校歌

桐朋中学校・桐朋高等学校 校歌

解説

国立の丘にそびえたつ僕等の学校の窓からは老松の枝ごしに朝夕富士がながめられる。
その富士のいかにもゆったりとした姿はいつも『この雄大な大自然に対してはずかしくない人間になれよ。
こせこせした人間になるなよ』と僕等に教えている。

その美しく輝く富士の高峰の雪の様に清らかな心を持とう。武蔵野の季節の移りかわりにつけても『少年は老い易く学成り難し』という言葉の意味を良く考えあじわい、さらにこの様にすばやくすぎ去ってしまう人生にひきかえて、はかり知れない遠い昔から決して古びることなく常に新しい姿を見せている大自然の偉大さを考えあわせ、たえず新しい勇気をふるいおこして努力してゆこう。

良い友達がより集っている多摩川に近いこの学校で、多摩川の石が流れにみがかれる様に、我々もすぐれた素質を、一層磨き上げ、ますます志を高く持って勉学に運動にはげんでゆこう。鳳凰という鳥は桐の木にだけ住むと言われているが、そう考えると桐朋という名は実におくゆかしい名だ。そしてこの学校は、その鳳凰のひなの様な僕等が宇宙の真実を探求しながら、鳥でいえば鳳凰の様な立派な人間に育ってゆくところなのだ。