで、改めて地震と津波の恐怖を感じ、私たちは日頃から防災意識を持つ必要があると思いました。また、大船渡津波伝承館の館長の方から講演会として約1時間、津波の被害についてのお話を頂き、東日本大震災の学習を深めることができました。ここでの震災学習は、私たちの胸に強く刻まれたと思います。

4泊5日という長い行程で、私たちは実際に行ってみなければ分からない学び、面白さがたくさんありました。ここで感じたことを忘れずに、家族や友人に伝えてほしいです。そして、この5日間を思い返したときに、「もう一度東北に行きたいな」と思えるような修学旅行になっていることを心から願っています。

最後に、この修学旅行を全面的に支えてくださった先生方、添乗員の方に心から感謝しています。そして、77期修学旅行を作り上げた修学旅行委員のみんな、ありがとう‼

77期中3修学旅行委員長 澤本昌宏

 

~記事執筆者より~

僕は今年2月に修学旅行準備委員会として始動してから、8か月の間修学旅行委員会に関わってきました。他の委員会や部活動、勉学と両立しながら活動を行うのは大変でしたが、自分にとって非常に良い経験になったと思います。

一桐朋生としての修学旅行は非常に楽しむことができたとともに、一生に一度の貴重な経験を通して多くの財産を得ることができたと思います。東北の歴史や文化に触れ、東北の大自然を歩き、その自然の脅威を学んでいく中で、数多くの新たな発見がありました。振り返ってみれば短いようで長く濃密な5日間だったと感じます。

一方、委員としての仕事には悔いが残っています。僕は今回の修学旅行に委員として携わる上で「より『better』な仕事をする」という心構えで臨みました。「『better』な仕事をする」という面では委員として最低限の働きができたと思います。

一方で振り返ってみれば、所々で自分の未熟さ、詰めの甘さが出た5日間でもあったと思います。「『best』な仕事、『best』な選択」をすることができる能力が自分にはないことが、僕がこの修学旅行で痛感したことです。

幸い、2年後にはまた修学旅行があります。高2の修学旅行は行程の自由度が増し、より「自分たちで作り上げる」修学旅行の要素が強くなります。一方で自由度が増すことにより、これまで以上に委員として、また桐朋生としての自覚と責任が求められます。今の自分のままでは、到底その責を果たすことはできないと思います。今回の修学旅行で得た収穫と課題を、これからの自分のために生かしていきたいと思います。

最後になりますが、僕たちの修学旅行を支えてくださったすべての人にこの場をお借りして心より感謝申し上げます。本当にありがとうございました。

 

77期中3修学旅行委員 鈴木快晴

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