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日本動物学会第93回早稲田大会で生物部の西田君が発表

9
Sep
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9月10日、生物部の西田君が日本動物学会第93回早稲田大会2022で高校生発表(発表題:『みや林における鳥類の営み』)を行いました。以下は西田君のコメントです。

入学以来約4年半、みや林を中心とした構内の環境で継続してきた鳥類定点観察の記録から、桐朋構内の環境と鳥類の関係性や鳥類相の把握、昨年みや林で繁殖行動を確認したタカ科のツミの記録と保護活動の3点を中心に発表内容を構成し、ポスターにまとめました。

これまで日々の鳥類定点観察から得られた情報は、「フィールドノート」と呼ばれる形で、観察種の詳細な行動記録や気象条件などを書き記し記録してきました。この中から発表内容を構成したのですが、その中でも特に、定点における記録の蓄積を最大限に活用でき、かつ継続観察の証左でもある「桐朋構内鳥類目録」の作成には、かなりな時間を要しました。この目録は、構内で確認した鳥類の全種について、月別の記録状況や構内における分類を表としてまとめたもので、鳥類定点観察の成果を凝縮した発表の核となりました。また、ツミの繁殖行動の経緯を説明する部分では、個体識別によって得られた個体間の関係性を図として可視化し、ポスター内の視覚的な要素として取り入れました。しかしながら、鳥類定点観察の結果の一部として、発表として取り込もうと考えていた別の点(みや林の各環境における鳥類の利用状況や、特定の種の個体数の変化など)については、今回ポスター内に組み込むことが出来なかったため、構成段階の計画性や発表内容の配分が、今後の課題として浮かび上がりました。

会場では、コアタイムに自らのポスターを用いて学会参加者に発表を行い、同時に他の研究発表の見学や発表者との意見交換をして大変有意義な時間を過ごしました。その中で、大学教授や他校の先生方から頂いた新たな見解や知見は、学会の活発的なやり取りからでしか得られないであろう貴重なもので、自らの発表の改善点のみならず、他分野との関連性や視野の持ち方といった、より広く多様な視点を含んでいました。まるで知の渦のような空間で多くのことを学びました。

また、今回の学会発表では「高校生ポスター賞」を頂きました。今後はこの学会で教えて頂いた事を鳥類定点観察に活用し、改良を重ねると共に、学業の方も怠ることなく邁進していこうと思います。

今回の発表にあたっては、ポスターの構成から発表の方法、当日の引率の何から何まで、生物部顧問の茂木先生にお世話になりました。自らの容量の悪さと不手際で、発表の直前まで大変な迷惑をおかけしましたが、一つ一つを丁寧にご教示頂きました。本当にありがとうございました。また、鳥に明け暮れる自分に理解を示し、いつも支えてくれている家族と、日々、鳥の魅力を共有し合える生物部鳥類班の班員に、感謝申し上げます。

 

 

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