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大学で研究してみませんか 東京工業大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院訪問

9
Sep
6

進路企画として行っている「大学で研究してみませんか」。この夏、三つ目の特別講義が行われました。

8月31日(金)に、桐朋高等学校卒業で、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院/環境・社会理工学院教授 猪原健弘先生の研究室を訪問しました。参加したのは、高校2年生1名、高校1年生4名の計5名です。

猪原先生東京工業大学の施設をいくつかご紹介いただいた後、猪原先生が、大学生・大学院生にグループワークによる授業を行う教室にご案内いただきました。床にはカーペットが敷かれ、靴を脱いで上がる部屋であり、車座になって座り、意見交換をしやすい状況で授業を行うこともあるのだそうです。

まず、猪原先生のご専門である「合意形成」について、ご説明いただきました。一例として、「意思決定」と「合意形成」の違いを話題にされ、「意思決定」は「個人や集団がある目標を達成するために、与えられた、あるいは、考えられる選択肢の中から一つを選んで決める」ことであるのに対して、「合意形成」は「集団における意志決定において関係者の意見が分かれた場合などに、選択肢を増やしたり、価値基準を見直したりする中で、意見の一致を図るプロセスである」とご説明いただきました。

その上で、東京工業大学院1年生の授業でも取り上げられる「合意形成ゲーム」に関する授業を体験しました。

まず、自己紹介の仕方について。ポイントとして、「名前の由来」「これまで、これからの所属」「最近取り組んでいること、将来取り組みたいこと」の三点を盛り込むことをご提案いただきました。さらに、アメリカのシリコンバレーでプレゼンテーションの極意として重視されている「エレベーター・ピッチ」、「エレベーター内で投資家と会った起業家が、目的の階までのわずかな時間で、自分のプロジェクトを売り込む」、つまり「成功の必須条件である『短く効果的に話す』」という話題もご紹介いただき、1分以内に自己紹介をするよう、求められました。

その後、「合意形成ゲーム」を体験しました。「NASAゲーム」と呼ばれたりすることのあるもので、月で遭難した際の必要性を考慮して、15個の品物について重要度合いを順位付けするという内容です。まずは個人で取り組み、次に2人組で、

そして、最後は全員で話し合い、決定します。

その上で、NASAがランク付けした順位との差を確認。すると、個人よりも2人組、2人組よりも全員という形で成績が良くなりました。多くの場合、多くの知恵を結集することで結果が良くなるようですが、猪原先生から「理想的な結果」とお褒めいただきました。場合によっては、周囲の者に足を引っ張られたという結果になることもあり、「自らの意思、考えをきちんと伝えられない、説得できない」という反省をしてりするようです。

このゲームを通して、グループワーク、リーダーシップ、ディスカッションについて、改めて考え直したり、理解を深めたりするためのふり返りの機会を設けることもあり、「意見が異なった際、合意形成に向けた工夫として何ができるか」「話し合いの人数が多くなると自分の意見を主張しない人が増えるが、それをいかにして防ぐか」などについて検討するそうです。

最後に、東京工業大学でこうした講座を行うことの意義として、「最新の技術を普及させたり、地域のさまざまな開発を進めたりする際、社会や関係者と協議をし、合意形成を図る必要がある。東工大の学生にしっかりとした認識を持たせたい」と、お話しいただきました。

・毎日、この企画のポスターを見ているうちにだんだんと興味が湧き、自分がまったく知らなかったリベラルアーツを知りたいという思いが高まったので、参加しました。参加して驚いたことの一つは、教室のことです。大学の講義室は、桐朋の階段教室のようなものをイメージしていましたが、外靴を脱ぐカーペットが敷かれた部屋で、床に直に座るためのクッションも用意されていました。他にも、猪原先生に案内していただく中で人文図書館に連れて行ってもらいましたが、「東工大なのに人文図書館?」と驚きました。でも、オープンキャンパスでは行くことのない貴重な体験だとも感じ、嬉しく思いました。自己紹介についてのレクチャーも興味深かったし、討論のゲームは楽しく、話し合いのあり方について考えるきっかけになりました。さらに、大学での教育がどういうものかを具体的に知ることができ、大変参考になりました。(高2)

・「合意形成」という分野に興味があり、参加しました。思った以上に少人数で濃い時間を過ごせましたし、大学で研究をなさっている教授の方がどんな雰囲気なのかを感じることができました。「合意形成」というものの奥深さを知り、ますます興味、関心が高まりました。(高1)

・東工大に興味があったのと、進路について悩んでもいたので、参加しました。実際に大学の中に入って、どのような講義がなされているのかを具体的に知ることができ、とても貴重な体験となりました。東工大は理系の大学だけど、このような印象の異なる、クリエイティブな学部があると知ることができ、とてもおもしろかったです。(高1)

・偶然、校内で張り紙を見かけ、正直「リベラルアーツ」ということばの意味も知りませんでしたが、何となくおもしろそうだったので、参加しました。少し前に、同じ「大学で研究してみませんか」の企画で横浜国立大学にも行き、また、東京工業大学はオープンキャンパスで訪れてもいたので、イメージはありました。その際に感じた「何となく硬そうだな」というイメージと違い、「リベラルアーツの授業では、普段は座布団を敷いてそこに座って授業をする」など意外な点を知ることができました。研究室の雰囲気も、もともと想像していた、机や器具に向かってひたすら試行錯誤を繰り返すようなイメージとは異なり、大学の研究室と言ってもいろいろあるんだなと感じました。倫理的に問題も多いと言われる新しい科学技術が発達していくであろうこれからの世界において、「理解、合意、協力を得る」ということがますます重要になっていくことは容易に想像できます。それに向けて「提案→議論→決定」というプロセスを体験できたのは、今後の自分にとって良い経験だと思っています。(高1)

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