桐朋中学校・高等学校

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高校卒業式 答辞

3
Mar
24

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3月4日に高校卒業式が行われました。71期卒業生代表の笠井健太郎君(上写真)の桐朋生らしい答辞は参加した多くの方の印象に残ったことと思います。以下に笠井君の答辞の全文を掲載します:

<卒業生答辞>

桐朋の自由は、なんでもありの自由です。誤解を恐れずに言えば、そうなります。
 

いくらなんでもありといっても、もちろん校則はありますし、やってはいけないことはあります。自ら選び取ったことに対する責任は当然引き受けなければなりません。そんなことは桐朋生としては至極当然のことです。
 

ここで言っているのは、決してわがままが許されるということではなく、僕たちがどんな選択をしても、それを受け入れ、全力で応援してくれる寛大さ、懐の深さがここ桐朋にはある、ということです。それは、先生方はもちろん、周りの仲間もそうです。自分とは異なる考えに対して、それを排除するのではなく、むしろそれを面白がり、それぞれが個性を活かすことのできる環境があることは、桐朋の持つ自由のすばらしさだと思います。
 

ここでいう自由は、誰かに決めてもらったレールを、なんとなく漠然と進んでいくうちに偶然手に入れられるものではありません。自分の行きたい方向を自ら定め、一生懸命に進んでいく人にのみ、与えられるものです。桐朋での三年間、僕たちは必死に考え、決断し、一歩ずつ歩みを進めてきました。そうして自ら勝ち得た自由を存分に活かし、仲間と協力しながら多くのことを学んできました。
 

いま、改めて七十一期の仲間を見てみれば、いい意味で、変なやつばかりです。たくさんの個性が、お互いを活かしあいながら輝ける環境は、自由なしには存在しえず、桐朋の多様性は自由の証だと、実感しています。
 

僕たちは今日ここ桐朋を卒業し、学び、経験したことを活かすべく、新たな一歩を踏み出そうとしています。そして、その僕たちが進もうとしている現代社会は、「転換期」である、そう思います。
 

『転換期を生きる君たちへ』という内田樹さんが編んだ中高生向けのアンソロジーがあります。そこで内田さんは、転換期とは「世の中の枠組みが大きく変化し、短期間に成熟することが求められる時代」とし、そこでは、大人の言うことを「排除したり、無視したり」することでもなく、「頭から信じる」ということでもなく、「信憑性をかっこにいれて、一つ一つの言葉を吟味する」姿勢が必要だ、とおっしゃっています。
 

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僕たちがこの桐朋で学んだのは、まさに、この転換期で生きるために必要な姿勢です。自ら問い、考え、一人でわからなければ仲間の力を借り、先生に意見があれば遠慮なく言う。そして先生もそれに真摯に向き合ってくれる。桐朋の自由な校風の中で、僕たちが何気なく日々行ってきたことは、まさに「転換期」である現代を生き抜くための大切な経験になっていたのだと気づきました。

この環境は、先生方、そして保護者の方々の支えなしには成立し得ないものです。僕たちにいくつもの試練と、それを上回るサポートを与えてくださった先生方、保護者の方々には感謝の思いでいっぱいです。そしてもちろん、この環境は、この桐朋で学んだ多くの先輩方が築き上げてきたものを、僕たちが受け継いだものです。このすばらしい環境を後輩たちが受け継ぎ、そしてその中でより一層の活躍をしてくれることを信じています。
 

これからの僕たちは、先生方、保護者の方々の支えなしに、この転換期を自分たちの力で切り開かなくてはいけません。きっとそこにはたくさんの困難が待ち受けているはずです。けれど、今の僕たちは、自ら考えることを放棄して、その時々に形作られるマジョリティにただついていくような、そんな愚かな行為はしません。この愛すべきすばらしい学び舎でともに学び、考え、笑いあった最高の仲間と、高い志をもって、新しい時代を創り上げていくことを、ここに宣言します。
 

以上をもって答辞とさせていただきます。
 

二〇一七年三月四日 卒業生代表 笠井健太郎

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